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OLDIES GOODIES #50_映画「カクテル」

ミュージックフリークマガジンいち押しラジオ番組♪♪♪ フォークシンガー・ばんばひろふみ氏と、音楽プロデューサー・長戸大幸氏が圧倒的な音楽知識と豊富な経験で、1950~70年代の洋楽を中心に多くのアーティストがカバーする大ヒット曲やここでしか聴けない激レア音源等を紹介してくれる「OLDIES GOODIES」をご紹介!

ばんばん&大幸の「オールディーズ ・グッディーズ」第50回(2021.9.11 放送回)は、映画「カクテル」で使われたボビー・マクファーリンの「Don’t worry be happy」をきっかけに、歌詞が短い、シンプルな曲ばかりを集めてご紹介。
番組後半では、メロディの傾向による音楽ブームの潮流について語る場面も。プロデューサーならではの長戸大幸の視点が大変興味深い!!

Opening Music:10番街の殺人 / The Ventures

ばんばん)今週も始まりました「オールディーズ・グッディーズ」。ばんばひろふみです。

大幸)長戸大幸です。

ばんばん)大幸さん、嬉しいことに今日の放送、50回目なんです。
 
大幸)ほ〜、そうですか。
 
ばんばん)1年やってるんですよ、もう。こんな長く続くと思ってました?
 
大幸)いや〜(笑)
 
ばんばん)僕ね、最初ね、大幸さんの知識をなんとかみんなに知らせたいなという思いでお誘いして、「一緒に番組やりましょうや」いうことで実現したんですけど。実際やっていくとね、すごいですね。その深さが。
 
大幸)あ〜そうですか。まぁ〜オタクだったんで。
 
ばんばん)いやそれにしても、これ毎回なにが面白いかというと、本体からどんどん枝分かれしていくじゃないですか。「どこまでいくねん」ってくらい、その枝の分かれ方がすごいなと、改めて。別に番組やからお世辞言ってるわけじゃなくて。
 
大幸)いえいえ。
 
ばんばん)本気でそう思いますね。
 
大幸)僕あの〜、オールディーズを集めていた頃に疑問に思った事とかを今言ってるだけで。
 
ばんばん)例えばね。これ一本わりと全部選曲とか大幸さんがしているわけやけど、ものすごく時間かかる?
 
大幸)いやいや昔からこの辺はこんな感じだろうなというのをまとめてたり、そんなに苦労してないです。
 
ばんばん)あ〜、そうですか。これは大変だろうなと思いながら、やっていながら僕もいちリスナーになってしまう(笑)
 
大幸)いえいえ(笑)。今日はとにかくバンドマンの時から思っていたんですけども、本当に歌詞!
 
ばんばん)先週ね、エンディングで喋ってた。
 
大幸)そうそう。簡単な歌詞の歌がやっぱりバンドのレパートリー、曲が増えれば増えるほど歌詞(を覚えるの)が大変なんです。
 
ばんばん)そうだよね。
 
大幸)で、当時は歌詞を見ながら歌えないので、ヴォーカリストっていうのは当然覚えてないといけないので。歌詞を覚えるのがね。ばんばんさんも自分の歌でさえ歌詞覚えるの大変でしょ?
 
ばんばん)覚えてない!
 
大幸)(笑)。フォークからですよ、歌詞を目の前に置いて歌えるようになったのは。
 
ばんばん)だって歌詞長いもん、フォークは。
 
大幸)だから僕らバンドマンの初期の時代は当然歌詞なんか頭に入ってるわけなんで。頭に入ってる人は数少なくないと。
 
ばんばん)あのそれとね、だいたいカバーじゃないですか。そうするとね、有名なフレーズだけを覚えとくわけ。
 
大幸)あ〜、なるほど。
 
ばんばん)そいであと適当なの!
 
大幸)(笑)。まあ〜それで今回、いわゆる歌詞が短い曲ばかり集めてみました。
 
ばんばん)アハハハハ(笑)
 
大幸)まずトムクルーズの「カクテル」の映画で使われた「Don’t worry be happy」。マクファーリンの。これも1位になってるんですよ。1988年に。
 
ばんばん)へ〜。
 
大幸)この曲から聴いてください。

TR-1  Don’t worry be happy/Bobby McFerrin

ばんばん)もうほぼ。
 
二人)(笑)
 
大幸)このオケは全部声だけでやってるんですよね。
 
ばんばん)これはいいですね。
 
大幸)やっぱり簡単な歌詞で一番有名なのは、レインボウズの「バラ・バラ」。
 
ばんばん)♪マイ・ベイビー・ベイビーってやつでしょ?
 
大幸)そうそう。
 
ばんばん)これ僕もやりました。
 
大幸)これドイツのヒット曲なんですけど、英語で歌ってるんです。これが1966年か67年かに流行ったんですけどね、僕がちょうどバンドやってる頃だったんで、これはもう〜みんなやってましたよね。
 
ばんばん)みんなやりましたね。
 
大幸)では、「バラ・バラ」を。

TR-2 Balla Balla/The Rainbows

ばんばん)これはコードも3コードで。
 
大幸)はい。後でまた今度は3コードも紹介したいんですよ。3コードばっかりをね。僕ら音楽やってるから分かるけど、3コードっていったい何なのかと。
 
ばんばん)あっそっか〜。
 
大幸)循環コードってなんなのか、分かってないと思うので。
 
ばんばん)うん。なるほどね。しかしこの「バラ・バラ」は途中のギター、忙しないギターでしたね。
 
大幸)あ〜。ちょうどバンドブームの頃でしたからね、この曲は。では次に「マミー・ブルー」って曲がありまして。これはヨーロッパで流行ってずっと ♪マミー・ブルーって言ってましたんで。
 
ばんばん)でしたね(笑)
 
大幸)では、ポップ・トップスで「マミー・ブルー」。

TR-3 Mamy Blue/Pop Tops

ばんばん)改めまして「オールディーズ・グッディーズ」、今日は映画「カクテル」から始まって、簡単な歌詞の曲を紹介しています。
 
大幸)はい。さっきの「マミー・ブルー」は1971年だったんですけど、1967年のちょうど同じバンドブームの時にさっきの「バラ・バラ」と同じ頃に「ハンキー・パンキー」って曲が。
 
ばんばん)あ〜、これも流行りましたね。
 
大幸)流行ったでしょ。
 
ばんばん)はい。そうですね。
 
大幸)トミー・ジェイムスとザ・シャンデルズで「ハンキー・パンキー」。

TR-4 Hanky Panky/Tommy James & The Shondells

大幸)次に、メッセンジャーズの「気になる女の子」って曲。これは全米ではそんなにヒットしてない。まあ少しはヒットしたんですけど、これ日本で間違ってヒットしたんですよ。
 
ばんばん)あ〜、そうなん?
 
大幸)はい。これは聴いたら分かると思います。
 
ばんばん)はい。

TR-5 That’s The Way A Woman Is(気になる女の子)/Messengers

ばんばん)これも聴いたことありますね。
 
大幸)でしょ。この頃にね僕も歌詞の短い歌詞を作ろうってことで、「チョコレート」って曲を作ったんですよ。で、ちょうどなんかアミューズって会社が出てきたんで、アミューズバンドってのを作ってみようかなって、一応本気では作ったんですけど全く売れなくて。
 
ばんばん)あ〜、そうなんですか(笑)
 
大幸)はい。冗談にしなきゃまずいんですけど。
 
ばんばん)(笑)
 
大幸)まあ「チョコレート」って曲を作ってみたんで聴いてもらいたいんですけど、1979年なんですが。

TR-6 チョコレート/M.M.L. Amuse Band

ばんばん)これなんか洋楽みたいじゃないですか。
 
大幸)まあディスコが流行り出した頃で作ったんですけど、全く売れずで。
 
ばんばん)そうですか。このM.M.L.ってなんの略なんですか?
 
大幸)よく覚えてないです。
 
ばんばん)(笑)
 
大幸)その時に集まったメンバーで作ったんだと思うんですけど、適当に。はい。それで少しはマシになった曲がありましてね。これはB.B. クイーンズの第三弾目かなんかで、たまたま頼まれて作ったんですけど、これがね「はじめてのおつかい」って番組で使われまして。
 
ばんばん)へ〜。
 
大幸)なんか3、4歳の子供がおつかいに行くのをカメラで追っかけるっていう。
 
ばんばん)あ〜。あれ面白かったですけど。
 
大幸)うん。これね〜、これも「ドレミファソラシド」で作ろうってことで作ったんですけど、冗談にしてはこれ一応まあまあ行ったんで。これ聴いて欲しいんですけど。
 
ばんばん)はい。

TR-7 ドレミファだいじょうぶ/B.B. QUEENS

ばんばん)これ、「おどるポンポコリン」とやっぱりコンセプトがすごくしっかりしてますよね。
 
大幸)しっかりはしてない(笑)、冗談なんですけども、まあまあ。
 
ばんばん)うまいことできてますよ。
 
大幸)そうなんですけど、まあただこのB.B. クイーンズってのはB.B.キングをもじったんですけど。
 
ばんばん)ははは(笑)
 
大幸)これがね、オスカーの社長がどう勘違いしたのか、「いや〜長戸君、B.B. クイーンズってのはいい名前だね〜」と。
 
ばんばん)ほうほう〜。
 
大幸)「ああ〜そうですか?」って言ってたら、「いやB.B. クイーンズの名前から取ったんだけど、C.C.ガールズってのを作ったんだよ」と。だからB.B. クイーンズって普通に見たらB.B.キングからもじったと思うじゃないですか。彼はどうやらそうじゃなくてバーベキューから取ったんじゃないかって思ったらしい。
 
ばんばん)あ〜そっか〜(笑)
 
大幸)で、B.B.なんとかがカッコいいと。
 
ばんばん)BBQやもんね、バーベキューは。
 
大幸)うん。だからB.B. クイーンズなんで、次のCを使って、C.C.ガールズってのを作ったと。
 
ばんばん)なるほど、ブルースって僕らは思うけどね。
 
大幸)そうそうブルース知らない人はそう取るのか、なるほどと思ったことがありました。オロナミンCも、リポビタンDから取ったんじゃないかな〜って!
 
ばんばん)ははは(笑)
 
大幸)次にちょうど1978年くらいにすごいブームが起こるんですね。いわゆるディスコブームが。多分「サタデーナイトフィーバー」あたりかと思うんですけど。
 
ばんばん)ビージーズのね。
 
大幸)うん。この中でドラムというバンドが「ララバイ」って曲をやってるんですよ。で、これが意外とディスコで流行るんですよ。何がすごいって歌詞がめっちゃ簡単なの。まず「ララバイ」を聴いてください。

TR-8 Lalabye/D-R-U-M

ばんばん)これも本当に「ララバイ」しか言ってないですね。
 
大幸)そう。イギリスのスタジオミュージシャンで作ったようなことを言ってますけど、僕もだから当時、嘘で外国のバンドでやってるみたいに言って作った作品があったので、これも日本かもしれないですけどね。
 
ばんばん)なるほど、あ〜そうか。
 
大幸)で、ちょうどいわゆるディスコが流行った時に、「ポパイ」って雑誌も出てきたんですよ。
 
ばんばん)流行りましたよね。
 
大幸)で、僕「ポパイ」って雑誌を見たことがなかったので、レコード会社の人と話してる時、「長戸君、今ねディスコも流行ってるし、「ポパイ」も流行ってる」と。で、「ポパイ」でディスコソング作ってくれないかって言われて。で、僕「ポパイ」っててっきり「ポパイ・ザ・セーラーマン」の漫画だと思ったんですよ。
 
ばんばん)あ〜。
 
大幸)なんでポパイが流行ってるんだろう?とか思いながら。
 
ばんばん)なんでホウレン草食わなきゃあかんのかって(笑)
 
大幸)そうそう。で、雑誌買いに行かなかったんです。それでディスコソング作らないとまずいってことが頭にあって。ディスコソングってあんまり知らなかったんで、ディスコソングは何か?ってことで、レコード店に行って3枚買ってきたんですよ。それがね「1・2・3・4・ギミー・サム・モア」って曲と、それからボニーエムの「ダディー•クール」って曲と、「ハロー・ミスター・モンキー」って曲、この3つを買ってきたんです。で、この3つからとっちゃえ!ってことで作ったのが「ポパイ・ザ・セーラーマン」で。で、バンド名をホウレン草の力って意味で、スピニッヂ・パワーにして作ったんです。
 
ばんばん)ほ〜(笑)
 
大幸)企画モノなので、あれなんですけれども。で、結局そこに織田哲郎とか色んな人たちが入っていくんだけれども、スピニッヂ・パワーの第三期のヴォーカルに取り上げたのが氷室京介なんですよ。
 
ばんばん)へ〜。
 
大幸)だから氷室自身がこんなバンドにいたこと自体が恥ずかしかったんだと思うんですけど、その後にBOOWYを作ったんで。だからそのきっかけになった「ポパイ・ザ・セーラーマン」を聴いてもらいたいんですけど、その前に流行ったディスコソングの中に「1・2・3・4・ギミー・サム・モア」って曲があって。この曲随分僕も気に入って。で、♪ 1・2・3・4なら、♪ 3・2・1・0もあるだろうと。
 
ばんばん)確かに(笑)
 
大幸)♪ 1・2・3・4から、♪ 3・2・1・0をとったんですよね。そのままだとヤバイんで(笑)。まずその「1・2・3・4・ギミー・サム・モア」を聴いてください。

TR-9 1・2・3・4・ギミー・サム・モア/D. D. SOUND

ばんばん)よく出来た曲ですね。
 
大幸)そうなんですよ。これねD.D.サウンドってとこでやってるんですけど、これハーモニカも入っていて。当時僕ね、ウィーピング・ハープ・セノオっていう、妹尾隆一郎っていうハーモニカ吹きのマネージャー兼バンドボーイやってたんですけどね。
 
ばんばん)あっそうなんですか〜。
 
大幸)で、この「ポパイ・ザ・セーラーマン」のバックでやってるのが後のマライヤっていう僕が作ったグループの連中たちで、それぞれすごいミュージシャンたちなんですけど、そのグループで企画で作った「ポパイ・ザ・セーラーマン」を聴いてもらいたいと。これ妹尾のハーモニカも入れてるんですよ。まあ入れてるってことも一つだけど、僕はその、当時みんなお金ないからレコードに使うとギャラがもらえるっていうんで呼んできて、やったんですけどね。
 
ばんばん)へ〜。
 
大幸)この時に織田哲郎とか、僕が東京に出てきた時に最初に知り合った弾き語りの西浜鉄雄っていうトランザムに後々入る彼と、あと村田有美っていうウチでビーイングで最初にデビューする女の子とかが、たまたま歌わせたらコーラスが良かったんで。で、これも「ハロー・ミスター・モンキー」のイメージで最初にやり、まあ大半は今のD.D.サウンドに似てますけど、まずスピニッヂ・パワーの「ポパイ・ザ・セーラーマン」聴いてください。

TR-10 ポパイ・ザ・セーラーマン/Spinach Power

ばんばん)いいじゃないですか。
 
大幸)うん。これあの〜手拍子だとか、振り付けだとかを付けてディスコで踊らせて、で、ま〜広がっていったんですけどね。
 
ばんばん)なるほど。
 
大幸)まっこれはこれで上手く行って、これをきっかけに僕ビーイングを作ったような気がします。
 
ばんばん)あ〜、そうだったんですか。
 
大幸)はい。で、次に僕がバンドやってた頃にザ・ウォーカー・ブラザーズが「ダンス天国」という。
 
ばんばん)はい。これはもうウォーカーで流行りましたね。
 
大幸)はい。元々、
 
ばんばん)ウィルソン・ピケット?
 
大幸)そう。ウィルソン・ピケットの曲なんだけど、この、♪ ら〜らららら〜ってのもバンドでよく、あまり英語が出てこないんでやってたんです。
 
ばんばん)これもね〜(笑)
 
大幸)そうなんです。で、ザ・ウォーカー・ブラザーズ、これデビューは「太陽はもう輝かない」かなんかでしょ?
 
ばんばん)そうです。「The sun ain't gonna shine anymore」。
 
大幸)あれの4、5曲目くらいに出てきた日本でこれもヒットしたんですけど。ではザ・ウォーカー・ブラザーズの「ダンス天国」を聴いてください。

TR-11 ダンス天国/ザ・ウォーカー・ブラザーズ

大幸)で、この曲で思ったのが、困った時に♪ らららってのを使いたいなって思ってたの。
 
ばんばん)はははっ(笑)
 
大幸)で、ちょうど大黒摩季と話してる時に煮詰まってる箇所があるっていうんで、じゃあそこはもう♪らららで行こうと。
 
ばんばん)はははっ(笑)
 
大幸)最初の2行目もなんかなかったんですね。で、「恋愛中ってもっと楽しいと思ってた」って歌詞があるんですけど、これはねZARDの坂井泉水が考えたんですよ。それを僕が持ってて。そういう言葉を。で、それをここに使っちゃったんで、別に大黒もそれを分かってないし、坂井も使われたそのフレーズを忘れていたかもしれないけど、まあ〜そういう懐かしい大黒摩季の「ららら」を聴いてください。

TR-12 ららら/大黒摩季

ばんばん)なんかね、こういう「♪ららら」をどういう風にはめ込むかで難しいですよね。
 
大幸)うん、そうですよね。
 
ばんばん)ただ言うだけじゃね。
 
大幸)ま〜、そうですよね。
 
ばんばん)うまく出来てますよね。
 
大幸)ま〜、はい。で、次に1965年のこれも僕バンドでやってた曲なんですけど、この後違うバンドでヒットするんですけど、まずねエディ・ホッジスの「恋の売り込み」って曲が1963年くらいに
 
ばんばん)あの、電話の曲?
 
大幸)そうそう。♪ドアをトントントン、ベルを
 
ばんばん)♪リンリン
 
大幸)さぁ出ておいでよって曲ですね。日本語では。伊東ゆかりかなんかが歌ってた。
 
ばんばん)うん。
 
大幸)これを歌っていたエディ・ホッジスが「New Orleans」って曲を歌うんです。まあこれ歌詞も簡単なんだけど、僕は当時ドラムをやっていたんで、このドラムのフレーズが好きで。これをちょっと聴いてもらおうと思います。

TR-13 New Orleans/エディ・ホッジス

大幸)まあ、このドラムの感じが好きなんで。よく使いましたよ、これ。
で、次に「おどるポンポコリン」ってのが、さくらももこと。

ばんばん)はいはい。

大幸)元々僕、さくらももこの漫画を見て好きになったんですけど、なんとかさくらももこと会いたかったんだけどなかなか会えないっていうんで、多分彼氏がいて会わせないようにしてたんだと思うんですけどね。やっとの思いで会えた時に、彼女から「今フジテレビから話が来てる」と。「あっ、そうなの。じゃあそれ俺にやらせてよ」って話をして。テーマソングを。で、僕は子供漫画だから「踊るちんぽこりん」ってタイトルはどうかと言ったんです。
 
ばんばん)そうなん!「ちんぽこりん」って危ないじゃないですか(笑)
 
大幸)いやいや、「ちんぽこりん」みたいなのをやろうよって話をしたところ、彼女としては「ちんぽこりん」は無理だと。
 
ばんばん)そりゃ無理ですよ(笑)
 
大幸)でもなんとか「ちんぽこりん」でって言って。で、結局♪ピーヒャラピーヒャラになるんだけど、彼女としては「ちんぽこりん」はどうしても無理だから、「ポンポコリン」でって言うから、なんとか「ポンポコリン」を突っ込んで。で、「おどるポンポコリン」と。
 
ばんばん)そうなんですか。これでも「おどるちんぽこりん」だったら絶対売れてないですよ。
 
大幸)ま〜ま〜そうでしょうね。でも「ちんぽこりん」みたいに聴こえるから売れたんだと思うんです。
 
ばんばん)あ〜聴こえるからね。タイトルで堂々と言ってたらPTAから絶対苦情来てますよ。
 
大幸)でもこれね、発売した時にオリコンの人に申し訳ないんだけど、最初にオリコンに乗った時に70位くらいだったんだけど、オリコンに僕別に言ってないのに、「おどるちんぽこりん」って出たの。
 
ばんばん)はははっ(爆笑)
 
大幸)うちのソニーからきたディレクターで真面目な奴がオリコンにエライ文句言ってたんですけど、僕横で聞いていて文句言わなきゃ面白いのになって思ってたの。2週目からは「ポンポコリン」になったんですけど、本当に、
 
ばんばん)聴こえたんだね、彼にも。
 
大幸)いや、普通レコードに書いてあるんだから「おどるポンポコリン」ってちゃんと出るじゃないですか。それが本当に「ちんぽこりん」で出たんですから。
 
ばんばん)だから最初に大幸さんが思ったことが通じたんや。
 
大幸)そう。だって子供は普通「ポンポコリン」って聴いたら「ちんぽこりん」を思い出すはずなんですよ。大人は思わないだけで。
 
ばんばん)それで聴いたらみんな思いますよ。今かけたら。
 
大幸)だからその「おどるポンポコリン」を聴いてもらいたいんですけど。これ元々はですね、栗林誠一郎君ってヴォーカルが歌う予定だったのに彼が来れなかったんです。なんで来れなかったかって言うと、海外に行っていて、結局当時は携帯がないので家まで行って張り紙したのに結局こなかったの。年末で。で、近藤房之助と坪倉唯子でコーラスやろうと思ったんだけど、近藤にしては高い、坪倉にしては低いんです。女の子にしては低くて、近藤にしては高い。で、栗林君ってのは男なんだけど女の子みたいな声してたんで。で、どうしようかなってことになって結局坪倉が歌うんだけど、坪倉にしては低いから、しょうがないからもっと低くしてそれを回転上げて「オラは死んじまっただ」みたいにやったんです。まさかあんなに売れると思ってないので、あんな風にになると思ってなかったんですけど、当初は坪倉はケロケロサウンドみたいになる練習ばっかりしてました。それしないと人前で歌えないから。
 
ばんばん)だってあれテレビで歌ってましたもんね。生で。
 
大幸)そう。ケロケロみたいに聴こえるように一生懸命練習したんだと思います。
 
ばんばん)そうなんや〜。
 
大幸)そのB.B.クィーンズの「おどるポンポコリン」を聴いてください。

TR-14 おどるポンポコリン/B.B. QUEENS

ばんばん)いや〜、近藤房之助氏ってすごいソウルシンガーじゃないですか。
 
大幸)はい。
 
ばんばん)ブルースとか。このイメージ、最初全然分からなかったですね。
 
大幸)よくやってくれたと思いますね。
 
ばんばん)本当ですね。
 
大幸)ちょっと高すぎて、出るところだけ歌ってるんですけどね。
 
ばんばん)でもこれがすごく効いてますよね。
 
大幸)まあ〜、そうなんですよ。まあこの曲は実は意外となんて言うか下敷きがありまして。で、ちょっと聴いてもらいたいんですけど、レッドボーンの「Come and Get Your Love」って曲を聴いてください。

TR-15 Come and Get Your Love/RedBone

ばんばん)これ、レッドボーンって言うけど、頭、パッパラパッパ
 
大幸)似てはないんですけど、まあ似てると言えば似てますけど、基本的なところは。
 
ばんばん)(笑)
 
大幸)ただあの〜メロディっていうのは階段のように上がっていくメロディと、下がってくるメロディってのがあるんですよ。で、大体ね、下がってくるメロディの方が大ヒット曲が出るんですよ。
 
ばんばん)あ〜、そうなんですか。
 
大幸)で、上がっていくメロディの時は中ヒット曲がいっぱい出る。
 
ばんばん)ほ〜。
 
大幸)だから、1980年かなんかに大ヒットした、♪曇りガラスの向こうは風の街(ルビーの指輪/寺尾聰)ってのも下がってるんですね。
 
ばんばん)ほんまやね。
 
大幸)で、僕TUBEの♪ Stop the season in the sun   心潤してくれ(シーズン・イン・ザ・サン)、これも下がってるんですよ。ところがそのちょっと前のチェッカーズの「涙のリクエスト」は上がっていくんですよ。この下がっていくメロディと上がっていくメロディが大体時代によって変わるんですよ。今はどうか分からないにしても。だから1985年頃、1990年頃、僕現役でプロデューサーやってたんで、1980年くらいに寺尾聰が流行っていたんで1985、6年頃はそれと同じ下がっていくメロディ、90年も絶対下がるメロディだって言って、♪ピーヒャラピーヒャラとか、♪タッタタラタとか、階段下がっていくみたいじゃないですか。
 
ばんばん)なるほど。でも聴いた感じはそういう感じしないね。だから上手いことできてるよね。
 
大幸)そうそう。だからベースも出来たら下がった方がいいんですよ。上がりメロディの時は逆でだんだん上がっていった方がいい。ピアノも下がるメロディっていうのは、右から左へ向けてダ〜ンって降りた方がいい。まあ〜そんなの拘ってやってたんですけどね。
 
ばんばん)ふ〜ん。今はどうなんですか?
 
大幸)今はね、2021年でしょ。2020年、去年は何が流行ったかっていうと瑛人の「香水」が流行ってたじゃないですか。これがね、「おどるポンポコリン」とか、さっきのレッドボーンとかと一緒で下がりメロなんですよ。大体5年ごとに変わっていく。途中2年半くらいは逆に上がりメロディが流行るんですけども。
 
ばんばん)は〜。
 
大幸)だから5、10、15、20とか5年ごとに大体下がりメロディが流行るんで。ちょっと瑛人の「香水」を聴いてみて欲しいんです。B.B.クィーンズとかレッドボーンっぽいんで。

TR-16 香水/瑛人

大幸)ちょっと ♪ ピーヒャラピーヒャラっぽいでしょ?
 
ばんばん)うん、そう言われて聴くとよく分かりますね。
 
大幸)だからちょっと下がりメロディが流行るんですけど、まあこの2年後くらいにはダサくなるんで。という感じでしたよね。
 
ばんばん)これやっぱり世間の動向とかと関係してるんですかね?今だったらコロナだとか。
 
大幸)大体2年半前くらいのものが一番古いんじゃないですかね。流行った、3年位前とか。で、15年後くらいにちょっと戻るんだけど、実際は10年、20年前のものの方が今っぽいものに、螺旋状に、似てるんだけどちょっと違うけど昔のものが流行るけど、3年前のものって逆にダサくて聴けない。
 
ばんばん)そっか〜。
 
大幸)昔車がそうだったんですよ。だから丸いのが流行ったら四角いのが流行ったり。三角が流行ったり。
 
ばんばん)はい、でしたね〜。
 
大幸)そういう感じで音楽もそういう流行りはあるんだなと思ってたんですけどね。
 
ばんばん)うん。なるほどね。
さて、今週もお別れの時間が近づいてまいりましたけど、後半のメロディの話はさすがすごいですね。面白いですね。
 
大幸)いやいや、だから上がりメロ、下がりメロってのがあるんで、演歌が特にそうですよね。
 
ばんばん)なるほど〜。さあということで次回は?
 
大幸)アニメ映画を。僕らが子供の時アニメっていうとやっぱり「鉄腕アトム」。
 
ばんばん)もう〜これは観ましたね。
 
大幸)「鉄腕アトム」のアニメ映画を中心にやりたいなと思います。
 
ばんばん)はい、ということで来週はアニメ映画を中心にお送りいたします。お相手はばんばひろふみと、
 
大幸)長戸大幸でした。
 
ばんばん)来週までごきげんよう
 
二人)さよなら。


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