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OLDIES GOODIES #44_映画「イージー・ライダー/Easy Rider」

ミュージックフリークマガジンいち押しラジオ番組♪♪♪ フォークシンガー・ばんばひろふみ氏と、音楽プロデューサー・長戸大幸氏が圧倒的な音楽知識と豊富な経験で、1950~70年代の洋楽を中心に多くのアーティストがカバーする大ヒット曲やここでしか聴けない激レア音源等を紹介してくれる「OLDIES GOODIES」をご紹介!

ばんばん&大幸の「オールディーズ グッディーズ」第44回(2021.7.31放送回)は、1960年代ロードムービーの名作映画『イージーライダー』収録楽曲からロックなナンバーをずらり紹介。映画のテーマソングとして大ヒットしたステッペンウルフ「ワイルドで行こう」はもとより、ザ・バーズ、ロジャー・マッギンらのカントリー・ロック、グランドファンク・レイルロード、アニマルズ、ザ・フーらのハードロック路線、さらにユーライ・ヒープ、テンイターズ・アフターら、60年代のロックバンドの名曲の数々も。次週の「ウッドストック」へと繋げる、大幸&ばんばんの直球ロック談義、やはり盛り上がるのは間違いなし。

Opening Music:10番街の殺人 / The Ventures

ばんばん)さあ今週もはじまりました「オールディーズ・グッディーズ」、ばんばひろふみです。

大幸)長戸大幸です。

ばんばん)大幸さんは、すごい食通やないですか。

大幸)いやいや全然。

ばんばん)いや〜、わりと色んな店を知っていて、自分でレストランもやってはるし。自分では料理とかは作るんですか?

大幸)いやいや、もう学生時代の自炊だけです。

ばんばん)あっ、そういうのにハマっていった事はない?

大幸)ないです。

ばんばん)食う方が専門?

大幸)はいはい。どちらかと言うとね、みんなが食べに行くような、なんていうの? 和食とか、こだわった物あんまり好きじゃないんです。元の原型が見えているものがいいんです。

ばんばん)という事はまあ、ステーキだったらステーキという事ですか?

大幸)ええ、ネギならネギ。

ばんばん)あっそうか(笑)。最近は色々加工してますもんね。

大幸)いや、これが何か分からないけどみたいな物があるじゃないですか、だから野菜なら野菜の原型を留めてるやつがいい。

ばんばん)あ〜分かります。でも、そういう意味では日本食とかの方がいいんじゃないですか?

大幸)いやいや日本食もね、なんか手が入ってるでしょ。手が入ってるっていうのは指が入ってますよね。指使ってないかなっていう方がいいんです。

ばんばん)あ〜なるほど、難しいですね(笑)

大幸)だから僕、寿司も駄目なんですよ(笑)

ばんばん)あっ、寿司なんかモロですもんね。

大幸)だから寿司もあんまり食べたくないので。

ばんばん)あ〜そう。

大幸)しかも、寿司は全部ご飯だけ除くんで。

ばんばん)その上のネタだけ!?

大幸)上ネタだけ食べるんで、逆に言えば本当に良くないんだと思います。

ばんばん)寿司屋怒るでしょ(笑)

大幸)いやだから、あんまり行かないようにして、どうしてもという時だけ行きます。

ばんばん)どっちか言うと、そしたら洋食の方が好き?

大幸)いや、和食の方が好きなんですけど、和食で美味しい店が少ないんですよね。

ばんばん)難しいわ(笑)

大幸)難しいです、私も相当難しいと思います。

ばんばん)そう思うわ。今度また美味しいとこに、是非。

大幸)いやもうカレーとかでいいんですよ、僕は(笑)

ばんばん)カレーいいですよね。僕あの〜、実はインドカレーはね、作れるんです。

大幸)あ〜なるほど。

ばんばん)手は入りますけど(笑)

大幸)いえいえ、すいません(笑)

ばんばん)さて先週ね、確か「来週は何しましょう?言うたら、考えてない」っていう話でしたけど、もう考えてもらえました?

大幸)今週は、ばんばさんのリクエストの「イージー・ライダー」を。

ばんばん)あの〜映画特集をこのところずっと続けてますが、「イージー・ライダー」やってもらえるんですか?

大幸)はい。

ばんばん)僕は好きでしたね、この映画。

大幸)これ、どこが良かったんですか?

ばんばん)最後の結末が。

大幸)いや、最後以外はどこが良かったんですか?

ばんばん)最後以外は、あのその〜、僕らがヒッピーの時代じゃないですか。で、そのヒッピーに憧れてたら、アメリカの南部と全然考え方が違って、ほんでバイクで旅するわけじゃないですか、そこが良かった。あんまり好きじゃないですか?

大幸)いや、嫌いでもないけど好きでもないっていうか、なんて言うの、あれ最後に死ななかったら、撃たれてなかったら、どうってことない映画ですよね?

ばんばん)確かに。

大幸)あれ、あのままロードムービーで終わってたら、

ばんばん)うん、どうってことないですよね。

大幸)あれたまたま最後に、ひとり撃たれて、それで今度なんだって文句言いに行ったらまた撃たれてっていうシーンは確かにすごいんですけど、それまでの間長々と色んなことやって。

ばんばん)そら確かにね(笑)。それとやっぱり、僕らが聴いてた音楽も多くて。

大幸)音楽は良かったですよね。

ばんばん)使われてたっていうのもありますよね。

大幸)はい。まずやっぱりテーマソングでもあるステッペンウルフの「ワイルドでいこう!」1968年のヒット曲です。

ばんばん)これは本当ぴったりですね、はい。

TR-1 Born To Be Wild / Steppenwolf

ばんばん)これはもう、初めて聴いた時すごい衝撃でしたけど。

大幸)はい。ちょうどこの頃ハードロックが流行りだした。

ばんばん)は〜、そうですね。

大幸)うん。だからヴァニラ・ファッジだとか、クリームだとか。

ばんばん)あ〜、ブルー・チアーとか。

大幸)はい。そういうのが流行り出した時で、まあこれが一番ヒットした曲でしょうね、ハードロックの中でも、ポップで。

ばんばん)そうですね。

大幸)はい。で、この同じ映画の中で、バーズがやってましたよね。

ばんばん)あの〜このバーズ、僕ロジャー・マッギンっていう人が大好きでした。12弦ギターで独特の雰囲気があるでしょ。

大幸)はい。

ばんばん)で、いい感じで曲が流れましたよね。

大幸)はい。まずその「Wasn’t Born to Follow」という曲を。

TR-2 Wasn’t Born to Follow / The Byrds

ばんばん)ちょうどサイケデリックが大流行の頃ですから、この曲もそんな感じですね。

大幸)はい、そうですよね。よりフォークっぽく、ウエストコーストっぽいのと、それからちょっとサウスになる、その南の方にいくのと、ハードロック、この3つが大体その頃のロックですよね。まあハードロックはイギリスから来たんでしょうけども。

ばんばん)うん。

大幸)この辺がダーッとなって、そこにヒッピーがきて、薬があってっていう自由主義みたいな、ベトナム戦争が起こった頃ですよね。

ばんばん)うん、モロに。だから、この「イージー・ライダー」もそれを象徴してますよね。

大幸)すごく象徴してると思います。このバンドの「ザ・ウェイト」っていうのも確か流れてたと思うんですけど。続いては、ザ・バーズの「ザ・ウェイト」を。

TR-3 The Weight / The Band

ばんばん)この「ザ・ウェイト」が出た時って、ロックがどんどん新しく前へ進んでいってた時代で、このバンドがアメリカの音楽の原風景みたいなものを表現しようとしたわけでしょ。そこがすごい新鮮だったわけですよね。

大幸)はい、そうですよね、あのレイド・バックと言われていた。

ばんばん)そうですよね。大幸さんザ・バンド初めて聴いた時って覚えてます?

大幸)覚えてます。

ばんばん)どういう印象持たれました?

大幸)僕はなんかどちらかと言うと、当時はイギリスのクリームだとかそっちへ行ってたんですけども、精神的なものが入ってますよね。南の、なんというのかな、後に結局クラプトンが行くんですけれども。

ばんばん)そうでしたね。

大幸)だからなんか退廃的で、スローライフ。

ばんばん)まあブルースが基本やって。

大幸)南部ブルースのような。

ばんばん)うんうん。僕、だからね、ザ・バンドを最初聴いて正直よく分からなかったですね。だからザ・バンドの良さが分かったのはかなり後になってからでしたね。

大幸)まあボブ・ディランのバックバンドっていうイメージでしたね。

ばんばん)そうでしたね。最初そのイメージが強かったですよね。

大幸)だから「アイ・シャル・ビー・リリースド」とかなんかそういったものをやってたんで。で、この後、ロジャー・マッギンってさっきのバーズのリーダーも、この頃もうバーズもおかしくなって解散するところだったんだと思います。

ばんばん)メンバーがいっぱい抜けてね。

大幸)それからこの後にちょうど、これ1968年なんですが、69年の終わりくらいから、デヴィッド・クロスビーっていう、あのザ・バーズの高い声を出してた彼がクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングを作る。ちょっと前くらいですね。

ばんばん)『デジャ・ヴ』という大ヒットアルバムがありましたけどね。

大幸)はいはい。そのロジャー・マッギンの「イッツ・オールライト・マ」っていうのが、これも確か映画で使われてたと思うんですが。

ばんばん)これ、ボブ・ディランの歌ですよね?

大幸)はい。これを、まあ元々ロジャー・マッギンの「ミスター・タンブリンマン」とか、どちらかというと。

ばんばん)大好きですよね、ボブ・ディランがね。

大幸)ボブ・ディランの曲をやってたんで、まあこの「イッツ・オールライト・マ」を是非聴いていただきたい。

TR-4 It’s Alright, Ma (I’m Only Bleeding) / Roger McGuinn

大幸)これ確か、ベトナム戦争で若造が撃たれて、血がバンバン出てきてるんだけど、「イッツ・オールライト・マ」っていうのがママのことだと思います。「ママ、大丈夫だよ、血が出てるけど大丈夫だよ」って言って、一人でその戦場で死んでいくって歌う歌だと思いますけどね。

ばんばん)あ〜なかなか現実的な、ね。

大幸)で、同じくその映画の中のタイトルにもなったのかな、「イージー・ライダーのバラード」っていう曲がありまして、これもロジャー・マッギンとザ・バーズもやってるのかな?ちょっと聴いてください。

TR-5 Ballad of Easy Rider / Roger McGuinn, The Byrds

ばんばん)ザ・バーズのバラード「イージー・ライダーのバラード」。あれ聴くとね、映画の中であの歌が流れてくるとアメリカの広大な土地にドーンとフリーウェイが通ってて、そこを走ってるとハッてこの歌の原点が分かる。

大幸)あ〜はいはい。まあ、あの改造されたバイクがあれだから、いわゆるドラムで、僕当時ドラムをやってたんでよく分かるんだけど、ドラムって二通りありましてね。

ばんばん)バイクね、あれカッコ良かったですね、うん。

大幸)その〜、いわゆるホンダ風の後ろへ反り返るようなドラムの叩き方と、ヤマハ風の前のめりになるバイクの、(前傾で)こうやって叩く人もいれば、後ろに反り返って叩く人もいたり。

ばんばん)あ〜は〜は〜。

大幸)で、大体この辺の「イージー・ライダー」の辺っていうのはみんな後ろへ反り返って、全部0.0何秒遅いんですよ。バスドラもスネアも全部、常に。

ばんばん)だからその重さみたいなものが出る!?

大幸)はい。

ばんばん)あっそういう、なるほど。

大幸)で、同じ頃にイギリスではもうビートルズが飽きられてて、まあシュープリームスとかのモータウンが段々登場してくるんですよね。一連のリバプールサウンドも、ビートルズ以外がもうみんなおかしくなっていくんですけども。

ばんばん)うんうん。

大幸)そこでシュープリームスが売れていた「ユー・キープ・ミー・ハンギン・オン」をヴァニラ・ファッジがやるじゃないですか。

ばんばん)僕はだからヴァニラ・ファッジで知った。

大幸)あれが多分ね、僕が知った日本に入ってきたハードロックの最初だと思うんですよね。

ばんばん)あ〜、なるほど、うん。

大幸)で、ヴァニラが流行ったおかげで次にクリームが流行り、でハンブル・パイが流行った。わざとああいう、そのお菓子の名前?

ばんばん)ヴァニラとかね。

大幸)その昔、ビートルズの頃は動物っていうのが多かった。

ばんばん)アニマルズとかね。

大幸)そうそう、日本もそうだけどスパイダーズとか。それが、お菓子に変わっていった。

ばんばん)はいはい、そうか、なるほどね。

大幸)で、その中であの頃に出てきたんです、グランド・ファンク・レイルロードっていうバンドが。

ばんばん)あの頃に3人でカッコ良かったですよね。

大幸)そうそう3人。だから本当にスリー・リズムですよね、ドラム・ベース・ギターだけで。で、日本でのライブ観に行ったんです、私。

ばんばん)どこ行かれたんです、東京、大阪?

大幸)いや、大阪の当時の難波球場でしたっけ。

ばんばん)僕も行きました(笑)

大幸)雨降ってる時。

ばんばん)雨降ってる時(笑)。凄かったです。

大幸)そう! これフラワー・トラベリン・バンドも「孤独の叫び」っていう曲をよくやってたんですけど。

ばんばん)これアニマルズがオリジナル?

大幸)僕らはアニマルズから知ったんですけど。

ばんばん)そうでしたね、うん。

大幸)それをこれだけ、ハードロックってどちらかというと僕のイメージではフレーズをデフォルメするんですよね。リズムをデフォルメ、メロディーをデフォルメ、歌と楽器をデフォルメ、全ての目指すところをデフォルメすると、なんかハードロックになるんじゃないかなっていう感じだったんで。

ばんばん)ハードロック、あ〜あ〜。

大幸)まずその「孤独の叫び」、グランド・ファンク・レイルロードを。

TR-6 Inside Looking Out(孤独の叫び)/ Grand Funk Railroad

ばんばん)これ、最初僕ら、グランド・ファンクを知った時に、まずレッド・ツェッペリンがイギリスからアメリカへやった時に前座でグランド・ファンク・レイルロードが出て、あまりの盛り上がりでツェッペリンを喰ってしまったという話を聞きました。

大幸)はい(笑)。多分ツェッペリンもあれ上手くいってなかったんだと思いますよ、人間関係が。

ばんばん)あ、その当時?

大幸)うん。なんかボーカルも暇でしょうがなかったと思うんですよ。

ばんばん)ロバート・プラントが?

大幸)そうそう、ずっと演奏しっぱなしで出てくる場面が少ないじゃないですか。

ばんばん)あ〜。うんうん、ジミー・ペイジがほとんどね。

大幸)だからもうちょっと上手くいってなかった気がしますね。

ばんばん)その時に新鋭でバリバリのグランド・ファンクがやったわけですね。

大幸)そうそう。グランド・ファンクは一番シンプルなハードロックが良かったんだと思いますけどね。だからツェッペリンも僕観に行ったんですよ、大阪の厚生年金会館。

ばんばん)厚生年金会館ですね、僕も行きました(笑)

大幸)あ〜そうですか(笑)。で〜あの。

ばんばん)アンコール3時間くらいやってた!

大幸)はい。僕が観た時はね、ベースのジョン・ポール・ジョーンズがホウキ持ってきてステージ掃いてました。

ばんばん)ジョン・ポール・ジョーンズ!   なんですか、レレレのおじさんやないですか(笑)

大幸)なんかそういうシーンを思い出した(笑)

ばんばん)冗談ですか? それは?

大幸)いや、ずーっとギター弾いてる間暇なんで、ギターとドラムで何か「ウワァー」っとやってました。

ばんばん)本当ですか(笑)?

大幸)はい(笑)。っていうのが記憶にあります。

ばんばん)(笑)

大幸)ではさっきの「孤独の叫び」、アニマルズ 1966年のヒット曲です。

TR-7 Inside Looking Out(孤独の叫び)/ The Animals

大幸)これ作家名にエリック・バードンもチャス・チャンドラーも入ってるからアニマルズのオリジナルだったかもしれないですね。

ばんばん)アニマルズはやっぱりこのエリック・バードンという人がすごい黒っぽかったですよね。

大幸)はい。確かそれまでやっぱり彼らがアラン・プライスのバンドでアラン・プライスバンドだったんだけど、結局エリック・バードンが出てきて、当時どこのグループサウンドも全部そうなんですけど、元々ビートルズが出てくる前にリーダーがいてバンド演奏ってやってたわけです。で、そのリーダーが、日本の場合は特にドラムが多かったんですよ。

ばんばん)はいはい。あのスパイダースもそうだった、田辺昭知さんね。

大幸)そう、まあ田辺さんは政治的にも強くなったんで、まあ文句言われなかったんですけど。

ばんばん)あ〜。

大幸)あとは、そのブルー・コメッツもジャッキー吉川、あとジャガーズもそうでしたよ、宮ユキオとジャガーズ。

ばんばん)あ〜そうかそうか。

大幸)あれみんな片っ端からクビになっていくんですよ。結局リードボーカルの方が中心になっていくんで、後にエリック・バードンとアニマルズって名前に変わったはずです。

ばんばん)そうでしたね、名前変わりましたね。

大幸)そういう時代だったんで。でまあ、グランド・ファンク・レイルロードに戻るんですけども、その後1970年に大ヒット曲が出るんですよね、いわゆるポップ的な、それが「ハートブレイカー」。

ばんばん)あ〜これはまた色々話が続いていくと思いますが。

大幸)はい。グランド・ファンク・レイルロードの「ハートブレイカー」。

TR-8 Heartbreaker / Grand Funk Railroad

ばんばん)いいですね。

大幸)はい、まあこれはよく言われているように井上陽水さんの「傘がない」によく似てるんで。

ばんばん)あ〜、日本では井上陽水氏の方が流行りましたもんね。

大幸)はい(笑)。まあちょっと言いにくいんですが、井上陽水さんの「傘がない」を聴いてもらいましょう。

TR-9 傘がない / 井上陽水

ばんばん)え〜「傘がない」も、結局彼女に会いに行くけど、世の中で一番それが大事だ!という話やないですか。

大幸)はい。

ばんばん)で、「ハートブレイカー」もやっぱりこう、恋に敗れた男の話やけど、陽水氏の場合は社会現象を取り入れてますよね。そこが勝ちなんじゃないですか?

大幸)はい。いやもうこれ素晴らしいですよ。やっぱりね、音楽よりも言葉と歌詞です。

ばんばん)ですよね、衝撃的でしたね、ある意味ね。

大幸)そうそう。で、僕当時彼の色々聴いていて思ったのが、スローモーションなんですね。例えば「あかずの踏切」なんかはもう3時間くらい開かない感じの、歌い方していますからね。

ばんばん)(笑)。うんうん、なるほど。

大幸)そっち側へ行きたいんだけど、とにかく開かないんだと。とか、「白い一日」だとまあお父さんとお母さんが64歳で、まあそれはあの「シックスティー・フォー」から取ったかもしれないけど、64歳からお母さん漬物石をすごいゆっくりのスピードで持ち上げてる。

ばんばん)うん。

大幸)で、お父さんは湯飲み茶碗をずーっとものすごくスローなスピードのビデオで見てるような、もうとにかく時間の観念が相当スローモーションの感じでしたけどね。

ばんばん)あ〜、なるほど。そこがやっぱり彼の特徴やったわけ。

大幸)そうそう、特徴だと思う。だから全然目の付け所が違うというか。

ばんばん)そうか、なるほどね。

大幸)だからもう今みんな世の中コロナコロナって言ってるけど、やっぱり傘がない今もあると思うんですよね。

ばんばん)うんうん。

大幸)コロナコロナだけど、問題は「今日の雨、傘がない」なんで。

ばんばん)ね、彼女に会えない、みたいなね。

大幸)そうそう、素晴らしいと思いますね。で、話変わりますけど最初の「イージー・ライダー」ってあれ、ピーター・フォンダってあのヘンリー・フォンダの息子さん?

ばんばん)そうでしたね。

大幸)ジェーン・フォンダのお兄さん?

ばんばん)そうでしたね、主役がデニス・ホッパー。

大幸)デニス・ホッパー、あそこにジャック・ニコルソンとフィル・スペクター出てるの知ってました?

ばんばん)ジャック・ニコルソンは知ってました、途中で出てきてね、殺されてしまう。

大幸)はい。フィル・スペクターも出てるんです。

ばんばん)フィル・スペクターはどんな役で出てました?

大幸)いやちょっと上手く言えないんだけど、変な顔だからあれ?と思って観てたんです。

ばんばん)あ〜そうでしたっけ!?

大幸)昔の話なんですけど、まあその後に、話飛びますけど同じ頃イギリスでザ・フーっていうグループが、「アイム・ア・ボーイ」だとか「ハッピー・ジャック」ってやってたのがこの辺からハードロックバンドに切り替わっていくんですよ。

ばんばん)「サマータイム・ブルース」とかね。

大幸)そうそう、その「サマータイム・ブルース」をまず。

ばんばん)いいですね。

TR-10 Summertime Blues (Live at Leeds) / The Who

ばんばん)このザ・フーっていうグループは変わったグループでしたよね。なんか、ドラムのキース・ムーンっていうのがドラムを叩いてるよりも歌ってるみたいな。

大幸)はい。だし、ドラムもいっぱい並べて、バスドラもツインバスで。もう顔もだいたい変わってました。

ばんばん)変わってましたね、あとピート・タウンゼントも普通リードギターってわーっと出るんですけど、ほぼリードギターとしては出てこないですよね。

大幸)どちらかというと、ギターを壊したり(笑)

ばんばん)壊してました!

大幸)まあこの曲元々はエディ・コクランっていう、1958年か59年に10代で亡くなってるロックンローラーの曲なんですが、これがカッコいいんです。僕エディ・コクランって生きてたら大変だったなと思うな。

ばんばん)あ〜そうですかね、うん。

大幸)エディ・コクランがしかも曲も書いていて、で、彼の「サマータイム・ブルース」、1950年代にしてはこれ新しいと思うんです。それを聴いてください。

TR-11 Summertime Blues / Eddie Cochran

ばんばん)ザ・フーは完全にこれを取ってますね、やり方がね。

大幸)はい。で、この頃にハードロックがいっぱい流行るんですけども、僕は個人的に印象に残ってるのはユーライア・ヒープの「対自核」っていう。

ばんばん)あ、あの鏡のジャケット。

大幸)はい。「対自核」って意味も未だに分からないんですけどね。

ばんばん)僕も分からない(笑)

大幸)これ、日本語のタイトルもそうなんですけども、この曲が良かったですよ、すごいシンプルで、そのデフォルメされていて。

ばんばん)すごい流行りましたよね。

大幸)はい。ではユーライア・ヒープの「対自核」を。

TR-12 Look at Yourself(対自核)/ Uriah Heep

ばんばん)この頃って、これなんかもすごいオルガンで、ディープ・パープルなんかもそうですよね。

大幸)あ〜そうですね。

ばんばん)サウンドが、やっぱりオルガンが流行ってたんですね。

大幸)はいはい。ディープ・パープルなんかしかも最初のアルバムと、その後とボーカルが変わってますから。

ばんばん)そうです、イアン・ギランが後ですもんね。

大幸)そうなんです。だからもうあの頃はボーカルが変わってもありなんだっていう意識がありましたね。

ばんばん)は〜、なるほど。

大幸)で、その同じ頃にテン・イヤーズ・アフターっていう。

ばんばん)あ〜アルヴィン・リーの!

大幸)そう! アルヴィン・リーって当時一番うまいと言われていたギタリストで。

ばんばん)早弾きとか言われてたじゃないですか。

大幸)彼が弾いている、テン・イヤーズ・アフターの「夜明けのない朝」を。1969年にアルバム出てますけども、これ聴いてください。

TR-13 I Woke Up This Morning(夜明けのない朝)/ Ten Years After

ばんばん)ブルースですね。

大幸)はい。で、まあもう一つは同じ、もう1年くらい後になるのかな、マーク・リンゼイとレイダース。

ばんばん)あ〜、アメリカのグループですね。

大幸)はい。これね、元々はあのポール・リヴィアとレイダースっていう「Louie Louie」とかなんかやってたんじゃないかな。

ばんばん)はいはい、ありましたね。

大幸)で、それがボーカル、リーダーがまあ同じように辞めたのかクビになったのか、年取ってたからなのか分からないですけど、そのボーカルになったマーク・リンゼイが、リーダーになったマーク・リンゼイとレイダースで、「嘆きのインディアン」って曲が1971年に1位になってるんですよね。

ばんばん)うん。

大幸)これをちょっと聴いてみてください。

TR-14 Indian Reservation (The Lament of The Cherokee Reservation Indian) / The Raiders featuring Mark Lindsay

大幸)これがどうもね、五木ひろしさんの「待っている女」のイントロに似てるんですよ。

ばんばん)そうですか、そこへ来るんですか、いきなり(笑)

大幸)無理やり持ってきたんですけど。

ばんばん)リンゼイが(笑)

大幸)いやいや、ちょっと僕、五木ひろしさんの歌好きなんで「待っている女」を、はい。

TR-15 待っている女 / 五木ひろし

ばんばん)これは、五木さんもブルースを歌おうとしてるね。

大幸)え〜まあ作曲とは関係ないんですけどね、アレンジャーの問題なんですけど。

ばんばん)あ〜、なるほど。

幸)まあ、当時アレンジャーって向こうの曲を早く仕入れて、誰が先にパクるかっていうのが流行ってましてね。

ばんばん)これ(笑)、五木さんってやっぱりジャンル的には演歌?

大幸)そうそうそう。

ばんばん)よく使いましたね。

大幸)ねえ。まあだから当時、アレンジャーとしては今アメリカで流行ってる新しい音を、うまくイントロを取り入れて持ち込もうという。

ばんばん)僕なんかも自分で後で聴き返してみるとね、「これ、これやん!」っていう。

大幸)そうそう、多いでしょ!?

ばんばん)元がよく分かったりしますね。

大幸)はい。

ばんばん)恥ずかしっと思ったりする(笑)

大幸)いや、まあそんなに流行ると思わなかった可能性があるんで、向こうの曲が。

ばんばん)あ〜、なるほど。

大幸)だから僕らもよく取ってたんですけど、あ〜先にやられたかみたいな。先にやられるとやれなくなるので。

ばんばん)そらそうやね、うん。

大幸)そういう時代だったんですけれどもね。

ばんばん)今もそれあるかもしれない。

大幸)そうでしょうね(笑)
 
ばんばん)というわけで、ばんばん&大幸の「オールディーズ・グッディーズ」あっという間に時間がきまして、最近はずっと映画の色々な音楽を聴いてますが、来週は?

大幸)来週はですね、「ウッド・ストック」を。

ばんばん)「ウッド・ストック」ね! 平和の祭典!
 
大幸)同じくヒッピー物なんですけど。

ばんばん)そうですね。多彩なアーティストが出てくるんでお楽しみに、という事で「オールディーズ・グッディーズ」お相手は、ばんばひろふみと、

大幸)長戸大幸でした。

ばんばん)それではまた来週まで、ご機嫌よう。

二人)さようなら。





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