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「念佛池」長野県長野市戸隠

2021/6/23~25
戸隠で何十年ぶりかのキャンプ2連泊で戸隠神社を5社巡ってきました。

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名古屋から6時間程(途中2回休憩、現地で食材調達含む)、戸隠神社奥社を通過し10分程で県道脇の戸隠イースタンキャンプ場受付に到着。

今にも泣きだしそうなそうな天気、梅雨、まして山、なんでこんなもんか。
広いフリーサイト区域に先客は4組ほどか、雨に降られる事もなくテントの設営を終えることが出来た。

二泊しましたが一時的に雷と強烈な雨の二日間。 台風の影響で晴れていても雲がくれば雨。

全てのツールは結婚した頃のビンテージものばかりで、テントやタープは防水性に不安を抱えてのキャンプ。
それでも雲が切れると毎晩空には綺麗な星が広がり、フクロウもやってくる、自然に包まれ、焚火の炎を眺めながら酒を飲み、カッコーの鳴き声で目覚める、リラックスできた三日間でした。

今回はキャンプ場から歩いて10分程の念仏池を掲載します。

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目的地はキャンプ場から県道36号線沿いに奥社方向へ徒歩10分程、県道沿いの熊笹に包まれた森に続く注連縄の吊られた小路を目指します。

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キャンプ場に向かう途中、車窓から見え、気になっていたところです。
国道沿いに無料の駐車場があり、そこに掲げられていた案内図が上。
複数の車中泊の車はここから登山目的で夜を明かしていたようです。
目的地へはこの看板脇から右に続く小路があり、そちらからも行く事が出来ますが熊笹が生い茂り、ここは県道側から向かいます。

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早朝の県道36号線から念佛池入口を見る。
左手に注連縄で結界がはられた入口があります。

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県道から入口の眺め。
注連縄と右手の石標に気が付かなければ見つけにくい。
池そのものがやや下がった位置にあるので目立たない事もあり、訪れる人は少ない。
念佛池はすぐこの先。

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右に苔むした石標「念佛池」とある。

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碑の裏側の元号は安政5年(1858)と読める。
ほぼ2世紀にわたり雪深いこの地に建ってきただけに全体は苔が覆い、碑そのものは角がない。

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碑からすぐ先の少し窪んだ場所に小さな池があります。
これが「念佛池」
池の対岸に石の祠と解説板があるが、見ようによっては「ただの池じゃん」となるだろう。

池の周囲は花期は過ぎているけれどリュウキンカの黄色の花がちらほら残っている。

5月から6月頃なら池の周囲は可憐で鮮やかな黄色の花が彩を添えているのではないかな。

この小さな池、どこからも水は流れ込んできていません。
澄んだ池の底を眺めてください、砂を舞い上げて地下水が湧出しているのが見て取れます。自然の鼓動そのものです。

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念佛池解説
建歴2年(1212)の頃、親鸞聖人(浄土真宗開祖)が戸隠権現(戸隠神社)へ参詣されました。
その折り、この小池の端で念仏を唱えると、念仏に応えて池底が沸き返るが如き不可思議な状態を現したので、戸隠権現の霊験顕著と感激し「念佛池」と命名したと伝えられています。
親鸞聖人旧跡
滞在宿坊 (戸隠中社)
桂の木 (戸隠豊岡)

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奥社鳥居左奥に「一龕龍王の祠」が建っていますが、干ばつの時に黒姫山登山道の脇にある「種池」の水を汲んで雨乞いをすれば、必ず雨が降ると信じられていて、「種池」の主とされる「一龕龍王」がそこに祀られているという。
6月の「種池祭」では、その祠と「種池」、そしてここ「念仏池」でも神事が行われるそうだ。

右手の「念仏池」と刻まれた石標には親鸞聖人がこの池を拝む姿が描かれている。
すっかり苔むした祠、いつ頃祀られたものなのか詳細は分かりませんが、時の経過とともに山と一体になろうとしているようにも見えます。

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森の中に佇む小さな池。
池の底から砂を舞い上げ脈打つように水が湧きだす光景は親鸞聖人がこの小池の端で念仏を唱えて起きたとされる不可思議な状態が今も続いている。

朝霧に包まれた念仏池の水面に周囲の木々が映り込み、静まり返った周囲にあって、池の底から湧き上がる湧水のさまは自然の息遣いそのもの、この山自体が息づいている。
そう感じる事間違いない、神秘的な光景が見られます。

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そろそろかみさんも起きていることだろう、いい加減戻るとするか。
ここはかみさんにも教えてあげよう。
念佛池方向の県道から戸隠イースタンキャンプ場受付ロッジ(右の建物)の眺め、キャンプサイトは県道を超えた右方向になります。
2021/06/24  

念佛池
所在地 / 長野県長野市戸隠越水
車アクセス / 上信越自動車道信濃町ICから約30分

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