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玄ちゃんへ。

 本業がエンタメ提供職なので、よくお客様の反応が気になってエゴサをするのですが、最近、うちで出したものに対して感想ブログを書いていただくことがあって。
 たくさんの方の「これ、すき!」をいっぱい見ていると、とっても幸せな気持ちになるんですよね。

 なので、そんな方々を見習って、たまには長い文章で自分の「これ、すき!」を綴りたいなと思います。

 ……が、初回はあえて、筑波以外のお話をさせていただきたく。
 タイミング的に、今しか書けないことなので。

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 ご周知の通り、自分の「これ、すき!」はほぼ筑波バスケ部で完結しているのですが、長く大学バスケを観ていますと、他校の子にも「推せるな……」と思う人物は出てくるもので。

 その中でも特別だったのが、東海大学の平岩玄選手でした。
(以下「玄ちゃん」って呼びます)

「サトウさんは筑波が好きなのに、なんで平岩くんも好きなの? おかしいじゃない!」と言われていたことは知っていますが、なんで東海大学の玄ちゃんを推していたのか、せっかくなので、お話しします。あくまで個人的な話です。

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 私が玄ちゃんのことを知ったのは、大学に入るちょっと手前、2016年1月に開催されたNBLオールスターのなかで行われた、高校オールスター戦でした。

 基本的に高校バスケは、ウインターカップを1~2日撮りにいくか、撮影のご依頼を貰って撮りにいくか……なので、WEST・EAST両チームともまぁ知らない知らない。
 辛うじて、牧ちゃんとまっすーは2014年のウインターカップで撮っていたので「あぁ、あの子たちは撮ったことあるなー、顔は覚えてる。名前は知らんけど」という感じ。八村さんもいたっけ?
 今写真を見ると、「あああああ! あそこの大学の子か!」ってなるやつです。今こそ古い写真を見る時。

 話が逸れました。

 そのオールスター戦の時、EAST側メンバー・土浦日大所属の玄ちゃんを初めて観たんです。
 第一印象で「めっちゃ武士系イケメンじゃん!」って思ったんですよ、スタンド席から観ていて。
 古風な武士系イケメン(刀剣のような男子と言ってもいい)って、バスケっ子のなかで見たことがなかったので、とても新鮮だったんです。

「ああーこんな子が筑波に来てくれたら4年間、めっちゃ推せるわー!」とまで思ったのですが、蓋を開けてみたら東海だと言うじゃないですか。

 2015や16年の筑波と東海と言えば、今以上にバッチバチにライバルです。
 そんなライバル校に、「推せるー!」って思った選手が行く……初めての経験、初めてのショック。
(それもあって、高校バスケには絶対に肩入れせんぞ……って思っています)

 なので1年目はすンごい微妙な気持ちで見守ってました。
 なんで東海なんだよー……って、責める立場には全然いないのですけれど。
 でもやっぱり、一目で「推せる!」って思った子のことは追っちゃうじゃないですか。
 東海だからって気にならなくなるわけじゃないですし、むしろライバル的立場であればより気になるわけですよ。

「玄ちゃん、こんなプレイできたらもっといいのに……そしたら東海、もっと得点できるのに……いやでもそれ、筑波は困るやつだけど……(苦悶)」

 とか。

 でも、ちょっと思ったんですよ。

 玄ちゃんが上手くなって強くなってくれたら、ファンとしてめっちゃ嬉しい。

 でもその玄ちゃんを、しっかり止めて勝つ筑波って、まじ最高じゃないですか!?
 って。←少年漫画脳

 だから2年目からは開き直って、正々堂々と推すことにしました。
 好きなものは好きだからしょうがないね!!

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 2017年、2年目の玄ちゃんは、新人戦でこそ優勝でしたが、リーグ戦でとても苦戦していました。
 あとちょっとを勝ちきれない時期があって、「連敗するとあの時を思い出す」と言うくらいには大変だった。
 正直、とても心配していました。お前、心配とか言える立場かよ(゚Д゚)と自分でも思いますが。

 でも2巡目の筑波戦、東海勝ったんですよね。東海のホームゲームで。2点差で。

 私は本当に、本っ当に……悔しくて
 べしょべしょに泣くくらい悔しくて。
 心配とか吹っ飛ぶ悔しさ。
 玄ちゃんが勝てたことは良かったけど、東海に負けるのはめちゃくちゃ悔しかった。

 あー、他校推しって難しいな……メンタルの持っていきどころが難しいな……って思いました。

 ちなみに今年度(2019年)も2巡目は負けましたが、さすがに泣かなかったです……いや、うそ、魁ちゃんの頑張りに(´;д;`)ブワッてなってましたけど。

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 2018年は東海、インカレ優勝でしたね。

 筑波は準決勝で東海と当たり、まー……もう、ね、うん(´・ω・`)という気持ちでした。

 あの時の筑波は本当によく頑張った。
 とくに途中でキャプテンを任された牧ちゃん。
 インカレ毎試合30分以上のプレイタイムだった暉くんも、ほかのみんなも、本当によく頑張った。本当によく頑張って東海と戦ったんですよね。

 決勝の時、私は裏で筑波の子とお喋りをしていました。
「推しを観ないのかよ!?」ってお思いでしょう。
 私も思う。

 でも、そんな気分にはなれなかったんですよね。

 決勝のコートに筑波がいないの、やっぱり嫌なんです。贅沢な話なんですけど。
 3位決定戦で負けた後だったんで、余計に観戦って気持ちにもなれず。

 だから、次に玄ちゃんに会ったのは表彰式の時。
 MVPを穫った玄ちゃんの笑顔は最高でした。
 やっぱりどうしても悔しさもありますけど(筑波過激派なので……)、推しの笑顔は嬉しいんです、素直に。

 写真もいっぱい撮らせて貰った年だったので(学連公式戦以外の東海の試合にいくつかお邪魔させていただきました。表紙写真もその一枚)、東海さん、玄ちゃんの優勝は、良かったねぇ! という気持ちでした。
 嬉しい、とは手放しで言えないのですけど。
 ……他校推し、ほんと難しい。

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 そして2019年。玄ちゃんのラストイヤー。

 ……ラストイヤー……だと? もういなくなっちゃうの……?(驚愕)

 という具合に、学生選手の4年目の悲壮感(学生自身よりもむしろ私自身)って、ほんとね……辛いんですよね。
 筑波でも「牧ちゃんが卒業……? 嘘でしょ……? 信じない(゚Д゚)」って2019年の年明けから言っていました。
 ちなみに今年も「暉くんが卒業……? 嘘でしょ……? え、無理(゚Д゚)」ってずっと言ってます。今。なうだ、なう。

 とにかく4年生の玄ちゃんを、しっかり見届けなければと思い、ここ4年で一番、真面目に東海を観た気がします。
 玄ちゃんがいる時はもちろん、いない試合でも、東海さんのことをもうちょっと深く知ろうと思って。
 そうして真面目に観た結果、坂本聖芽という新しい推しと出逢えました(真面目に観ると推しが増す法則)

 東海も筑波と同様、リーグ戦は勝ったり負けたりをしていて。
 玄ちゃんは4年生として、頼れる大黒柱として(ポジション的にも)チームを支えなければいけない立場で、できる限りのことをしようと心掛けてプレイしていたと思います。
 でも、「できないことはできない」って割り切っちゃうところがあるんですよね。
 そこが物足りなく感じることもありましたが、玄ちゃんらしいといえばらしいなぁって。

 勝っても、負けても、玄ちゃんはわりと淡々としていたように見えました。
 見えていた、というか、おそらく見せていたんだと思います。
 大学4年間、ずっと大学バスケの第一線でプレイをし続け、様々なメディアにいっぱい取材もされて。
 メディアに対しても、ファンに対しても、ちゃんと余所行きの顔ができる選手なので、その分、淡々と見せる顔とはべつに、思うこともたくさんあったに違いないと感じています。
 取材されるようなアスリートであれば、たいていの選手がそうだとは思いますが。

 インカレのことは、色々と思うことはあるのですが、私の立場では何も言えないかなって。
 でも、個人的な……ごくごく個人的な望みを言わせて貰えるならば、決勝は東海と当たって欲しかった。玄ちゃんの学生最後を、決勝のコートで、筑波との対戦で観たかった。そして、筑波が勝って欲しかった……と思っています。
 最後は筑波に勝って欲しいんです、そりゃ。
 でも立ちはだかるライバルは東海であり、玄ちゃんでいて欲しかったと、筑波が大好きで、玄ちゃんを推す身としては思っていました。

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 私の大学バスケは、どうしても筑波とは切っても切り離せないので、純粋に玄ちゃんだけを語ることは難しいです。
 っていうか、無理でした。書くまで気付かなかった。

 けど、初めて4年間通して、ずっと推せた筑波以外の選手。

 いやむしろ、4年間(+α)ずっと推した選手自体、初めてですねぇ!? 笹山さんと出逢ったのも、彼が2年生の時なので。

 そう考えると、めっちゃ貴重。
 本当に、出逢えて良かった。

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 最後に。

 べつにこんなところでオープンスタンス・オープンマインドに綴る話でもないんですけど、せっかくなので、玄ちゃんへの感謝と応援で締めたいと思います。
 全世界公開のファンレター? ラブレター? みたいなものです。
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 私から見た玄ちゃんは、自分自身に対してしっかりとしたプライドを持っていて、そのプライドがあるからこそ人に優しくできるんだと思っています。

 それこそ私のような敵チームのカメラマンにも、とても丁寧に接してくれて。いっぱい我が儘も聞いて貰いました。

 4年間、本当に、本当にありがとうございました。

 敵である私には全然弱みを見せてくれませんでしたが、かわりにいっぱい笑顔を見せて貰えて、私はとても楽しかったです。

 プロになるべくしてなる玄ちゃんは、これから、今まで以上にたくさんの人の期待を背負って、引退するその日まで、バスケットボールを頑張り続けることと思います。

 時には厳しい声も向けられることでしょう。
 大学の頃とは比にならないくらいに。

 でも、どうか玄ちゃんにとって、バスケットボールが楽しいものであり続けますように。

 玄ちゃんには遠くからでも一目惚れさせるだけの魅力があるので(少なくとも私には効果があった)、それで充分じゃんねー(・∀・)っていう話を、凹みそうになったらぜひ思い出してみてください。

 いつだって、玄ちゃんの健康と活躍を、心から祈っています。

 また、うちわ持って応援に行くからねー!

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