【ACボダブレ】BeLAST RUNNER episode:Indigo +テキスト【追加解説2】

○ズィーメックという企業
前noteから続く形となります。
復興暦以前から大型機械や航空技術、装甲車両に至るまで、多方面で業績を上げ、名を轟かせていた老舗企業。それがズィーメック。
基本的にロージーとワフトローダーの会社というイメージですが、前述の事業に加え、宇宙関連の事業にも携わっており、軌道ステーション・エイオース建造には四条重工と共に参加していたそうで、決戦兵器・サテライトバンカーに使用される衛星砲の整備調整も業務としてこなしていたそうです。
本社のある南米は、軌道エレベーターを擁する高層サイト群も存在し、当然こちらの建造にも関わっていたであろう事が推測され、こと宇宙開発においては世界でも有数の貢献度だったことでしょう。
そんな企業も、エイオースの大崩落で宇宙関連事業が纏めて中断停止。
損失を補填するため、時流に乗るよう踏み出したニュード採掘戦争業界へは参画失敗するという株価大暴落間違い無しのしくじりモード。
経営が傾いた果て、沈みかけた会社の状況を再浮上させるべく取り出したのは、自前の航空技術と装甲を活かしたブラスト・ランナー搭載用の機動兵器、ワフトローダーでした。
本作ではボダオフで語られた、ワフトローダーのテストタイプに関するネタを、当社の失敗談として語らせていただきました。
ベンノとDAAIの二社の協力を経て、この浮遊する大型戦術兵器を採掘戦場業界へと送りだし、見事に会社の建て直しに成功しましたが、その点に関しては前noteでも取り扱ったので割愛。
ここでは企業の立ち位置についていくつか憶測混じりの解説をさせていただきます。

・何故ゲリラに狙われるの?
これは企業ではなく、南米地域の各所そのものがって話でもあります。
ざっくり言ってしまえば、単に大企業とそこと連携した企業や工場が許せないっていうありふれた企業アンチ的な理由でも間違いはなさそうなのですが、
「復興暦の世界、どうしてこうなった」
を突き詰めていけば、エイオースの建造に参加し、今現在も事故の原因となった事業を続け、更には世界全土に広がるニュードによる被害を利用した業界で新しい商売にまで始めようって言うんですから、憎まれても仕方ない、大義名分として扱う理由にはなり得るんじゃないかと思い、本書にて扱った次第です。
ちなみに公式設定には、対ゲリラ用にロージーを作ったこと以外の記述はなく、彼らがどういう組織で、何を掲げて攻撃を仕掛けているかに関しては一切記述がありません。
故に好き勝手に、しかして最もらしい理由を捻出しました。如何だったでしょうか?
話を戻します。
もっともゲリラとしては、最もらしい理屈で人を集める事が大事なので、単純にその手段に利用された事も考えられます。
さて、ここからが独自解釈のメインとなります。
ここまでで書いた理由に加え、ヒストリカ由来の新都案件が絡み、エイオースを含めた宇宙開発に関わった企業を狙う大規模テロ組織として、ヒストリカに登場した「ニュード隔絶主義」を擁立しました。
それに合わせて、本エピソード主人公であるタイバーを新都案件に参加した主義者の信徒として再設定したのが開催二週間前でした。
何とかして厚みを持たせたかったんです。
タイバーが高層サイトの自爆テロで拾われてから本書時間軸までおよそ数年ですが、これは想定通りです。
彼女が若くして技術を有していたのは、耐性発覚後に爆破用の装備を作らされていた事と、ある種のギフテッドだと思っていただければ幸いです。
今後のお話で解説しますので、頭の片隅にでも覚えていただければ。
新都案件及び、ヒストリカ1に関して、若干読み込みが甘い節がありますので、もし時間軸の矛盾やご指摘ありましたら、遠慮無く当サークルか私までご一報下さい。
責任もって修正させていただきます。
話がやや逸れましたが、そういった所からも目の敵にされていた可能性があったのではないか?というのが私の憶測混じりの考察となります。

さて、本書エピソード後のズィーメックですが、先ずは直後の48年に宇宙でのサテライトバンカーに使用される衛星砲の修復作業、ひいてはその為のデブリ回収があります。
ケスラーシンドロームが発生した後のデブリの回収の効率化についてはヒストリカで語られた、バリアユニットやプレッシャーフィールドを応用したより効率化されたデブリ回収技術が産まれ、途方もない時間を必要としたデブリ回収に光明が差した訳ですが、ズィーメックがBRを組み上げた以上、その脚部を活かしてヒストリカに登場したようなクーガーの改修機を、ロージーで再現し、回収に参加していたのではないか、と考察しました。
フィールドの使用のみならず、ブラスト・ランナーの指というかマニュピレーターは非常に繊細な構造で、本来は作業に使用する予定だったこともあり、戦争がなければこういった利用もあったのではないかという願いを込めて、エピローグにて少しだけ要素を込めさせていただきました。
あのままだと割と暗いだけのシナリオで終わりそうな所もありましたので。
逆説的にはなってしまいますが、ここから30年足らずでエイオースまでの進路を確保せにゃならんわけで、ブレイクスルーとまでは行かないものの、相応に人手を増やしたと思うんですよね。
エイオースに近づくと、超高濃度のニュード反応が起きたため、少しずつ処理するにしても、耐性保持者とブラストは確実に出番があったことでしょうし、NRS(ニュード低減装置)が開発された時期を考えても、それまでに大半の回収作業を進めている必要があると思いました。
まあそんなわけで、こんな事を続けている以上、隔絶主義者からは変わらず目の敵にされていたのでしょう。
そして続く事業はバリアユニットを搭載した黒いボディが特徴のワフトローダーSの開発。
BR携行火器の進化による大火力化に対抗すべく産み出され、戦場によっては2体配備というシチュエーションもあり、あれだけ使われれば会社も潤うというもの。
そうなれば新たな事業に乗り出すのでは?という展開でしたが、ズィーメックはこの復興暦世界において、ロージーに続くBRをリリースすることはありませんでした。それも最後まで。
それはズィーメックが結局の所、通常のBRを開発する切っ掛け、もしくは技術が無かったか。
それともワフトローダーに生産開発のラインを譲る羽目になったか。
またはエイオース到達プロジェクトにコストを割いたか。
いずれの理由にも可能性があります。
その他にも、本書数年後のユニオン期には高層サイトが戦場へと指定され、そこから約5年後にあたるスクランブル期には、本社のあるホープサイド市街地がニュードブロウアウト、突発性大規模ニュード析出現象によって、本社や関連社屋の移転を余儀なくされたことも、何かしらの関係があるのかもしれません。
ともあれこの後、ズィーメック社に関する記述が行われないまま、現在に至っています。

余談にはなりますが、平行世界であるPS4世界では、ロージーの後に三つもの新規ブランドを輩出するという異例の事態。
復興暦と打って変わって、上手く時流に乗れた証と言えるでしょう。
ですが気になることもありまして。
後書きでも少し触れましたが、ヴァラーを除いたヴェクターとキャバルリーはどう考えても他のメーカーで見た明確なモチーフというかパクリ元が存在しているように思えます。
ヴェクターはガルムに見られたDEF性能と、武器変更を犠牲にリロードと予備弾数を強化した腕と、ダッシュと巡航加速を両立した脚部。
キャバルリーはランドバルクに見られた装甲と索敵を両立した頭部、重量級としては破格のエリア移動性能を実現した胴体、同じく重量級としては挙動を優先し、予備弾数が控えめな腕部と、軽快なダッシュ性能。
ゲーム的な事情といえばそれまでですが、あまりにも特徴を捉えた性能に、ズィーメックに関する記事を纏めているときに、思わず二度見した記憶があります。
この近似性能を持つ機体をリリースした件が、今回の物語における、ズィーメックのデータ盗用からはじまる二脚型機体の作成エピソードの雛形となりました。
ちなみにテスト機体のザラというネーミングはPS4版で追加された型番から着想を得ました。
ロージーの姉になるので女性ネーミングという括りで行きたかったというものもあります。
二重の意味で姉妹対決を仕掛けたい一身で捻り出したネタですね。

少し余談が多くなりましたが、ズィーメック社に関するテキストは以上になります。
テキストは次回の復興暦40年代後半の記述で完結となります。
次回もお付き合いいただけたら幸いです。
では、次回のnoteにて。

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