ひと言レビュー／MESHUGGAHの9th「VIOLENT SLEEP OF REASON」

VIOLENT SLEEP OF REASON / MESHUGGAH
2016年10月発売

スウェーデンのエクストリーム・メタル・バンドMESHUGGAHが放つ9thフル。

最近は「ジェント」の代名詞のように言われることが多いが，そのような言葉など存在しなかった時代から一貫しているそのスタイルは本作でも健在だ。「ミュージシャンズ・ミュージシャン」の誉れ高い彼らの面目躍如と言える傑作に仕上がったと思う。

８弦ギターが紡ぎ出す超絶ヘヴィなリフと，その下からゴリゴリとうねりを上げるベース，変則的なリズムを恐ろしく正確に刻むドラム。それらすべてが渾然一体となって生み出す，スーパー・ヘヴィでソリッドな轟音。複雑難解な楽曲群はスピードこそ抑えめだが，尋常ではない緊迫感と迫力に満ちている。各メンバーの圧倒的な超絶技巧は言わずもがな。展開も実にスリリングだ。

とっつきにくくてよく分からないという人は，とりあえず冒頭の3曲を聴くべし。このアルバムの何たるかが分かるだろう。

最後にVoについて。Voの怒号（咆哮）が時折あのフィル・アンセルモを彷彿とさせる気がする。初期の頃のような切羽詰まった感じはやや後退し，その代わりにほんの少しだけキャッチーな雰囲気が感じられるようになったと思う。とはいえ基本は怒号なので，あくまでもほんのちょっと，というレベルだが。

【収録曲】
01 Clockworks
02 Born In Dissonance
03 Monstrocity
04 By The Sun
05 Violent Sleep Of Reason
06 Ivory Tower
07 Stifled
08 Nostrum
09 Our Rage Won't Die
10 Into Decay

※アメブロからの転載です。