OLDIES GOODIES #28_女性ヴォーカル特集パート2
ミュージックフリークマガジンいち押しラジオ番組♪♪♪ フォークシンガー・ばんばひろふみ氏と、音楽プロデューサー・長戸大幸氏が圧倒的な音楽知識と豊富な経験で、1950~70年代の洋楽を中心に多くのアーティストがカバーする大ヒット曲やここでしか聴けない激レア音源等を紹介してくれる「OLDIES GOODIES」をご紹介!
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ばんばん)今週も始まりました「オールディーズ・グッディーズ」ばんばひろふみです。
大幸)長戸大幸です。
ばんばん)もうこの季節になりますとポカポカしてきます。なんかすぐ外へちょっとね、お弁当でも持ってピクニックでも行きたくなってきますが、大幸さんはあまりそういう趣味はないですか?
大幸)まぁ、今この時期なんでね(苦笑)
ばんばん)あ、時期っていうのは、コロナ。そうじゃなかったら?
大幸)まぁ、色々やってますよね。
ばんばん)わりと弁当とか持って外に出るタイプですか?
大幸)いえいえ、弁当とかもうそういう時代じゃないですよね(笑)
ばんばん)弁当持って行くの、楽しみやないですか。
大幸)あ~、そうですか(笑)
ばんばん)はい(笑)。そんなのはいいんですけど、今日は先週言いましたように「女性ボーカリスト(パート2)」です。
大幸)はい。まずオープニングはいつものようにビートルズで。ポール・マッカートニーが曲を書いたメリー・ホプキンス(※注釈1)の『グッドバイ』からどうぞ。
大幸)この曲を近年ポール・マッカートニーが自分で歌ってるんです。
ばんばん)あ、そっか、デモテープみたいな形の。
大幸)そうそう、それを聴いてください。
ばんばん)僕これ聴いてて思うんですけど、ポールっていうのはもう湧き出るようにメロディが出てくるんじゃないですか。だから簡単に書いてるような気がするんですよね。
大幸)まあ、メロディ・メーカーという意味では、やっぱりビートルズの中ではナンバー・ワンですよね。
ばんばん)うん、そうですよね。
大幸)ところで、今回は、ばんばんさんが好きなアーティストの中に、平山みきさん(※注釈2)!
ばんばん)はい。まっ、僕の元嫁の話、曲ですけど(笑)。僕はずっとファンやったんですよ。で、彼女の「真夏の出来事」を聴いた時に衝撃を受けて、歌声にすごい惹かれて、ずっとファンだったんです。ところが、彼女コロンビアだったのが、僕が丁度CBSソニーにいた時に彼女もCBSに移ってきたんです。それでサインをもらって、ついでに電話番号も聞いて。教えなくてもいいのに教えてくれたんです(笑)。そっからまあ、付き合いが始まって結婚したんですけど、その時CBSソニーから最初に出した曲がこの「真夜中のエンジェル・ベイビー」。
大幸)あ~、なるほど。
ばんばん)付き合いだした頃ですから、こればっかり聴いてました(笑)
大幸)なるほどね(笑)。ではその曲を、平山みきさん「真夜中のエンジェル・ベイビー」をどうぞ。
ばんばん)彼女は筒美京平さんの秘蔵っ子でして、この時にその関係で京平さんと僕お会いできたりして、すごく良い曲をいっぱい提供してもらいました。
大幸)「熟れた果実」っていうのもすごくいい曲で。
ばんばん)これも僕、好きでした。
大幸)はい、では「熟れた果実」を。
ばんばん)なんかフィラデルフィア・サウンド(※注釈3)ですね。
大幸)スリー・ディグリースの世界。
ばんばん)そうです。スリー・ディグリースの世界ですよね、あの~僕ね、ま、もう別れてしまいましたけど、彼女のボーカルはもう今でも素晴らしいと思いますね。
大幸)そうですね。もし僕がプロデューサーとしてやってたら、ジャズをやらせてますね。こんな声の人なかなかいないので。
ばんばん)なるほどね。ジャズも彼女すごく好きだったんですけどね。
大幸)僕、アイドル・ジャズもやりたかったんで(笑)
ばんばん)あ~アイドル・ジャズね。なかったですね、そういう分野。
大幸)一応、秋本奈緒美みたいなのも作ったんですけどね。
ばんばん)あ~、美人系のね。
大幸)はい。まあそれでは、平山みきさんで一番有名な「真夏の出来事」を。
ばんばん)これ代表曲ですね。どうぞ。
ばんばん)改めまして今週は「女性ボーカル(パート2)」という事で、恥ずかしながら元嫁の歌を聴いていただきました。
大幸)平山みきさんに次いで私の方はですね、小松未歩という、彼女のまずはアニメ「名探偵コナン」のテーマになった「謎」という曲を聴いてください。
ばんばん)これは「名探偵コナン」のオープニング曲ですね。
大幸)はい。
ばんばん)この小松未歩さんは、どういういきさつで?
大幸)この子はですね、私の秘書の面接試験を受けにきた子なんですよ。
ばんばん)ほう、歌手じゃなくて?
大幸)そうなんです。で、秘書が先に一人決まったんで、そっちはダメだったんですけれども。ただね、一瞬の横顔が当時流行っていた葉月里緒奈にチラッと似てたんですよ。
ばんばん)はいはい、葉月里緒奈さんね。
大幸)後々スターになる子って、なんかね、どこか俳優さんに似た所があるんですよ。そういうこともあって、「もしかしたらこの子歌でも歌ってるのかな?」と思って聞いてみたところ「いやカラオケは大好きなんです」と。で「私、カラオケの曲はだいたい歌えます。」って言うんですよ。
ばんばん)へえ~。
大幸)今流行ってる曲をね。で、しばらく話をしているうちに「あ、これはもしかしたら作曲家になるんじゃないかな?」と思ったんです。それで「楽器弾ける?」って聞いたら、「いや弾けません。」と。で、楽器が弾けなくても、僕はいわゆるカラオケに詳しいというのが絶対作曲家に向いてると思うんですよ。
ばんばん)そうなんですか? へえ〜。
大幸)なんて言うのかな、楽器が上手い人の方が作曲家に向かない人が多いんですよ。
ばんばん)う~ん、それは楽器にとらわれてしまうということですか? 弾けなかった方が自由に発想ができるとか。
大幸)うん、まあそうなんです。それだけじゃなくてですね、例えば、もし自分の娘が局アナになろうという場合は、東京生まれ東京育ちだったらどこまでいっても絶対訛りは出ないですよね。
ばんばん)うん、ですよね。
大幸)それと同じで、彼女はカラオケの曲を大体歌えるって事は、カラオケに入ってる曲ってヒット曲じゃないですか。だからヒット曲は山ほど知ってるんです。ということは、ヒット曲を知ってる人が作る曲は、ヒット曲になるんですよ。
ばんばん)なるほど、そうやね。そこからしか出てけえへんわけやから。
大幸)とにかく楽器の上手い人っていうのは、東北弁を覚えたり関西弁を覚えたり九州弁を覚えたりするから訛りが入ってくるんですよ。だから楽器の上手い人は、訛りのいっぱい入ってる状態でポップスを作る場合が多いんです。結果、訛りが出てくるじゃないですか。
ばんばん)はは~、そうか。
大幸)だから彼女みたいに全く何もない人がもし曲を作れたら、楽器が弾けなくてもいいと。それで、キーボードを1つ買い与えました。キーボードって押せば音出るじゃないですか。「一個音を出しながら曲作れ」って。
ばんばん)ほう~。
大幸)ここにデモテープの時の作品がいくつかあるんですけど。彼女って今までに400~500曲書いてるんですよ。
ばんばん)え~!
大幸)それをWANDSだとか、色んな人に曲を提供し、その間自分のアルバムを4~5枚だか出してるんですけど、みんな100万枚くらい売れてるんです。
ばんばん)すごいじゃないですか!
大幸)そのかわりテレビもラジオも何も一切出なかったんです。
ばんばん)へぇ~。
大幸)なのに、それだけいったんですね。では、まずそのデモテープをいっぺん聴いてみてください。
ばんばん)すごいですね、ベース音だけで歌ってる。
大幸)そう、単音だけでね。だから、楽器が弾ける人に「こうやって曲作れ」って言ってみたいですよね。
ばんばん)やってみよ(笑)
大幸)これは難しいですよ、単音は(笑)
ばんばん)難しいよね~。
大幸)しかも転調してますから、転調なんてわかってないのに転調してるんです。
ばんばん)ですね、びっくりした(笑)
大幸)これでいくつか作らせてるうちに、結局ドンカマって後ろにリズムボックスを入れて、「少なくとも1音じゃなくて、2音抑えろ」と言ってリズムボックスで作らせました。たまたまその時にね、「名探偵コナン」っていうテレビアニメが始まったんですよ。半年くらい経ってたんだけど、その時に流れていた主題歌をたまたま聴いたらなんかピンとこなくて。それで小松にいっぺんコナン用に「謎」って曲を作らしたんです。そのデモをまずは聴いてみてください。
ばんばん)これ、指2本になると、和音になるじゃないですか。もともとハーモニー感覚もすごくあるんですね。それにどんどん成長していくのがわかりますね。
大幸)そうそう。で、これ、最初はどっかにある英語を持ってきて、嘘英語で作ってたんですけど、それを日本語にしろと言って。で、結局「謎」って曲にして読売テレビに持っていったんです。そしたら担当プロデューサーが気に入ってくれて、画を描く青山先生も気に入ってくださって。で、ついでに「スポンサーもやりませんか?」って言われて、「じゃあやります!」ってスポンサーにも手を挙げて。で、この曲をテーマソングにしてもらったんです。
ばんばん)へえ~、それでバーン行ったんですね!
大幸)まあそれが1997年くらいだったと思うんですけどね。で、その小松未歩さんの「謎」をトリビュートしているアーティストがいまして、早乙女花リナって言うんですけど。この人の「謎」もちょっと聴いてみて欲しいんです。
大幸)続いて、ちょっと聴いて欲しいデモがありまして。小松さんが1997~98年くらいに作った、「あなたを愛してくこと」になっているピアノ・ソロを1回聴かせてください。
大幸)これ、今から23年くらい前。シングル盤(のC/W)になった「あなたを愛してくこと」っていう曲なんですけども。このメロディがあいみょんの「マリーゴールド」と一緒なんです。だからと言ってどうだって事ではないですけども。まあ「マリーゴールド」あんなに売れましたから、やっぱり素晴らしいと思いますけどね。
ばんばん)あぁ、そうか。
大幸)まず、あいみょんの「マリーゴールド」を聴いてみましょう。
ばんばん)確かにこれは似てますね。でもだいぶ年代が離れてますよね。
大幸)そうなんです。だから、もちろん「マリーゴールド」の方が全然売れてますから、それらしいっていうか。まっ、元のメロディが似てるということですね(笑)
ばんばん)黄金の売れ線ですね、このメロディは。
大幸)そうですね。では、小松未歩が作った「あなたを愛してくこと」をちょっと聴いてください。
大幸)さて、今回、ばんばんさんが好きなもう1つ、ザ・ピーナッツ(※注釈4)。
ばんばん)この二人はもうね、僕らあんまりハーモニーってよくわからなかったけど、この二人を聴いた時のピッチとかすごいなと。
大幸)はい。宮川やすしさん作曲の「恋のバカンス」ですか、これはやっぱり素晴らしいですね。
ばんばん)うん、名曲ですよね。
大幸)まずはこれからでしょう。ザ・ピーナッツ「恋のバカンス」。
ばんばん)この前、BSでザ・ピーナッツの特集をしてて観ていたら、彼女たち「エド・サリヴァン・ショー」に出てるんですね。びっくりしました。
大幸)この作曲の宮川やすしっていうのは、本当は宮川泰(ひろし)なんです。
ばんばん)あ~、字が。
大幸)字がこれで「ひろし」って読むんですね。
ばんばん)読み方が同じでね。
大幸)僕らが勝手に宮川やすしって呼んでましたけど、本当は宮川泰(ひろし)さん(笑)
ばんばん)ふ~ん、そうなんだ。
大幸)で、この曲を当時のカテリーナ・ヴァレンテってイタリアかドイツか、あの辺にいた方が歌ってるのがあるんです。
ばんばん)この人わりと日本でも有名でしたね。
大幸)そうそう、日本語でもやってますし。まずその方の「恋のバカンス」を聴いてみてください。
ばんばん)向こうの人が日本語で歌うと独特の雰囲気がありますね。発音がね。
大幸)はい。この頃は、いわゆる外国人が日本語で歌う歌がすごく多かったんです。
ばんばん)あ~、僕結構好きでしたね。
大幸)例えばテレサ・テンさんなんかも。あの方も実は日本語全く喋れないんです。
ばんばん)へぇ~日本語喋れない!
大幸)そのわりには、日本語の発音すごい上手い。僕テレサ・テンの曲もやったことあるんですよ。
ばんばん)あ~そうなんですか。あの人ペラペラな感じがしてたけど。
大幸)いえいえ、もう全然喋れません。だからローマ字で書いたのを読んでるだけなんですけど。
ばんばん)それでよくあんだけ情感が。
大幸)そうなんです、素晴らしいですよね。で、カテリーナ・ヴァレンテか何かのきっかけ・・・、たぶんカテリーナ・ヴァレンテもピーナッツと同じワタナベプロだと思うんですけど。これがきっかけで、イタリアのサンレモ音楽祭に出るんですね。サンレモ音楽祭(※注釈5)で僕ら「夢見る思い」とか「頬にかかる涙」とか、あの辺をだんだん知っていくようになって。
ばんばん)はい、そうでしたね。
大幸)で、このザ・ピーナッツに「手編みの靴下」って曲があるんです。シングル盤にもなってます。
ばんばん)あ、これ知らない。
大幸)知らないと思います。では、その曲をちょっと聴いてください。
ばんばん)これはあの、園まり(※注釈6)さんの?
大幸)そうなんです。
ばんばん)「逢いたくて逢いたくて」でしたっけ?
大幸)そうそう。「また逢う日まで」と一緒で、作曲が宮川泰さんで。
ばんばん)歌詞だけを?
大幸)前の歌詞は、岩谷時子さんが作詞してたと思うんですけど、それを書きかえて、「逢いたくて逢いたくて」の園まりのヒット曲にしたんです。
ばんばん)僕ね、今このザ・ピーナッツの「手網の靴下」を聴いて、ちょっと合ってないなと感じました。僕らの思うピーナッツのイメージと。
大幸)あぁ〜。まあそうですね。
ばんばん)だから、園まりさんの方がぴったりだったんやね。
大幸)いやでもこれ、僕らはわかってますけど、今の若い人にはさっぱりわからないですよね(笑)
二人)(笑)
ばんばん)ごめんね、マニアックで。
大幸)「逢いたくて逢いたくて」。これで売れたんですもんね、園まりさん。
ばんばん)売れましたね、はい。
ばんばん)うん、やっぱりヒット曲ですね。
大幸)やっぱり歌詞が変わると全然変わりますよね。
ばんばん)で、歌い手も変わると違いますね。
大幸)これが「逢いたくて逢いたくて」っていう園まりさんの歌なんですけど、同じマリで、私が推薦したい歌手が、辺見マリ(※注釈7)さん。
ばんばん)辺見マリさんは京都の平安女学院で、あとサディスティック・ミカ・バンドのミカさんも。だから、当時、わりと知ってたんですよ。
大幸)そうでしたか。どうですか? 辺見マリさん可愛かったですか? ハーフの方でしたよね。
ばんばん)綺麗でしたね。
大幸)西郷輝彦さんの奥さんになったんですよね。
ばんばん)はい。
大幸)その辺見マリさんの有名な「経験」という曲をまず聴いてみたいと。
ばんばん)これね「へぇ〜やめて♪」でしょ、「屁はこかないで」(笑)
大幸)はい(笑)
ばんばん)いや、いいですね、色っぽい!
大幸)村井(邦彦)さんなんですけど、まあやっぱりすごいヒット曲になってはいるんですけど、クリス・モンテスの「愛の聖書」って知ってますでしょ?
ばんばん)知ってます、流行りましたね。
大幸)あれに似てるんですよ。
ばんばん)あ~、そういやそうやね。 ♪~Do you know~♪ってやつでしょ?
大幸)そうそう。だからまあ、これも大ヒットしてしまえば結局元はなんであれ、勝ったという感じなんですけど。
ばんばん)(笑)
大幸)クリス・モンテス「愛の聖書」、これもヒットしましたよね。では、それを。
ばんばん)ばんばん&大幸の「オールディーズ・グッディーズ」、今週は日本人の女性ボーカル特集(パート2)をお送り致しました。なかなかこうして聴いてみると奥深いですね。
大幸)はい。
ばんばん)でも小松未歩さんは残念ですね、もっと頑張ってやってれば。
大幸)いやまあ、彼女自身はもう表に出たくなかった人だったのでね。
ばんばん)なるほどね。ということで、あっという間に時間過ぎましたけど、来週は?
大幸)来週は、フランス、イタリア、ドイツへ行きたいと思います。
ばんばん)ヨーロッパをまわろうということですね。お楽しみに。という事で「オールディーズ・グッディーズ」お相手は、ばんばひろふみと、
大幸)長戸大幸でした。
ばんばん)来週までご機嫌よう。
二人)さようなら。
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