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TJAR女子選手ゆるゆるほろ酔いトーク 「女性選手に配慮を」との意見を議論しました

 2022年12月、当マウンテンスポーツ同志会が東京あきる野市のキャンプ場で開催したキャンプインイベントが「第1回 Mountain Sports Conference(マウンテン・スポーツ・カンファレンス)」です。
 コンセプトは「山岳スポーツ好きがつどい、交流する体験型イベント」です。
 今回のメインテーマは「トランスジャパンアルプスレース(TJAR)」。歴代のTJAR選手や大会スタッフ、そしてファンが集結し、20を超えるトークセッションやワークショップを一緒に楽しみました。各トークセッションやワークショップの模様は、Youtube「Do!マウンテンスポーツ」で更新中です。

Do! マウンテンスポーツ - YouTube

Moutain Sports Conferenceの各セッションの模様は、マウンテンスポーツ同志会のYouTubeチャンネル「Do!マウンテンスポーツ」で順次公開中です


 そんななか、異色だったトークセッションのひとつが表題の「TJAR女子選手 ゆるゆる ほろ酔いトーク」でした。
 TJARの完走4回、しかも男女総合優勝1回というレジェンド・鈴木(旧姓・間瀬)ちがやさん。2008年、2010年の計2回完走者の星野緑さん。2014年大会に出場した中村雅美さん。以上の女性選手3人にご登場いただき、聴講者たちの突っ込みも巻き込みながら、ほろ酔いならぬ「酔っぱらいトーク」が展開されました。
※注:TJAR出場経験はないものの200マイル等の超長距離トレイルレース出場経験が豊富な野間陽子さんにも飛び入りで登壇いただいています。

「TJAR女子選手 ほろ酔いゆるゆるトーク」。
出演者はかなり出来上がった(=酔っぱらった)状態で登壇!(Photo 金子雄爾)

 1時間以上にわたって展開されたトークの大半はそのままYoutubeにアップしましたが、女性特有の問題というか、ちょっとデリケートな話題が話された10分間の内容についてはYoutubeでは公開せず、少しだけ編集の手を加えたうえで、こちらのnoteで公開することにしました。

 これより下の本文をお読みになる前に、まずは下記Youtubeの動画をご覧いただくことをお薦めします。

【YouTube動画/前編】

https://youtu.be/Q-W6kdXz9vY

【YouTube動画/後編】

https://youtu.be/5z4C0WmdilA


 
トークセッションも残り時間がわずかになり、司会者から聴衆の皆さんに対して質問や意見を促したところ、以下のような議論が始まりました。

<Aさん(参加者)>
 男性がたくさんいるなかで聞きづらいところなんですけど・・・。
 あの・・・、女性って月的なものもあるじゃないですか。そこがけっこう難しいと思うんです。(TJARの選考会や本大会に向けて)コンディションを合わせるところが・・・。
<星野緑> あー! わたし女性じゃないので (笑)
<Aさん> あっ (笑)、言うと思った!
<星野緑> レース中はそんなことなんにも考えてない。どうだったかなー? ちょっと忘れちゃいました。
<松田珠子(司会者)> でも、インタビューで・・・。
<星野緑> あーっ! 雑誌で思い出した! 大会中、生理になっちゃったんだわたし。
<松田珠子> 途中で眠くて、やっぱり体が重くなって眠かったってお話をされていましたよ。
<星野緑> 思い出した。でもレース中に対処なんて無理ですよね?(笑)

(注:『アドベンチャースポーツマガジン 2009 No.7』(山と溪谷社)のTJAR2008レポート記事で【それよりも、レース後半に生理になってしまったのが困りました。初日からの異常な眠気は、生理の前の現象によるものだったんだと思いましたが、こればかりはどうしようもなかったですね】と、松田珠子のインタビューに答えている)

<Aさん> (TJARのレース中は睡眠時間を削るので)そもそもが眠いうえに、生理が重なればもっと眠い、ていうところもあるのかなって。どうなんだろうと思って、すごい聞いてみたかったんです。
<星野緑> 私はぜんぜん参考にならないんで(笑)
<鈴木ちがや> 私は大会中でも普通に(生理が)ちゃんと来てました。
<Aさん> そこは、陽子さんも含めて聞きたいです。
<野間陽子> 「しょうがないな」と思って普段どおりに、レース中も。
<星野緑> そこですよね。「しょうがないな」と考えてそのまま受け止めてますよね。「あ、来ちゃった」ぐらいでね。
<松田珠子> トイレもやっぱり山だと少ないじゃないですか。行きたいときに行けないとか。困ったときはどうする?
<野間陽子> トイレでなんとかするしかない。
<松田珠子> トイレはひたすら我慢する?
<中村雅美> そうですね。
<野間陽子> しょうがないですよね。
<星野緑> しょうがない。

<松田珠子> Aさん、いかがですか? そこが割とつらいなあと?
<Aさん> 期間が決められているレースであると、そこに合わせなきゃいけないから、そこを、自分の体を合わせなきゃいけないということろが、たぶん男性は一切わかってないところなので、そこは考慮してもらいたいかなっていうところもありますし。
<星野緑> ・・・どんな考慮ですか?
<Aさん> うーん・・・ 「大変だな」っていう・・・
<星野緑> (笑いながら)大変だもんねー。(生理用品など)荷物も増えるもんねー。
<松田珠子> (男性たちは)理解してほしいっていう?
<Aさん> 理解はできないと思うけど、でもそういうのを乗り越えて来てるんだよというのは、配慮? 配慮というか・・・
<宮崎英樹> それは、主催者に対してですか?
<Aさん> あ、もう、そうですね。
※会場内 ザワザワ※

◆テレビカメラの密着問題

<宮崎> あと、NHKの追っかけとか、女性は気になるもんですかね? 男より余計に。
<星野緑> (私が出場した年は取材は)なかったんです。
<宮崎> 関係ない? なかった? あ、そういう時代だった、テレビがない時代だった?(笑)
<星野緑> ない時代だった(笑)
<松田珠子> テレビはありましたけど、緑さんが出場した時代はテレビ取材は入ってません。
<宮崎> NHKの取材は誰も受けてない? 雅美さんはちょっとありましたか?
<中村雅美> 私はTJARでは密着はされなかったけど、アドベンチャーレースでは密着されました。
<宮崎> それはうざかった?
<中村雅美> うざくはなかったです。カメラマンがみんな知ってる人だったからお友達みたいな感じで。
<宮崎> TJARの場合は知らないカメラマンもいっぱい付いてくるでしょうしね。
 でも女性の場合、たとえばトイレだとか、そういうちょっとしたことで密着は気になるんじゃないですか?
<中村雅美> 大きいほうをもよおしたときは「これから大きいほうに行きまーす」って言って、「そっちに行くので映さないでください」って言って。そんな感じですね。
<松田珠子> TJARに4回出場した平井小夜子さんも、テレビのカメラがついてきて、「トイレ行きたいのに・・・」みたいな話をされていましたね。
 女性選手はそういうところとを乗り越えながらやってるって、今日来てくださった男性の皆さんも、理解して、配慮してくれたらなと(笑)

◆女性選手の出場を優遇してほしい

<松田珠子> ちなみにこの数大会、女性選手が一人も出ていないんですけど、応募はあったんですか?
<飯島浩(実行委員会)> ないですね。
<中村雅美> なかったんですか?
<飯島浩> 前々回の2018年の選考会には女性も参加していました。残念ながら抽選で落ちてしまいましたが。
<星野緑> 〇〇ちゃんだ。
<松田珠子> 女性に出場してほしいなと私は思うんですけど。
<Aさん> 女性が・・・、ごめんなさいね・・・、女性が選考会を通ったら、抽選会なしで本戦に通すってのも、検討していただきたいなというのも思ってて・・・。
 ※会場内しばらくざわつく※
<Aさん> こんなこと言う機会もなかなかないので・・・。
 女性っていろんな、体調的な問題とか、年齢的な、結婚とか出産とか、いろんな問題を抱えつつも、(練習を重ねて)上がってきて、選考会を通ったにも関わらず、そこを抽選という、正直どうでもいいところで落とされるのはすごい悔しいと思うんですよ。そこで男女のふるいをかけないっていうのはわかるんですけども、なんか配慮がいただきたいなとすごい思います。
 すいません、こんな場で。なかなか意見を言う機会もないので。
<松田珠子> 発言していただきありがとうございます。
<Aさん> ・・・・って、思ってました。
<松田珠子> 今日は実行委員会の方もいらっしゃるので。
<Aさん> なかなか、あれだし、すいません・・・。
 ※会場内ザワザワ※
<Aさん> でもそう思ってる人も、たぶん中にはいると思うので、そこは検討していただければなと思います。
<松田珠子> 実行委員会サイドも、ここで思いを話すと長くなっちゃうと思うので。時間もないので・・・。
 雅美さんどうぞ。

◆女性選手が参加しやすい雰囲気を

<中村雅美> 今の話とはちょっと違いますが、今は女性がエントリーしにくくなっていると思うんですよ。NHKのテレビ放映で選手がもてはやされてる感じとか、装備はこうじゃなきゃいけないっていうような雰囲気というのは、女性にとってはとてもハードルが高くなる。
 ちょっと昔の私が出場していたときには、わりと出場のハードルが緩かったと思うんです。いちばんいい選手の例が、ミスターボーダーラインの宮崎(崇徳)さん。あの方は、装備は自分の家にあるものでOK。食べたいものは持っていく。重くても、装備がかさばってもOK。それでいてあの風体じゃないですか。なんかこう、でっかい感じ(笑)
<松田珠子> 2012年大会も再放送されるってことなので。宮崎さん、ミスターボーダーラインといわれた方、あの風体の・・・。

ミスターボーダーライン宮崎崇徳さん(Photo 宮崎英樹 2009年撮影)


<中村雅美> で、宮崎さんが静岡駅で迷ってる感じとか、迷子になった感じとか。そういうシーンがあると、なんか女性でも「いいなあ。私でもできるかも」っていうふうに思えるんだけど、今はなんかちょっとキツキツな感じがとてもある。
 それが取り払われると、女性でもいけると思う。やさしくなってほしい。
<松田珠子> 「やさしくなってほしい」という、また別の意見が出ました。
<中村雅美> 今の選考の基準はこのままでいいと思うんですが、やさしくなってほしいなと。
<松田珠子> ありがとうございます。いろいろな提言をいただきありがとうございます。

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と、いう感じの議論でしたが、皆さんはどのように感じましたでしょうか?

左から星野緑さん、望月将悟さんを挟み、鈴木ちがやさん、中村雅美さん。まだトークショー開演前なのに、だいぶ呑んじゃってて出来上がってます!(Photo 金子雄爾)

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[ここからは執筆者・宮崎による論考です]


◆18年大会以降、3大会連続で女性出場者がいない現状

 2002年から2年に一度、計11回開催されているトランスジャパンアルプスレース。これまで出場した選手は計137人で、そのうち92人が完走しています。
 この出場137人のうち、女性の「出場者」は8人(間瀬ちがや、平井小夜子、星野緑、伊藤奈緒、西田由香里、中村雅美、栗原葉子、玉置千春)。全出場者に占める女性の比率は8人/137人で5.8%となります。
 さらに女性の「完走者」となると、たった4人しかいません(間瀬ちがや=4回、星野緑=2回、西田由香里=1回、栗原葉子=1回)。同じく全完走者に占める女性の比率は4人/92人で4.3%です。この事実から「女性のTJAR完走」は非常に高い難関であるといえるでしょう。
 とはいえ、女性にとって「完走」は高い難関でも、少なくとも「出場」については、フルマラソンで3時間20分を切る、既定の山行経歴を作る、などの要件を満たせば誰でもエントリー権を満たせるため、エントリー要件そのものが女性を門前払いしたり、女性の出場意欲を大きく削ぐことにつながっているとは考えにくいです。
 そんななかで現実を見ますと、女性の出場は2016年大会が最後で、18年、20年(※コロナ禍による延期で開催は21年)、22年と最近の3大会連続でゼロとなっています。大会実行委員会によれば、女性からのエントリー書類の提出そのものが20年、22年はなし。18年大会を最後に途絶えているのだそうです。

◆「TJARの女性選手率」の考察

 登山や冒険には男女の区別はありません。「人」が対峙するのは「山」や「自然」です。TJARもその点はまったく同じで、相手は山や自然。そこに男女の区別はなく、女性だから甘やかしてくれるとか、男性だけに厳しくあたるとか、そういう世界ではありません。性別・体力・スキルなどは無関係に、山や自然は誰にでも平等で、誰にでも等しく厳しいのです。
 もちろん、体力面で平均的に(あくまで平均的に、です)男性に劣る女性がTJARを完走するのはかなり難しいという現実は確かにありそうだから、はなからエントリーをあきらめる・躊躇するという、女性ならではの【心理的事前関門】があるのは確かでしょう。
 参考までに、日本を代表する100マイルトレイルレース「Mt. FUJI 100」の、今年2024年のエントリーリストから男女比を調べたところ、女性比率は13.8%でした。いっぽうのTJARは先述のとおり5.8%です。トレイルレースの場合、一般的に距離が長くなるほど女性比率が減る傾向があるため、Mt. FUJI 100よりTJARのほうが女性比率が少ないのは傾向として理解できます。
 ただ、それにしても最近のTJARって、ちょっと女性の参加率が低すぎじゃないでしょうか?というのが私の疑問ポイントです。というのは、少なくとも10年前、15年前は、女性選手がそこそこ参加していたように思うからです。
 そこでTJARの、2004年大会以降の女性選手比率と女性の人数、出場女性選手名を調べました。
・2004年=12.5%(1名。間瀬ちがや)
・2006年=16.7%(1名。間瀬ちがや)
・2008年=19.0%(4名。間瀬ちがや、星野緑、平井小夜子、伊藤奈緒)
・2010年=12.0%(3名。間瀬ちがや、星野緑、平井小夜子)
・2012年=3.6%(1名。平井小夜子)
・2014年=10.0%(3名。西田由香里、平井小夜子、中村雅美)
・2016年=6.7%(2名。栗原葉子、玉置千春)
・2018年=0%(0名。ー)
・2020年=0%(0名。ー)
・2022年=0%(0名。ー)
 という状況です。

◆<テレビ前>と<テレビ後>

 選考会エントリー者は近年増加しているのに、女性の参加者がいなくなった理由として、私はテレビ放映の影響が大きいと考えています。
 2010年大会まではテレビの取材はなく、『山と溪谷』等の登山雑誌や『アドベンチャースポーツマガジン』等のトレラン雑誌など、ごく限られた専門誌が記事にする程度でしたので、世間的には「知る人ぞ知る」草大会でした。
 2012年大会からNHKの取材が入り、番組放映が始まったことでTJAR人気に火がつき、応援者は爆増し、出場したい人も急増、自治体や企業によるスポンサードも一気に増えました。

 <テレビ後>以降、選手目線ではどういうところが変化したでしょうか? 出たがりな人はテレビ取材も放送も大歓迎でしょうし、実際そういう選手のほうが多いのかもしれませんが、もし私が選手として大会に出たらどんな心理状態になるかについて、一部妄想も混じえつつ列挙してみましょう。
① カメラマンに四六時中密着され、常時撮影され、さまざまな質問をされる
・全選手が密着されるわけではないものの、自分が密着の対象者なのかは事前にはわからない。疲労困憊で精神的に追い込まれているときにカメラに追いかけ回されるのはイヤかも。
・素直な感情を表に出しにくいかも。番組で使われたらイヤなので、怒ったり怒鳴ったり泣いたりしづらいかも。「TJAR選手たるもの、つねに模範的な言動をし、どんな状況でも怒ったり感情を現わしたりしてはならない」といったプレッシャーに悩むかも。
・「TJAR選手たるもの、視聴者に感動を与えられるストーリー性を内包していなければならない」が、自分にはそんな立派なストーリーなんてない。多少は演技したほうがいいのかな? 自分を誇張して見せないといけないのかな?みたいなストレスもあるかも?
② 応援者の数がスゴイ
・応援がありがたいシーンのほうが多いと思うけど、「いつ・誰に見られているかわからない」との感覚がつねにありそうで、迂闊な行動・発言ができなそう。
③ 選手や完走者が以前よりもヒーロー扱いされるようになった
・オレなんか、ただTJARを完走できれば満足だし、そもそも完走できるか怪しいただのおじさんです。だから妙に崇め立てられても困惑しちゃうかも。
・ヒーローは24時間×8日間、模範的な人間であり続けなければならないんだろうけど、少なくとも自分にはそれは無理かも。

 ざっとこんなところでしょうか?
 より具体的に、私が女性選手になったつもりで考えると、例えばトイレ問題。小用は1日何回もするものですし、男性であれば立ったままササッとすませられ、もし誰かに見られていてもそこまで気にはなりません。しかし女性はお尻を出さざるをえないので、小用を足す場所探しやストレスは男性の比ではないでしょう。山深い場所で「よっしゃ誰もいない!チャンス!」と思っても、TJARファン(=当然ながら選手に対し熱烈な興味を抱いている笑)が木の陰からそっとこちらを見ている可能性もありますから、いつにも増して入念に確認しないといけないでしょう。
 NHKのランニングカメラマン(ランカメ)も密着してきます。ランカメが女性であれば気が楽かもしれませんが、山の中で密着してくるランカメはまず間違いなく男性です。知らない男?に四六時中つけ回され(笑)、それだけでなくカメラのレンズをずっと向けられ続けて居心地のいい人はいるでしょうか?(中にはそうした状況が嬉しい人もいるでしょうけど)。男性の竹内雅昭選手ですら、カメラを向けられ続けている状態を「ピストルを突き付けられているような」と表現していました。女性であればなおさらイヤかもしれません。
 四六時中ビデオで撮られるということイコール、プライベートが丸裸にされるということです。撮られた映像が全国に放送される可能性があると考えたら、たとえ疲労困憊で・眠くて・意識朦朧で・空腹で・喉がカラカラで・寒すぎて・暑すぎて・痛くて・痒くて・すっぴんで・肌が荒れて・くちびるガサガサで・生理中で・関門時間に追われ・トイレを我慢していて、簡単には答えの出ない同じ質問を何度も何度も繰り返しされる。それでもイライラや怒りその他の感情をストレートに表に出せない、出してしまうとそのシーンが放送で使われてしまう可能性が大なので平静を保たないといけない状況というのは、男でおっさんの私が考えただけでもしんどく、間違いなくストレスが溜まることでしょう。

 トレイルレースにせよアドベンチャーレースにせよ、ルールはあくまで大会運営者が決めるもので、参加者はそれに従うのは当たり前です。TJARの場合は2012年大会からNHKの取材を受け入れ、それが22年大会も継続しています。選手はテレビの取材が入り、密着される可能性があることを理解したうえで参加しています。
 テレビ放映を通じてTJARが広く知られ認知されたことで、山小屋・自治体・各関係機関との関係がよくなり、登山者や沿線住民から応援されるようになり、出場をめざす人が増えた。これは間違いなくメリットです。
 そのいっぽうで、女性や、男女問わずカメラの密着が苦手な人は参加しづらくなっているのも事実でしょう。

 以上、ダラダラと書いてきたうえ、なんの解決策も提示できないのですが、なんにせよ私は2024夏のTJARに女性選手が出場していてほしいなと思っています。
 そして女性選手が出場した場合、私はもちろん熱烈に応援しますけれども、密着(!?)は控えたいと思っております(笑)

記=宮崎英樹(マウンテンスポーツ同志会/Do!マウンテンスポーツ主宰)


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