SARD UNDERGROUND 5th Sg「卒業式」(2023.2.22リリース)インタビュー
SARD UNDERGROUND通算5枚目となるシングル「卒業式」が2月22日にリリースとなる。C/WにはZARDの坂井泉水が歌詞提供したDEENの名曲「翼を広げて」「Teenage dream」、そしてZARDの36th Sg「瞳閉じて」のカバーを収録。
別れと出会いが交差するこれからの季節にぴったりな4曲を収録した新作について、メンバー3人に話を聞いた。
●今回の作品はC/Wも含め、卒業や旅立ちのシーズンに相応しい一枚になっていますね。
神野友亜(以下神野):卒業シーズンや入学シーズンにぴったりな曲が揃っていると思いますし、また入学や卒業がリアルタイムじゃない方でも、新たな春に向けて新しい気持ち、前向きな気持ちになれる曲が揃っていますので、ぜひ色々な方に聴いていただきたいです。
杉岡泉美(以下杉岡):卒業を迎える人、これから旅立つ人、新しい環境に置かれる人などへのエール曲が詰まった作品になりました。新しいことを始めたり、新しい場所に踏み出すのってちょっと不安じゃないですか。そういう時に聴いていただける曲がいっぱい入ってると思います。
坂本ひろ美(以下坂本):卒業を迎える方には勿論聴いていただきたいんですけど、送り出す側のちょっと寂しい気持ちだったりにも寄り添える作品になっているんじゃないかなと思います。この春進学する方、新入社員になられる方、上京する方、大切な人とお別れする方など、色々な方達の心に染み入る曲が揃った一枚になりました。
●確かに、旅立つ人に向けて送り出す側がプレゼントするのにも良い作品ですね。
杉岡:それすごくいいですね。送り出してくれた側の気持ちにも触れられて、頑張ろうって背中を押してもらえそう!
●「卒業式」というズバリなタイトルはインパクトがありますね。
神野:「卒業ソングをSARD UNDERGROUNDで作ろう」というところから制作がスタートしました。最初は「今日は卒業式だから」にしようかな?とか、その後に「今日は卒業式」や「明日は卒業式」など色々な案を考えていたんですけど、最終的に「卒業式」というタイトルになりました。
●ということは、最初にサビのフレーズから作っていったんですか?
神野:出来ていったのはサビ頭からじゃなくて、Aメロから順番に書いていきましたね。
●恋愛の心情も描きつつ、新しいことを始めたい人の背中を押すような内容になっていますね。
神野:最初は背中を押せるような歌詞にしたいと思っていたんですけど、書いていく途中で、“共感できるような、寄り添ってくれるような歌詞にしたい”と思い始めました。そこで、自分が思ったことのある感情だったり、不安な時に抱いてしまう感情などをメモしているノートを見返してみて、その中にあったフレーズを今回は結構使いました。
●具体的にどの辺りのフレーズですか?
神野:1番のABメロは全部です。
●ここは恋愛を想像させる内容になっていますね。
神野:日頃から、恋愛じゃないことから感じ取った感情も全部恋愛に置き換えてノートに書くようにしているんです。
●誰かを好きになる感情というのは、万人が共感しやすいですもんね。
神野:そうですね。そういう意味合いもあって、なるべく恋愛に置き換えるようにしています。
杉岡:私が「卒業式」の歌詞の中で一番共感したのは、“やらずに後悔するより やって後悔する方がいい 大切だと思った瞬間から「壊れやすい」存在になる”ってところです。ここが一番入ってきやすい歌詞で、自分自身にとっても大切なことだなって改めて気付かされました。
坂本:私も同じく、“大切だと思った瞬間から「壊れやすい」存在になる”ってフレーズが一番印象に残りました。その他にも、親しみやすいメロディの中に深い言葉がいっぱい入っていて、聴く度にもっと理解が深まる歌詞なので、ぜひ何度も聴いていただきたいです。
●神野さん的にはこの曲の中でキーになるフレーズはどこになりますか?
神野:2箇所あります。1つ目は、“なぜこんなに繊細に生まれてしまったのだろう 傷つくことを好んだわけじゃない 小さいままでいいかもしれない”という一番のA’’部分です。傷つくことで人って大きくなっていくじゃないですか。でも、傷ついた時ってどん底に突き落とされるかの様に、なかなか這い上がれないと思うんです。乗り越えることによって後から成長できると分かっていても、その状況にいると「私は小さいままでいいかもしれない」って前向きになれない時も絶対にあると思うんです。そういう感情に寄り添えるようにこのフレーズを書きました。
もう一箇所は、サビの“この先の人生は宝探し”です。ABメロで落ち込む時期を描いて、その先のサビでパッと明るく気持ちを切り替えられるように、“この先の人生は宝探し”というワクワクするワードを選びました。
●「卒業式」というと切ないイメージもあるのですが、今回の曲は明るいですね。
神野:最終的には「やっぱり明るい曲がいいかな」って決まったんですけど、実は最初はバラードでした。
●メロディは一緒で、アレンジを変えたんですか?
神野:いいえ、メロディも全く違う別のデモ曲で歌詞を書いていたんですけど、タイトルはこのまま違うメロディで書き直そうということになりました。しんみりした卒業式の曲よりも、明るくて背中を押せるような曲の方がSARDらしいかなという話になりました。
●レコーディングはいかがでしたか?
神野:メロディに対してどう歌詞を乗せて、どんな風に歌おうかって探るための、いわゆる詞ハメ用のレコーディングで歌ったテイクがそのまま作品になりました。だから一回しか歌っていません。
●日記を読んでいるような、誰かに話しかけているような、肩に力が入っていない歌声に聴こえたのはその影響もあるのかもしれませんね。
神野:そうかもしれないですね。個人的にはAメロがちょっと棒みたいに抑揚のない歌い方になっている気がするんですけど、長戸大幸プロデューサーは「棒歌いがいいんだよ」とおっしゃっていました。
杉岡:確かに棒歌いだから入ってきやすいというのはあるのかなって。ずっと聴いていられる歌声やなって思いました。
坂本:切々と歌い上げるよリも、ある種淡々と語るように歌っているからこそスッと入ってくるんじゃないかなって、今話を聞いていて思いました。
●ZARDの「君に逢いたくなったら・・・」も、それまでと違って声を張らずに話すような歌い方をしていますよね。それと少し似た印象を受けました。
杉岡:確かに!
神野:なるほど。今回も色々と勉強になりました。
●楽器の演奏はいかがですか?
坂本:乗りやすいリズムで、演奏していて自然と明るい気持ちになれます。ライブでも楽しそう!
神野:私たちの曲でサビ頭から始まる曲って少ないし、しかもこの曲出だしのSEからすごくワクワクするアレンジになっているんですよ。
坂本:頭にSEが入って、その後すぐサビから始まる構成、私も好きです。
神野:キタキタ〜!!ってワクワク感がありますよね。
坂本:そうそう、ライブが楽しみです。
杉岡:この曲、歌詞にある通り「桜色の時間」なんですよ、メロディが! だから自然と桜の中にいるのを想像しながら演奏できる曲です。
神野:優しいですよね。
杉岡:うん。
●C/Wでは、坂井泉水さんがDEENに歌詞提供した「翼を広げて」と「Teenage dream」、そしてZARDの「瞳閉じて」の3曲をカバーしていますね。
杉岡:まだライブやイベントでも一回もカバーしたことのない3曲を収録しています。
●C/Wの中で特に好きな曲はなんですか?
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