レビュー/IN FLAMESの「BATTLES」は超美麗なメロディック・メタル!
BATTLES / IN FLAMES
2016年11月11日発売
スウェーデンのIN FLAMESが放つ12thアルバム。彼らの音楽がメロデック・デス・メタルと呼ばれていたのも今は昔。本作ではデスの要素は皆無と言ってよく,ひたすらメロディアスな慟哭メタルを聴かせている。
アンダース・フリーデン<Vo>の表現力豊かな歌いっぷりが素晴らしい。美麗なメロディを高らかに歌い上げるスタイルは,ここ何作かでおなじみのものだ。彼のヴォーカルは間違いなく楽曲のドラマ性に拍車をかけている。しかもクリーン・ヴォイスで歌うだけでなく,かつての「デス」的要素を思い起こさせるスクリーム(グロウルではない)も効果的に用いられているので,美しさの中にも激しさや激情が感じられ,楽曲がさらにドラマティックになっていると思う。
サウンドは非常にクリアで整合感がある印象だ。美しいリフを細かく刻むギターはもはやIN FLAMESのトレードマークと言っていい。どの曲もキャッチーで透明感に溢れてメロディアス。それでいて全体としては適度にヘヴィ。非常に良質なメロディック・ヘヴィ・メタル・アルバムに仕上がっている。
先述のとおり元々はメロディック・デス・メタル・バンドだったIN FLAMESだが,デス・メタル的色合いを今の彼らに求めるのは筋違いだ。その意味で本アルバムはヘヴィネスとアグレッションに欠けるかもしれない。しかし今アルバムはそのようなデス・メタル成分の不足を補って余りある美しいメロディとドラマティシズムに満ちている。M01.'Drained'やM02.'The End',M12.'Save Me'はそれを象徴する楽曲だ。最も攻撃的なのはM07.'Trough My Eyes'だが,テンポが速くてヴォーカルにヒステリックなパートがあるからそう言えるだけで,全体としてはアルバムの志向に沿ったキャッチーな曲。
個人的なハイライトはM04.'The Truth'。とにかくサビが壮大できらびやか。キャッチーなこと極まりない。おそらく「最もIN FLAMESらしくない曲」とさえ言えるかもしれないが,この曲こそがIN FLAMESの未来を指し示していると思う。
【収録曲】
01.Drained
02.The End
03.Like Stand
04.The Truth
05.In My Room
06.Before I Fall
07.Trough My Eyes
08.Battles
09.Here Until Forever
10.Underneath My Skin
11.Wallflower
12.Save Me
13.Greatest Greed
14.Us Against The World
*アメブロからの転載です。
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