見出し画像

【ITSAY】Oh-aewのプレイリスト Part 1 (1-16)

こんにちは、chiです。

前回のI Told Sunset About Youの記事に多くのアクセスをいただけて、非常に嬉しいです。まだまだITSAYの余韻を引きずっています。まだまだITSAYについては書きたいことがあるので、また色々考察を書いていきたいです。

先日、ITSAYの制作会社であるNadao Bangkokが、ドラマのオリジナルトラックをYouTubeで公開しました。ドラマはサウンドトラックの使い方も素晴らしいので、このプレイリストを聴きながらいろんなシーンを思い出ししまいそう...でも作業用にもぴったりのプレイリストにもなってるので、ドラマ観た人はもちろん、未視聴の方もぜひ。

プレイリストで思い出したのが、今年初めに観たイギリスのBBCとHulu制作ドラマ『ふつうの人々』。このドラマはアイルランド人作家のSally Rooneyの原作"Normal People"を元にしていて、高校の同級生のMarianneとConnellの情事を描いた青春ドラマ。原作がイギリスでも大ヒットして、ドラマの評価も高かったので夏頃に観た。この作品、大学進学前の学生の主人公二人が学校の友達に秘密で体の関係を持ち始め、紆余曲折を経てくっついたり別れたりするだけの話なんだけど、セックスの描写がとてもリアルかつ女性のMarianne主体で描かれているのがとても良い。ITSAYのような複雑な人間模様のドラマが好きな人にはオススメのドラマ。

そのドラマの主人公二人のプレイリストがSpotifyに公開されてる。ドラマの中の二人はこんな曲を聴くんだろうなと色々想像を巡らせることができて楽しい。このドラマが好きな人は調べてみてほしいです。

ふと、私もこういうプレイリストをTehとOh-aewのイメージの曲で作りたくなったので、やってみた。私は日本に90年代生まれて、比較的英語圏のポップスを聴いて育ってきたので、私が二人に聴いていてほしい曲と実際の二人のようなZ世代が聴く音楽は異なるかもしれないけど、自己満足で作ったものをシェアして、解説したいと思います。

注:以下、作品のネタバレ、そして私の解釈が諸々含まれています。

まず初めはOh-aewのプレイリスト

あれもこれもって思ったら、つい入れすぎちゃって、29曲2時間弱のリストに...!

Oh-aewとTehのプレイリストで共通したテーマとしたのは、私が好きなクィア映画やドラマシリーズのサントラに使用されてる曲を何曲か入れているところ。二人で色々観てほしいなぁと思って。別に二人で見る映画はクィア作品じゃなくってもいいんだけど、ITSAYはアイデンティティの話だったから、こういう作品を観て、TehとOh-aewが二人だけで悩まなくてもいいんだって思ってほしい。

曲の順番はドラマの時系列に沿ってます。


1. I'll Be Fine - Clairy Browne & the Bangin' Rackettes

一曲目はOh-aewのイメージを前面に出した曲を起きたかったんだけど、なかなかしっくりくるのが見つからなかった...とりあえずドラマ『プリーズ・ライク・ミー』のイントロでかかるこの曲にした。オーストラリアのコメディアン、ジョシュ・トーマスの自伝的なドラマ作品で、彼が彼女との別れ話で「あなたゲイよ」って言われて初めて自分のセクシャリティと向き合う話で。カミングアウトを必要としないオープンマインドなコミュニティに生きる主人公の話が良い。日本ではNetflixで配信してる。

Ohって、EP3のお寺のシーンでも、「運はいつも僕に向いてるって気がするんだよね」って言ってたりしてて、基本楽観的な性格な気がするから、軽快なリズムで"I'll be fine"って歌うこの曲がぴったりだと思った。


2. Beautiful Ones - Suade

3. Modern Love - David Bowie

画像1

この二曲はOhのどこかアンドロジナス(両性具有的)なイメージから。Beautiful Onesはドラッグでハイになる歌だけど、サビの"Here they come, the beautiful ones. The beautiful ones."の部分がまさにOh-aewのイメージとして真っ先に浮かんだ。SuadeのヴォーカルのBrett Anderson(写真左から二人目)の妖艶な雰囲気はOh-aewにぴったり。ちなみにAndersonはバイセクシャルと自認してて「自分自身は同性愛経験のないバイセクシャルの男性だと思っている」(“I see myself as a bisexual man who has never had a homosexual experience”)と発言している。

AndersonがDavid Bowieにインスピレーション受けてるのと、Modern Loveは全てのYA映画に入れてほしいくらい好きだから、このリストにも入れてる。この曲といえば、『フランシス・ハ』でフランシスがニューヨークを踊りながら駆け抜ける姿が印象的だったけど、Ohのバンコクの街を駆け抜ける姿も見たい。

ドラマの1話の時のTehと敵対してる頃のOh-aewのイメージでもあって、アンドロジナスな感じの中に内に秘めた強さとか尖ったところのあるOhをイメージした二曲。


4. Heather - Conan Gray

Conan Grayのこの曲は今年TikTokで流行ったらしくて、GMM所属のKhaotungもInstagramライブでカバーしてたね。好きな人の好きな女の子(もしくは彼女)のHeatherに嫉妬してしまう気持ちを歌った歌詞が切ないけど、リアル。

Watch as she stands with her, holding your hand
Put your arm 'round her shoulder, now I'm getting colder
But how could I hate her? She's such an angel
But then again, kinda wish she were dead
 as she
Walks by
What a sight for sore eyes, brighter than a blue sky
She's got you mesmerized while I die

好きな人がHeatherと手を繋ぐのを見て寒気がする、彼女を嫌いにはなりきれないのに、彼女が死んじゃったらいいのにって軽率に思ってしまう。彼が彼女を見つめるたびに夢中になるのを見て死にたくなる。全て思春期の恋の生々しい感情。Basに恋していて、「女の子が好きかもしれないし」って言って繊細になってるOh-aewのイメージかな。そのあとTehがすきになったときのTarnに対する気持ちでもいい。


Conan GrayはもともとYouTuberとして活躍してて、歌をカバーしたりイラスト書いたり、私服紹介したり、大学入学試験の結果発表までしてたのを何年か前から観てたので、今ポップスターになった彼をみてすごく嬉しい。若い時からSNSで自分を見せる方法を知ってるっていうのは、Ohと重なる。ちなみにお母さんが日本らしく、幼い時はよく日本を訪れていて、ステーショナリーグッズ紹介ビデオも作ってた。

彼が高校最後の年に作った曲"Idle Town"も好き。手作りのMVもかわいい。


5. Mystery of Love - Sufjan Stevens

おなじみの『君の名前で僕を呼んで』のサウンドトラックです。この映画が好きでこの曲を入れたけど、歌詞を調べてみると恋に落ちた時のあがなえない気持ちが歌われていて、OhがTehに気持ちが揺れている時の気持ちにぴったり。

6. 紅豆 - Khalil Fong

王菲(フェイ・ウォン)の有名な曲を香港で活躍する方大同(カリル・フォン)がカバーした曲。紅豆は日本語で小豆の意味。慣用句として相思相愛、と言う使い方をするそうです。

最近WayVのKunとXiaojunがカバーしてましたね

歌詞は、「相思相愛なんだけど、時々、終わりが来るのが怖くなる。でも、結局離れないで一緒にいることを選んでしまう。」という意味らしい。(以下のサイトを参考にしました)

ちなみに、オリジナルの王菲のバージョンをTehのプレイリストにも入れています。2話終盤と3話冒頭の二人がお互いに意識し始める時期のイメージ。二人特別な気持ちを持ってることに気づいてて、でもそれを行動に移す前のイメージでしょうか。二人の好きなプーケット伝統のスイーツ"Oh-aew"🍧にも、紅い豆がのっていたような気がします。


7. Respect - Aretha Franklin

この曲は個人的に恋するDIVAに歌って欲しい曲。

(Ooh) What you want
(Ooh) Baby, I got
(Ooh) What you need
(Ooh) Do you know I've got it

あなたのほしいものを私は持ってる。この出だしが、3話のリゾートでのOhの駆け引きの態度を表してる感じする。この後に、私があなたに唯一求めるのは"リスペクトを払う"ってこと。という歌詞なのも最初「答えがないなら出さなくていい」と控えめながらも攻めの姿勢なOhを思い浮かべます。


8. Take A Chance On Me - ABBA

9. Honey - Robyn

この二曲は以前Twitterで紹介した映画『ダンサー そして私たちは踊った』で主人公のMerabが友人の別荘で意中の人Irakliを誘惑する時に流れる曲。


最初のTake A Chance On Meは、わたしにかけてみない?=わたしを試してみない?みたいな強気な姿勢。

二つ目のHoneyはかなりセクシーな歌詞。Abbaの曲と似て、TehをOhの世界に誘惑するみたいな感じ。蜜という言葉も、本編のハイビスカスを耳にあてがったりするあのシーンを思い浮かばせる。

Can you open up to the pleasure?
Suck it up inside like a treasure
Let the brightest place be your passion
I got your honey, baby
Let go of your doubt, say yes
Let it soak up into the flesh
Never had this kind of nutrition


9. Kiss Me - Six Pence None The Richer

言わずと知れた2000年代の名曲。曲自体は99年リリースですが、その後00年代に青春映画などに多く使用されています。前述した『プリーズ・ライク・ミー』で主人公ジョシュが彼氏と初めて一夜を共にする記念に屋外にベッドを作った時にジョシュが歌っていたのが可愛かったので。

TehとOhがハンモックに一緒に寝ている時の情景に、どうしてもKiss Meを流してしまいたくなるのは、おそらくアメリカの青春映画の見過ぎだからですね.....


10. Love Theme I - James Righton

こちらの曲はイギリスのスタンダップのコメディアンのSimon Amstellが監督監督した半自伝的映画『Benjamin』のオリジナルトラックから。イースト・ロンドンを舞台にデビュー作が批評家の高評価を得た故に次回作になかなか自信が持てない主人公と、フランス人の音楽学校の学生の恋を描いています。実際は"Awkward"(きまずい)な性格の主人公が自分や他者を愛することを恐る故に、恋愛関係において不器用になってしまう物語です。日本ではまだリリースされていないみたいですが、イギリスらしいドライなコメディでくすっと笑えます。OhとTehにも観てもらいたい作品の一つ。

「映画監督なんだ。映画を作ってる。」「どんな映画なの?」「自分がどれだけ"愛する"ということができないかについて。今はもう治ったけどね。」

Simon AmstellのスタンダップコメディもNetflixで配信しているのでぜひ。

「なんでみんな今だに結婚なんてするんだろう」「10年連れ添ったカップルが今後も継続するって話を聞くためになんでわざわざドーセットまで行かなくちゃならないんだ?」「"愛してる" "私も愛してる"、"このことを大々的に伝えるイベントでも開こうか?"ーなんて傲慢なんだ。」


11. Love Me Like You Do - Ellie Goulding

タイトルの意味をかなり直訳すると「私を愛して、あなたがそうするように」。わかりづらいですが、"Like You Do"の部分は「あなたが本当にそう思ってるように」という意味かなと思っています。サビの"What are you waiting for?"何を待ってるの?は何をためらっているの?ですね。

Tehとは、もう両思いだとわかってるOhが、Tehに一歩踏み出して自分の気持ちを認めて欲しい気持ちを表すんなら、この曲かなと思う。Ellie Gouldingってそんなに好きなわけじゃないんだけど、このタイトルがそのままだったので入れました。ちなみにFifty Shades of Greyのテーマ曲らしい。


12. Supercut - Lorde & 13. Green Light - Lorde

LordeのアルバムMelodramaから二曲。2017年のフジロックで彼女のステージを観たんですが、長く付き合っていた恋人との別れを元に曲をつくったと語っていたのが印象的だったので、Oh-aewの失恋ソングとして二曲入れました。

Supercut

We keep trying to talk about us
I'm someone you maybe might love
I’ll be your quiet afternoon crush
Be your violent overnight rush
Make you crazy over my touch

「あなたの静かな午後の片思いにも、真夜中の危険な衝動にもなれる。私が触るだけで、狂いたくなるほど。」

Green Light

Did it frighten you
How we kissed when we danced on the light up floor?
On the light up floor

「怖くなってしまったの?明るく照らされた部屋で踊りながらキスしたこと。」

14. We Are Never Ever Getting Back Together - Taylor Swift

DIVAに歌って欲しいシリーズNo.2です。Green Lightで「どこにいてもあなたの姿を思い出してしまう」と言っていたのに、今度は強気で、せわしないOh-aewですね。いいんです、94年生まれの私の頭になかにいるOhですから。

Ughhh...So he calls me up, and he's like, "I still love you," and I'm like, I mean this is exhausting. You know, like we are never getting back together. Like, ever.

「彼が電話してきて、"まだ愛してる"なんて言うから、"こんなのはうんざり。あんたとは元どおりになんかならないから"って感じ。絶対無理。」

歌の部分より、この話してる部分が一番好き。この曲はジェイク・ギレンホールについて書かれた曲と言われてるんですが、こんなにこっぴどくフラれちゃうギレンホールは何をしたんでしょう。3話終わりの官能的なシーンから一点、まだ友達として中国語を教えたい、君のためになりたいんだよ、と言ってくるTehに対して自分は傷ついてるって面と向かって言って、はだけた上着をさっと直して去っていくOh-aewがかっこよかったなと思って。そういうイメージです。


15. Slip Away - Perfume Genius

この曲は4話の水中キスシーンです。海の中は、旧市街の喧騒がまるでなくて、静かで二人だけの空間。音もないし、重力も存在しない。そんな環境が唯一二人が(主にTehが)自分たちへの気持ちを表現できる場所。ということで、なんだか切ないような、美しいような、色々と読み込むことができるシーンでした。

Don't look back, I want to break free
If you'll never see 'em coming
You'll never have to hide
Take my hand, take my everything
If we only got a moment
Give it to me now

「彼らの姿が見えなければ、君も隠れなくていいんだ」「僕の手を取って、僕のすべてをあげる」「少しの時間しかないのなら、今僕にちょうだい」

Oh, ooh, love
They'll never break the shape we take
Oh, ooh
Baby, let all them voices slip away

「誰も僕たちのカタチを壊すことなんてできない。彼らの声なんて聞き流してしまえばいい。」

あのシーンまでの二人の関係はやっぱりOh-aewがリードしながらも、Tehが一歩踏み込めないところがあり、歯がゆい場面が多かったので、この曲はそんなTehにOhが心を自由に開くことを語りかけているような印象。

実はこの曲も『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』という映画から持ってきました。主人公の一人エイミーはレズビアンであることを高校ですでにカミングアウトしていて、同性への片思いをカミングアウトの文脈以外で描いている青春映画として話題になってましたね。エイミーは同級生のライアンに片思いしていて、彼女に誘われてパーティーでプールにダイブするという、これも水中のシーンです。

このシーンあまり良い終わり方ではないんですが、Perfume Geniousの歌声が水中シーンと素晴らしくマッチしていたので、このプレイリストにも入れちゃいました。TehとOhのキスシーンもあまり良い終わり方ではないですもんね...


というわけで、パート1はこの辺で。全部で29曲あるので、あと14曲は、また後日書きます。単なる趣味のプレイリストの解説に付き合ってここまで読んでくれた方、いるのかな...

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?