【WRC Rd.1 ラリーモンテカルロ🇫🇷Day4ハイライト】
4日間の全行程を終えたラリーモンテカルロ🇫🇷。今年からポイントシステムの変更があり日曜日の戦い方に変化が生まれるのか注目が集まりました。
果たして最後を飾ったのは一体誰なのか?ハイライトをお送りしたいと思います。
WRC
まずは最終的な順位を見ていきましょう。
最後の最後まで接戦となったトップクラス。激しい戦いの中2024年開幕戦モンテカルロを制したのはなんとティエリー・ヌービル👓🇧🇪(ヒョンデ)!
Day4は3ステージ全てでステージウィンを飾り日曜日ポイントをフルで獲得、さらにパワーステージの5ptも獲得したため1イベントで獲得できる最大の30ptを開幕戦でいきなり奪っていきました。
インカーカメラを見ても非常に高い集中力を感じ、オンボードカメラからは気迫の走りが伝わってきました。なんでも、日本から特殊なファンブーストがかかっていたとかどうとか(笑)。モンテカルロマイスターのオジェに勝てたのも非常に大きいですね。2024年チャンピオン獲得に向けて最高のスタートとなりました。
2位に入ったのはそのモンテカルロマイスター、レジェンドのセバスチャン・オジェ🇫🇷(TGR)。Day3終了時点ではヌービルに対し4.1秒ビハインドでしたが、Day4はタイムを伸ばしきれず最終的には16秒もの差をつけられてしまいました。
全行程終了後に公表されたのが、実はオジェにとって非常に大切な人物の訃報が入っていたそうで、金曜日以降はなかなか集中するのが大変だったようです。特にタフだったのが金曜日だったとか。その訃報に捧げる走りもしたかったでしょうし、反面睡眠やラリー以外の生活にも影響が出たと思います。モンテカルロ10勝目とはなりませんでしたが、その中でこの走りはまさにプロフェッショナル。次のラリーに期待しましょう。
3位に入ったのはチャンピオン候補のエルフィン・エヴァンス🇬🇧(TGR)。土曜日の不調から一転、日曜日は勢いを取り戻しSS16のステージタイムはヌービルに0.2秒にまで迫る走りを見せました。しかし30秒以上のギャップを日曜日の僅か3ステージで超えるのは至難の業、最後はオジェに対し29秒遅れの3位でラリーを終えました。途中からは優勝よりも確実にポイントを獲得する走りに切り替えたでしょうし、その選択がシーズン最後に響くこともあるのでこれからの走りにも注目ですね。
勝田貴元🇯🇵(TGR)は最終的に総合順位を7位でフィニッシュ。日曜日は朝のSS15こそタイヤ温存のためにWRC2にも抜かれステージ9位でしたが、最後のSS17パワーステージでは気迫の走りを見せヌービルから2.7秒遅れ、オジェからは僅か0.1秒遅れの3番手タイムを叩き出しました。
今回はDay2に大きな失速がありましたが、次戦ではSS17のような走りを全ステージで期待したいところですね。
そして気になるのは新しいポイントシステムになったことによるポイント配分。こちらがそのスーパーサンデーとパワーステージを足し合わせた獲得ポイントとなります。
ちなみに昨年までのポイントシステムだった場合はこちら(カッコは通常+パワーステージポイント)。
1 : ヌービル👓🇧🇪(ヒョンデ) : 30pt (25pt + 5pt)
2 : オジェ🇫🇷(TGR) : 22pt (18pt + 4pt)
3 : エヴァンス🇬🇧(TGR) : 17pt (15pt + 2pt)
4 : タナック🇪🇪(ヒョンデ) : 13pt (12pt + 1pt)
5 : フルモー🇫🇷(Mスポーツフォード) : 10pt
6 : 勝田🇯🇵(TGR) : 9pt (6pt + 3pt)
7 : ミケルセン🇳🇴(ヒョンデ) : 8pt
8 : ロッセル🇫🇷(AEC/シトロエン)※WRC2 : 4pt
9 : ロペス🇪🇸(シュコダ)※WRC2 : 2pt
10 : グリヤジン🇧🇬(AEC/シトロエン)※WRC2 : 1pt
今までだったらノーポイントだったところを拾ったのは1ptを獲得したミュンスター🇱🇺(Mスポーツフォード)。またオジェ、エヴァンス、タナック、フルモーは昨年システムよりも大きなポイントを獲りました。今回は最後まで優勝争いが続いたことによってよく見るサンデークルーズがなく、最後まで各車プッシュする走りだったので正直まだこの新しいポイントシステムがどう作用するのか判断するには時期尚早。あと2ラリーは様子見をしたいところです。
WRC2
最後まで続いた大接戦の優勝争い。戦いを制したのはヨハン・ロッセル🇫🇷(AEC/シトロエン)!昨年も優勝していたのでモンテカルロ連勝となりました。最後までアツい戦いでSS15のステージタイムはロペスとまさかの同タイム!この時点ではトップのロペスに対して6.7秒の遅れでしたがSS16を怒涛の走りで一気に0.9秒差まで迫り、最後のSS17のステージタイムでロペスを4.8秒上回り逆転優勝となりました。
惜しくも2位に入ったのはペペ・ロペス🇪🇸(シュコダ)。戦いの様子は先に挙げたので詳しくは語りませんが、非常に見応えのある走りを披露してくれました。ロペスはスペインを中心にヨーロッパの選手権をメインに出場しているので今後WRCカレンダーに登場するかは分かりませんが、次回出走した時は優勝を期待したいところです。
3位にはニコライ・グリヤジン🇧🇬(AEC/シトロエン)。今年からシトロエンへ移籍し力強い走りを見せ、Day3まではクラストップ。残念ながらDay4は勢いを伸ばしきれず、ロッセルとロペスの追い上げに屈してしまいましたがこれからのシーズンが非常に楽しみになる走りを披露してくれました。
近年は土曜日までにトップと後続の差が大きくなりサンデークルージングで優勝するケースが増え、その対策としてパワーステージや今年からのWRCクラスのポイントシステムが導入されたわけですが、対策で生まれたバトルではなく今回のような純粋な一騎打ちが本来のあるべき(あってほしい?)勝負だと思います。本当に素晴らしい戦いを見せてくれました。
今回はWRC2登録ではなかったオリバー・ソルベルグ🇸🇪や、グリーンスミス🇬🇧も戦列に加わるでしょうし、ヤリスラリー2も改良したりセッティングが決まってきたりしてパヤリ🇫🇮も上がってくるだろうから、今年のWRC2は見逃せないですね!
総評
今回のラリーはWRCもWRC2も、スーパーサンデーやパワーステージ関係なく最後まで激しい優勝争いが続き非常に見応え抜群のイベントになりました。
ステージも路上に雪はないものの凍結しており攻めどころと抑えどころの見極めが難しく、山岳セクションがほとんどではあるものの高速のロングストレートもありTGRは194km/hをマークするほど。下りセクションでは200km/hを超える瞬間もありましたね。非常にバラエティに富んだステージになりました。
また配信の中で見れた景色は本当にどれも美しく、SNSで流れてくる写真は本当に惚れ惚れするものばかり!モンテカルロと言いながら一つもモナコ国内のステージがなかったのは残念ですが(^_^;)
もう南フランスラリーでいいのではないでしょうか?笑
次戦
さて、次戦は2/15-18のRd.2ラリースウェーデン🇸🇪。今度は正真正銘のスノーラリーです。コーナリングで雪煙が舞うシーンはまさに圧巻の光景!迫力抜群です!
昨年はタナックが優勝しましたが、発表によると次戦は現チャンピオンのカッレ・ロバンペラ🇫🇮(TGR)も参戦するとのこと。優勝争いが益々激しくなりそうですね!
次戦も見逃せません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?