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リッチランド




街全体が原爆を作るために人工的に造られた街であり、住人は長崎に投下した原爆「ファットマン」の原材料となったプルトニウムを作成したことに誇りを持っており、きのこ雲が街のシンボルになっていたりして、原爆を投下された日本に住む私からするとちょっとギョッとする感覚ではある。そして、その事実は当時の住人には知らされておらず、当然放射線の被害者と思われる住人や二世三世の証言も出てくるのだが、これを観ていると、何処までが罪なのかという線引きが曖昧になり、クラクラしてくる感覚があった。原爆投下自体は悪だとして、その自体を招いた太平洋戦争については日本は罪がないのか。罪があるとしたら誰なのか。国の言われるがままに出兵し自国以外の兵を殺しまくった我々の祖先である日本兵個人個人には罪はあるのか。答えのない問いを突きつけられた気がした。そしてその問いかけは世界で現在進行形で産まれていることには自覚的でありたいと思った。