アルミ価格のフォーミュラ化 (1)
8月にアルミ価格のフォーミュラ(方程式)化が決定されたことや、在庫欠品発生を受け、ここのところ、短納期発注が相次いでいます。
元々、アルミ業界では、
NSP [New Standard Price] :アルミ地金の相場価格
RM [Roll Margin] : 材料の圧延・押出ロール工賃
を基準にして、材料価格が決定されていました。
ここ1年ほどのNSPの価格動向を記載すると
のようになります。
アルミ地金の輸入量の7%程度がウクライナ産だったこともあり、アルミ地金の相場価格を直撃する格好で高騰しました。
NSPの計算方法は、単純でして
日経新聞に記載の地金相場価格1か月分の平均を出しておきます。
適用期間は3ヶ月間で、1-3月、4-6月、7-9月、10-12月となります。
周知期間1ヶ月として、計算に割り当てる期間は、当該期間初月の前々月から3ヶ月となります。
例えば、10-12月だと、10月の前々月に当たる8月から遡り、7月、6月となります。
つまり、6-8月平均が、10-12月のNSP価格として適用されるということになります。NSPは、三か月平均値の【一の位を四捨五入】した数字に、10円(エキストラ価格)を上乗せして決定します。
つまり、直近で計算すると、10-12月の適用価格は、6-8月の平均ですから
(422.3+404.6+403.7)/3 = 410.2円/Kg
一の位を四捨五入して、10円を加算すると、420円になるわけです。
RMについては、材料メーカー独自の価格設定となります。
基本的には横一線になることが多いです。
大体、150円~250円/Kgとなることが多いですが、この辺りは交渉次第でかなり変動します。
さて・・・
最高値480円を記録した後の相場推移から、10月以降、アルミ価格の下落は必至でした。
そのため、この夏は例年以上に厳しい【アルミの夏枯れ】を体験することになっております。
みんな、固唾をのんで10月になるのを待っていたのですが、冒頭でも申し上げたように、8月にアルミの材料業界から【フォーミュラ化】が飛び出してきたのです。
これが何か?
というと、地金の価格だけでなく、添加物の価格も反映させた【方程式ルール】を導入するというものです。
こうなると、非常にややこしくなります。
なにしろ、アルミには複数の番手があり、その番手ごとに添加物の配合比率が異なります。
一つ一つの番手ごとに単価の変動量が異なることになるわけですから、こちらとしても当惑せざるを得ません。
しかしながら、この【フォーミュラ化】が発表され、10月になっても値下げ幅が小さいということが判明すると、在庫が少なくなっていた各社が発注に踏み切り出したのです。
この点は、有難い点ではあるのですが、発表が遅すぎたため、欠品寸前の超短納期案件に押されまくり、工程がしっちゃかめっちゃか・・・
材料が入ってこずにてんやわんや・・・
の状態になっております。
ということで、朝から説明の文章を書いているといつのまにかこんな時間になってしまいました。(はよ仕事に戻らないと・・・)
誠に不本意ながら、この続きとなる添加物のフォーミュラ計算につきましては、パート2にてご説明しますので、少々お待ちください。
しがないオッサンにサポートが頂けるとは、思ってはおりませんが、万が一、サポートして頂くようなことがあれば、研究用書籍の購入費に充当させて頂きます。