【1日1曲】The xx - Say Something Loving

いよいよ今週末にアルバムがリリースですね。
10年代のベスト・バンドは、このthe xxだと思います。(実態は、バンドというよりロミーとオリバーをジェイミーがプロデュースしてるというのが本質だと思いますが。)ボーイズ・バンドによくあるじゃれ合う気のおけない仲間たちというのとはまた違う、特有の秘密めいた密室的な関係性が醸し出ているのも何かファンを惹きつけているバンドですね。ロミーとオリバーのセクシャリティも関係していると思います。

そして新作は、少なくともこれまでの2枚のアルバムの延長線上とは趣が異なるアルバムになる気がします。

より自由に、いろんなジャンルをジェイミーXXの感性の赴くままに横断していきながら、「The XXらしさ」(マイナー・スケールのシングル・ノートのギターフレーズ、ロミーとオリバーの歌詞世界)を失わない手腕を身に着けたというか。

とにかく大きな飛躍とシフト・チェンジを感じる。
ファースト・シングルの「On Hold」でもサンプリングを効果的に使っていたけど、本曲でもAlessi Brothers(ジョジョのスタンドでも使われているらしいですね)の「Do you feel it」をサンプリングし、70-80年代のディスコとかAOR、ソフト・ロック的なテイストを大胆に使っていきたいのが今のジェイミーのモードなのかな。
いずれにせよ、とにかく遠慮せずジェイミーという才能がバンドでも前にグイとせり出した。そんな印象です。

ジェイミー、そしてthe xxはダブステップ以降の感性を元にキャリアを始め、UKのリズム・ミュージックにおける00年代の果実を全て吸収してきたアーティストだと思います。特にジェイミーは、ハウスへの傾倒をはじめとして過去のリズム・ミュージックを遡りながらその天才的手腕を磨いてきたわけでその成果がソロの「イン・カラー」でもあったわけです。

そして次はthe xxというトリオの力を借りてダンス・ミュージックに留まらないあらゆるポップ・ミュージックを飲み込んでいきそうに感じます。

ある意味03年頃のNERD(ファレル・ウィリアムス)の勢いに近いかもしれないですね。

とにかく13日の金曜日が待ちきれなくなりそうな新曲です。

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