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アナコンダの恐怖!!

 とにかく蒸し暑い、奇妙に月明かりが明るすぎる、夏の夜でである。正面に不気味に光る両眼がある。その生き物が、想像以上に巨大なのか、逆光が故に、全体像が把握できないのか解らないが、得体の知れない生き物が、確かに正面いて、眼光の威力なのか、動けない自分がそこに居る。威圧感が私の体を支配して、逃げようとする思いを萎えさせている。自分の眼を最大限に利用して、状況を詳しく把握して、この状況から脱出する手段を探るのであるが、ぼんやり状況が見えて来たように感じた。私の前に類猿人らしき影が有って、それが、異様な眼光との間に、数体有るらしい。その類人猿は猿だと思うが定かでないが、私同様に身動きが取れないらしく、少しずつ前に
意に反して、移動しているようである。何か、先で、巨大な化け物の裂けた口に向っているようである。

 蛇に睨まれた蛙は、逃げることが出来ない。何時か聞いた話であるが、いざ自分が、思わず直面して観ると、正に身じろぎさえ出来ない。この後、如何なる状況が待ち受けているのか?。意識は朦朧として、このままでは、自分の順番がくれば、飲み込まれてしまう、それだけは、避けたいと言う思いが、辛うじて意識を繋ぎ留めている。ほんの一瞬であり、又少し時間が過ぎて、私の体が、自分の行動ではなく、この流れの中から、少しずれて、後方に移動する。私だけ列を離れたが、猿の行進は、何の変化もない。
結果も見られないまま、この記憶は終わる。
 これは過去に見た、夢でも無さそうなのだが、何か物語の挿絵でも見たかのように、脳裏の片隅に永く居る。払拭したい気持ちもなく、時に思い出すのである。先日、先代のPCが、OSアップデート終了になることを知り、懐かしく、これで最後の見納めかと、色々いじっていると、アナコンダなるファイル名が目に入ってきた。そう言えば、古い昔に、無謀にも、果敢に挑戦して、撃沈したような記憶が戻ってきた。

 遠い記憶のアナコンダを払拭すべく、異常なまで頑張ったのだが、PC内でのアナコンダは、何時の間にか消え去り、夏の夜のアナコンダは、時に、顔を出すのである。果敢に挑戦した。それなりに、Pythonが解ってきたような感触もあったが、アマとプロの違いだろう。具体的に使う機会がなければ、年月が経って無になってしまう。ご飯が食べられなくてもPythonで生きる。と言う選択はできなかったと言うよりは、進む、選ぶ道は無かった。もう少し、遅く生まれていれば私の思いも叶ったかもしれないが、

 止めておこう。早く産まれたから、助かったのかも知れない。夏の夜のアナコンダは、思い上がりの強い、私に、辞めるよう、忠告してくれたのかもしれない。結局、その後も、機会を見つけては、Pythonに挑戦したが、結局
何も手足が出せなかった。得体の知れないアナコンダの眼光の前に入り込んでしまえば、身動き出来なく成ることを、物心つかない、私に知らしめてくれたのだろう。私がPCに出会う十数年前の悪夢である。不思議であるが、縁とは、こう言うことなのだろうと思う。

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