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【全日本モトクロス🇯🇵Rd.9 第61回MFJ GPモトクロス大会SUGOハイライト】

IA1

IA1クラスチャンピオンはウィルソンで決定はしているものの、2位大倉、3位内田、4位富田はそれぞれ約10ptずつのギャップでランキングが入れ替わる可能性もある距離感。熾烈なランキング2位争いがどうなっていくか?注目が集まるラウンドとなりました。

ヒート1(25分+1周)

優勝:ジェイ・ウィルソン🇦🇺(YAMAHA FACTORY)
2位:大城魁之輔(Honda Dream Racing Bells)
3位:渡辺祐介(YAMAHA FACTORY)

スタートでは富田(YAMAHA FACTORY)が先頭に出るも、ウィルソンがすぐさま巻き返し1周目をトップで通過。ウィルソンはその後着々と後続を引き離し後続に13秒のギャップを築いて優勝を飾りました。
一方で後続は接戦。富田、大城、内田(Yogibo MOUNTAIN RIDERS/KAWASAKI)、渡辺(YAMAHA FACTORY)、能塚(Team Kawasaki R&D)が表彰台を狙っていきます。
その中で大城が富田を抜いて2位へ浮上、内田は転倒し大きく後退、さらに富田も転倒し5位へ転落、その間に渡辺が3位、能塚が4位へ浮上。
前半は変動の激しい展開でしたが、後半は上位陣の順位は変わらず。大城も渡辺に対し5.6秒のギャップを築いて2位でチェッカー、渡辺が3位に入り開幕戦HSRのヒート2の2位以来の表彰台となりました。

ヒート2(25分+1周)

優勝:ジェイ・ウィルソン🇦🇺(YAMAHA FACTORY)
2位:大城魁之輔(Honda Dream Racing Bells)
3位:能塚智寛(Team Kawasaki R&D)

スタートは大城がリードする一方、ウィルソンは埋もれてしまい10番手前後と出遅れます。序盤は大城とそれを追う星野(レーシングチーム鷹/STAR racing 166/YAMAHA)という展開。しかしウィルソンがすぐに追い上げスタートから5分経ったところで星野、大城を立て続けにパスしトップへ浮上します。とにかくウィルソンの速さがオカシイ!笑
ウィルソンはここからスムーズな走りで独走、2位大城に約10秒ものギャップを築いて最後のヒートも優勝を飾り今季の勝利数を22としました。大城は2位で今季初の連続表彰台。

一方後方では星野が中盤まで3番手を維持してましたがペースが上がらず後続が続々と迫り、大倉(Honda Dream Racing Bells)と能塚が星野をパス、この2人による3位争いが繰り広げられます。さらに富田も能塚に迫り3位争いに加わる大接戦。残り9分を切ったところで能塚が大倉をパスし3番手へ浮上、さらに富田も残り5分半で大倉をパスして4番手へ。大倉は最終的に渡辺にも抜かれ6番手でフィニッシュ。3位争いは富田が能塚に迫りましたが最終的には約0.7秒差で能塚に軍配が上がりました。
能塚は2週間前のオフロードヴィレッジ戦で脱臼してましたが、見事な回復で表彰台に登りました。

ランキング

1位:ジェイ・ウィルソン  572pt
2位:大倉由揮 299pt
3位:富田俊樹 284pt
4位:内田篤基 269pt
5位:大城魁之輔 267pt

ランキング2位は最終的に大倉が死守。ランキング3位は富田が4位-5位だったのに対し内田が14位-DNFでほとんどポイントを稼げず富田が逆転して3位でシーズンを終えました。また大城は前戦までと変わらずランキング5位ではありますがこの最終戦で2ヒートとも2位で終え大量ポイント獲得となり内田まであと2ptのところまで迫ることが出来ました。来季に向けて、良いシーズンの締め方になりましたね。

IA2

IA2クラスはこの最終戦までチャンピオン争いが持ち越されました。アロンソ288pt、横澤260ptでその差は28pt。アロンソ優勢ではありますが果たしてその行方は如何に!?

ヒート1(25分+1周)

優勝 : ヴィクトル・アロンソ🇪🇸(AutoBrothers/YAMAHA)
2位:横澤拓夢(TKM motor sports いわて/HONDA)
3位:福村鎌(Team SBE/SUZUKI)

スタートはアロンソ出遅れ、1周目は横澤がトップ、アロンソ5番手のオーダーで戻ってきます。しかしアロンソは徐々に追い上げ、レース中盤で3番手、そして残り10分を切ったところで2番手へ浮上しトップ横澤の後ろに迫ります。ここから2人の攻防が数周に渡って展開されます。何度もアロンソがトップを伺いますが横澤も見事なラインでなかなか譲りません。しかし残り5分のところでアロンソが一気に横澤を交わしてトップに躍り出ます!横澤もアロンソに離されず最後まで食らいつきましたが最後一歩及ばず、アロンソがトップでチェッカーを受けました。横澤は2番手でフィニッシュとなりましたがギャップは僅か1秒。最後まで接戦だったのが分かります。
この勝利で、アロンソは2023年IA2クラスのチャンピオンを決めることになりました。

ヒート2(25分+1周)

優勝:ヴィクトル・アロンソ🇪🇸(AutoBrothers/YAMAHA)
2位:横澤拓夢(TKM motor sports いわて/HONDA)
3位:渡辺陵(Team pitin/YAMAHA)

序盤はトップ横澤、2番手アロンソと続く展開。3番手以下も中島(bLUcRUレーシングチーム鷹/YAMAHA)、渡辺、柳瀬大河(Bells Racing/HONDA)、福村の4台が連なり大接戦。トップはアロンソが要所要所で横澤の隙を窺うも横澤がしっかりとラインを守って譲りません。レース時間半分を過ぎた残り11分のところでアロンソが横澤のインに空いた僅かが隙間を狙ってトップへ浮上。最終的にアロンソは横澤に対し4秒弱のギャップを築く圧倒的な走りで2023年最後のヒートも優勝を飾りました。
一方で3位争いは序盤3位だった中島を渡辺が捉え3位に浮上。そのまま渡辺はジワジワとギャップを広げ最終的に4位柳瀬に1.7秒のギャップを築いて表彰台に登りました。

ランキング

1位:ヴィクトル・アロンソ 344pt
2位:横澤拓夢 306pt
3位:中島漱也 245pt
4位:鴨田翔 236pt
5位:池田凌 223pt

アロンソは速さはダントツでしたが若さ故の荒さや集中力を欠くヒートもあり、そこを経験値で横澤を始め他のライダー達が攻めていき最終的に最後まで争いが続くシーズンになった印象。アロンソの速さに挑む日本勢、経験値に差がある日本勢に挑むアロンソ、最終戦ではガチンコで接戦となりお互いが成長するシーズンになったのではないかな?というのが素人ながらの感想です。彼らの来季のステージにも注目したいところですね。

LMX(レディース)

注目はやはり川井と本田のチャンピオン争い。2人のギャップは僅か3pt。先にフィニッシュした方がチャンピオンと言っても過言ではない状況で迎えたこの最終戦、行方は如何に…

レース(15分+1周)

優勝:川井麻央(T.E.SPORT/HONDA)
2位:本田七海(bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド/YAMAHA)
3位:箕浦未夢(TEAM ITOMO/HONDA)

序盤数周は箕浦がレースをリードし、川井が2番手で追いかける展開。一方本田はスタートで出遅れ後方から追い上げる展開。
そこから川井は序盤で箕浦を交わしてトップへ浮上。そして中盤で今度は本田が箕浦を交わして2番手へ。チャンピオンに向けて追いかける本田、逃げる川井。しかし川井はここからペースを上げ本田を引き離す。最終的に本田に対し9秒ものギャップを築く圧倒的な走りで川井が優勝、本田が2位、箕浦が3位という表彰台となり、この結果川井の2023年チャンピオンが決定となりました。

ランキング

1位:川井麻央 169pt
2位:本田七海 161pt
3位:箕浦未夢 99pt
4位:川上真花 93pt
5位:瀬尾柚姫 92pt

川井がチャンピオンを獲得しましたが本田との差は8ptと非常に僅差。LMXは昨年も久保と川井が同ポイント(優勝回数も同じで、2位の回数の差で久保に軍配)、2021年も10pt差と毎年大接戦。今季は川井と本田の2人たポイントは突出しましたが、3位争いも箕浦、川上、瀬尾の3人が接戦を繰り広げ最後は川上が瀬尾を抜いて4位へ浮上。この1年で成長したライダーも多いと思うので、彼女らの来年の活躍も楽しみですね。

総論

今回もどのクラスも非常に面白い1戦となりました。IA1はウィルソンの独走ではあったものの、レースは優勝争いだけではありません。それぞれにコース上でのバトルがあり、ランキング上でのバトルもあり、非常に見応えがあるものだったと思います。
IA2は2ヒートとも熾烈な優勝争い、そしてLMXの最後まで続いたタイトル争い、全てに置いて目が離せない最終戦となったのではないでしょうか?

IA1クラスのウィルソンはヒート2後のインタビューより来季もIA1へ参戦することを公表、逆に21年間フル参戦を続けたBellsの大島…じゃない、小島はフル参戦を引退し来季はスポット参戦で引き続き我々を楽しませてくれることを発表しました。
他にも様々ラインナップに動きがあるようで、終わったばかりではありますが既に来季が気になります(気が早い笑)
時間がある時に、また今年のレースをいくつか見直そうと思います(^^)

今年1年間、全日本モトクロスを戦った選手、チーム、関係者、応援したファンの皆様、本当にお疲れ様でした。また来年、楽しみましょう!


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