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OLDIES GOODIES #48_映画「アメリカングラフィティ」

ミュージックフリークマガジンいち押しラジオ番組♪♪♪ フォークシンガー・ばんばひろふみ氏と、音楽プロデューサー・長戸大幸氏が圧倒的な音楽知識と豊富な経験で、1950~70年代の洋楽を中心に多くのアーティストがカバーする大ヒット曲やここでしか聴けない激レア音源等を紹介してくれる「OLDIES GOODIES」をご紹介!

ばんばん&大幸の「オールディーズ ・グッディーズ」第48回(2021.8.28放送回)は、映画「アメリカングラフィティ」をピックアップ!
1950年代アメリカのロックがだんだんポップになり、アーティストがアイドル化していく中、初期の頃のロックンロールをやっていたアーティスト達はウケなくなり、リズム&ブルーズをルーツに持つ黒人達は仕事場としてイギリスに移っていくといった音楽の歴史なども説明しつつ、映画の中で流れる鮮やかなオールディーズの数々をご紹介。

Opening Music:10番街の殺人 / The Ventures

ばんばん)今週も始まりました「オールディーズ・グッディーズ」、ばんばひろふみです。

大幸)長戸大幸です。

ばんばん)大幸さんって車好きじゃないですか。でね、大体今大幸さんの家に並んでる車を見ると欧州車、ヨーロッパ車が多いじゃないですか。

大幸)はい。

ばんばん)そやけど僕らって若い時、アメ車に憧れませんでした?
 
大幸)憧れました。
 
ばんばん)買わなかったですか?
 
大幸)いや〜高かったんでね、当時は。
 
ばんばん)あ〜、はいはいはい。
 
大幸)だから外車って新車で買える身分じゃないから、中古になるとアメ車って持ちが悪いんですよ。
 
ばんばん)あ〜そうですよね、そいでものすごい燃費食うでしょ?
 
大幸)そうそう。
 
ばんばん)僕の友人がね、リンカーンのコンチネンタルに乗っててね。僕らまだバンバンってバンドやってる時で、彼が運転手をしてくれてて楽屋とか入っていくと、なかなか鼻高々でしたね(笑)
 
大幸)まあ黒人のアイドルでしたからね、リンカーンは。キャデラックとか。
 
ばんばん)はいはい。良かったですよね。マスタングでしたっけ? スティーブ・マックイーンが乗ってたの?
 
大幸)はい。
 
ばんばん)あれとかは乗りたくなかったですか? シボレー、コルベットとか?
 
大幸)コルベットは自分で乗ったと思います。
 
ばんばん)あっそうですか。どうでした?
 
大幸)ツードアで、スポーツタイプで、前が長くて。あまり前が長いんで、左右を確認するまでに前がだいぶ行っちゃってて危ないんですよね。細い道では。
 
ばんばん)やっぱりアメリカという所で走るように出来てるんでしょうね。
 
大幸)そうそう。前があんなに長いと相当前に出ないと左右から車が来たか分からないんですよね。だからあまり細い道に行けなかったですよね。
 
ばんばん)そっかー。ということで今日はですねそういう。
 
大幸)あ〜なるほど。
 
ばんばん)懐かしのアメ車がいっぱい出てくる映画!
 
大幸)そうなんです。今日は1973年でしたっけ?「アメリカングラフィティ」。ジョージ・ルーカス監督の。リチャード・ドレイファスたちがやってた「アメリカングラフィティ」ってのはオールディーズがいっぱいかかるんで。まずは「ロック・アラウンド・ザ・クロック」、ビル・ヘイリーと彼のコメッツから。

TR-1 ロック・アラウンド・ザ・クロック/ビル・ヘイリー・アンド・ヒズ・コメッツ

ばんばん)この映画はちょうどアメリカがベトナム戦争に、徴兵に取られる寸前の若者の、
 
大幸)まあそうですよね。この曲自体は1955年の「暴力教室」っていうグレン・フォードが出ていた、それの主題歌なんですよね。
 
ばんばん)あ〜今の曲ね。
 
大幸)この曲をきっかけに、『ロックのデビューはコレだ』っていう人は多いんです。
 
ばんばん)僕映像で見たんですけど、これアメリカのグループですよね。なんかイギリスへ公演に行った時にすでにビートルズみたいな人気があって、熱狂的に迎えられてましたね。
 
大幸)そうなんですよ。ちょうどこの後、56年か57年位からアメリカンポップスがますますポップになっていくんです。循環コードっていう、あのコードばっかりで。だからC、Am、F、Cばっかりの、「ダイアナ」とかああいう感じのポップになっていくことに対して、元々ロックってのは黒人の少年少女がいわゆる黒人だけの放送局を聞くんじゃなくて、白人の放送を聞いて、今度は白人の子供たちが黒人の放送局を聞いてたんですよ。それで黒人には黒人しか歌ってなくて、白人には白人しか歌ってなかったんだけど、当時人種差別がありましたから。そういうことで裏では聞いてたわけです。僕らもFENとか聞いてたじゃないですか。英語も分からないまま。
 
ばんばん)うん、羨ましかったですよね。
 
大幸)それと同じでプレスリーたちが出てきた時に黒人っぽく歌う白人が人気あったんですよ。ところが途中からポップスだけが純粋なものでなくなっていく。僕らGSの時もね、最初はロックだったんですよ。途中からスカートはいた男の子とか。
 
ばんばん)あ〜(笑)
 
大幸)それから(笑)、今でいうアイドルみたいな感じの、
 
ばんばん)ジャニーズみたいな。
 
大幸)ジャニーズじゃないんだけど、ジャニーズ系っぽい感じにだんだんポップになっていくことによって、元々とんがっていた連中は離れていったんですね。
 
ばんばん)なるほどね。
 
大幸)だからその辺でいわゆる初期の頃のロックンロールをやっていた連中達っていうのはイギリスでウケてたんですよ。
 
ばんばん)あ〜そうか、それがまあビートルズとかストーンズとかに受け継がれて。
 
大幸)そう。それといわゆるアメリカでロカビリーとか出てきた時に、それまで人気のあった黒人達もアメリカではウケなくなってきて、それで仕事場としてイギリスに行ったんですよね。イギリスではロックンロールが出てくる前のイギリスのポップスな状況とかR&Bとか、それから初期のあまりアイドルチックじゃなかったロックンロールをやってた連中がウケてたんですよね。
 
ばんばん)あの〜なんかヨーロッパって面白いですよね。例えばジャズもそうですよね、アメリカで一旦廃れたのがみんなフランスとかでまた息を吹き返してますよね。
 
大幸)うん。だからプレスリーも最初はロックだったんですよ。ロックンロールで黒人ぽかったんだけど、途中から兵隊へ行って帰ってきてから、「It’s Now or Never」とか「Return To Sender」とか、 「It’s Now or Never」は「オー・ソレ・ミオ」ですから。
 
ばんばん)はい、元々ね。
 
大幸)だからR&Bとかそういったもののルーツを持たない音楽にだんだんいっちゃって、プレスリーそのものがなんかロックじゃなくなっていく。そういう時代があったんで。
 
ばんばん)今日「アメリカングラフィティ」の中に入ってる曲ってのは、その辺のアメリカのゴタゴタが、
 
大幸)これもう大体ゴタゴタですよ。聴いてると。で、ビルヘイリーの1954年か、55年、これが一番古いくらいで、あとはもっと全部新しいですよね。
 
ばんばん)はは〜、なるほど。
 
大幸)まずその1958年かな、ザ・クレスツの「Sixteen Candles」って曲を聴いてください。

TR-2 Sixteen Candles / ザ・クレスツ

ばんばん)なんかね、その〜これアメリカの音楽ですけど、不思議なのはやっぱ胸キュンとくるじゃないですか。
 
大幸)はいはい。
 
ばんばん)これは何なんでしょう?
 
大幸)だからこの曲なんかは、R&Bのようなカントリーのような、カントリー&ウエスタンを当時向こうではヒルビリーって言ってましたけど。で、ロックのヒルビリーをロカビリーって言うんですよね。だから、ここからフォーシーズンズとか出てくる感じですよね。だからちょっとヒルビリーのようなポップな感じに、まあ歌謡曲だったら売れそうな、
 
ばんばん)ふんふん。さっき出てた循環コードがそういう作用が大きいんですかね?
 
大幸)そうでしょうね。当初はそうだったんですけど、だんだん循環コードってあんまりやると、飽きが来るほどポップなんですよ。
 
ばんばん)(笑)
 
大幸)いやいやホントに!
 
ばんばん)好きですけどね(笑)
 
大幸)だからビートルズ以降あまり循環コードの曲ないじゃないですか。
 
ばんばん)確かにね。
 
大幸)あの頃は全部循環コードだったんで。じゃあ次に「アット・ザ・ホップ」っていう、これ循環コードっていうよりもどっちかっていうと12小節のロックンロールの基本のブルースコードなんですけど、これのフラッシュ・キャディラック&ザ・コンチネンタル・キッズがやっているのを聴いてください。

TR-3 アット・ザ・ホップ/フラッシュ・キャディラック&ザ・コンチネンタル・キッズ

ばんばん)ウッドストックでシャナナってグループが、
 
大幸)はい、こんな感じでしたよね。
 
ばんばん)うん。あれリバイバルですよね。
 
大幸)だから今の曲も新しく録音しなおしたと思うんですけどね。この曲そのものは、ダニー&ザ・ジュニアーズっていう1957年に1位になった人の曲なんですよ。
 
ばんばん)あっそうなんですか。へ〜。
 
大幸)僕らはこっちの方が有名なんでダニー&ザ・ジュニアーズの「アット・ザ・ホップ」聴いてください。

TR-4 アット・ザ・ホップ/ダニー&ザ・ジュニアーズ

ばんばん)これ聞いてると、このずっと延長線上にビーチボーイズがありますね。
 
大幸)あ〜。これ、この頃ツイストとか流行ってたじゃないですか。あれの基本になる、マッシュポテトとか、いろんなものが流行ってた。
 
ばんばん)チャビー・チェッカーとかね。
 
大幸)うん。このダニー&ザ・ジュニアーズの時もちょっと黒かったんですけどね、この後くらいからポップスになっていくんですよ。あまりにも。で、同じこの頃にダニー&ザ・ジュニアーズのこの曲があまりにも売れたんで、パット・ブーンに弟さんがいまして、あのパット・ブーン。
 
ばんばん)あ〜そうですか。へ〜。
 
大幸)多分売り出そうとしたんだと思うんですよ。これがニック・トッドって言いまして、20位くらいまで上がったんだけど、ワンショットで終わったという。パット・ブーンの弟さんのニック・トッドの「アット・ザ・ホップ」、これ「踊りにいこうよ」ってタイトルついてるんですけど、これをぜひ聴いてください。

TR-5 アット・ザ・ホップ/ニック・トッド

ばんばん)この「アット・ザ・ホップ」でパット・ブーンの弟の話まで行っちゃうという。
 
大幸)いやパット・ブーンに似ててリズム感ないですよ、この人!
 
ばんばん)そんなんよく知ってましたね。
 
大幸)いやあの頃ねレコード集めていたら、彼のレコードも出てきたりしていたんで。当時からそういう変な情報だけ知ってたんですよ。
 
ばんばん)彼は全然日の目を見なかったですよね?
 
大幸)日本では全く見てません。
 
ばんばん)向こうでは結構?
 
大幸)いやそれは分からないですけど、20位くらいまで一応行ったんで。
 
ばんばん)あ〜そうですか。へ〜。
 
大幸)で、その頃ちょうど、今のは1958年くらいなんですけども、62年、61年頃にツイストが流行るじゃないですか。その中のジョイ・ディーとスターライターズ、これが62年頃だと思うんですけど、「ペパーミント・ツイスト」って曲があるんですよ。チャビー・チェッカーとかもやってたんですけど、この曲を聴いてください。

TR-6 ペパーミント・ツイスト/ジョイ・ディーとスターライターズ

ばんばん)この頃ね、大幸さんが言ったツイストとか、モンキーダンスとか色々ダンス、踊りと歌とか結びついてる曲が多かったんじゃないですか?
 
大幸)はい。多分ディスコだと思うんです。この頃から日本もディスコが。まあちょっと後にはなるんですけど始まるんですね。アメリカなんかはこの頃もう学生バンドが演奏しているところに学生達が踊って、そういうチャールストンとか、
 
ばんばん)こんなん、例えばツイストとか誰かが最初振りを考えるんですかね?
 
大幸)ツイストって別に決まってみんなで行動するわけじゃないんですよね。マンボなんかも流行ってましたね。マンボなんかは意外とみんなで同じ行動するんですよ。で、ツイストってのは自分であっち行ったり、こっち行ったりしないじゃないですか。その場で踊る。だからあまりぶつからないし、流行ったんだと思うんですけどね。
 
ばんばん)なるほどね。
 
大幸)で、このジョイ・ディーとスターライターズの「ペパーミント・ツイスト」を、チャビー・チェッカーもやっているので聴いてください。

TR-7 ペパーミント・ツイスト / チャビー・チェッカー

ばんばん)これチャビー・チェッカーって人は最初「ツイスト」という曲で出して、この人がツイストを有名にした?
 
大幸)はい。で、一年間くらいですよ、流行ったの。で、パッと消えていった。日本ではそんなに、チャビー・チェッカーってやっぱり日本受けする顔じゃなかったんですよね。
 
ばんばん)顔ですか?(笑)
 
大幸)いやいや、プレスリーとかあの人元々金髪だけど黒く塗ってたんで。顔も意外とハンサムだし。チャビー・チェッカーはまあ、日本受けはしなかった。チャビー・チェッカー見て「きゃ〜」って奴はあまりいなかった。
 
ばんばん)(笑)
 
大幸)で、1961年でしたっけ、デル・シャノンの「悲しき街角」。
 
ばんばん)これはもう大ヒットした。
 
大幸)これが日本のロカビリーの基本的な、「ダイアナ」とこの曲の2曲がやっぱり中心的な曲で、やっぱ良かったですよね。デル・シャノンの「悲しき街角」を。

TR-8 悲しき街角/デル・シャノン

ばんばん)これはデル・シャノンが自分で作ったんですよね?
 
大幸)そうです。で、この人1990年かな、自殺してるんです。猟銃自殺。で、なんで自殺したのか僕ショックで。なんかよく分からないですけどね。日本にも来たことあるし。昔ね。
 
ばんばん)そうか〜。
 
大幸)で、これベンチャーズ聞いたことありますでしょ?
 
ばんばん)ベンチャーズが一番、
 
大幸)やってたでしょ? ベンチャーズのドン・ウィルソンってリーダーがこの曲を歌ってたでしょ?
 
ばんばん)歌ってましたね。
 
大幸)そのレコードがあるので。これ歌デカすぎるんですけどね、バックに比べて。
 
ばんばん)あ〜そうですか(笑)
 
大幸)じゃあ、ベンチャーズの「悲しき街角」を。

TR-9 悲しき街角/ベンチャーズ

ばんばん)これベンチャーズ、演奏だけのバージョンも?
 
大幸)やってます。で、歌のバージョンも出してるんですよ。そんなに今聴いたら歌デカくなかったですね。僕自分で聴いたらデカかったんですけど。
 
ばんばん)うん。あの〜これデル・シャノンの間奏とか、ベンチャーズもそのままですね。
 
大幸)そうそう。
 
ばんばん)ということは間奏も含めてすごい出来上がってたんですね。
 
大幸)そう。あの〜やっぱりあれオルガンかなんかだと思うんですけど、あの間奏良かったですよね、確かに。
 
ばんばん)ですよね。印象的でしたよね。
 
大幸)この曲ってAmからG―F―Eって降りてくるでしょ。このバージョンでヒットした曲が何曲かありましてね。
 
ばんばん)あ〜、コード進行がね。
 
大幸)そうそう。後でかけますけどゼーガーとエバンスっていう1969年くらいかな、「西暦2525年」って流行るでしょ?
 
ばんばん)あ〜流行りましたね。
 
大幸)これもこのコード進行だし、それから1967年のザ・タートルズの「ハッピー・トゥゲザー」ってのもこのコード進行なんですよ。ちょっとこのコード進行でデモテープを作ってみたので聴いてください。

TR-10 「Am-G-F-Eのコード」デモテープ

ばんばん)うん、よく分かります。
 
大幸)これいわゆるラソファミって降りてくる。普通何コードとか言わないですよね。Amで降りてくるコードとか。毎回Amの時にE、Gの時にD、Fの時にCって、まあドミナントにいくと、これが「ホテルカリフォルニア」になるんですよ。
 
ばんばん)あ〜。これさっきの循環コードみたいのがあって、パターンに流行りがある?
 
大幸)うん。ですよね。これせっかくなんで今聴いた「西暦2525年」と、ザ・タートルズの「ハッピー・トゥゲザー」を続けて聴いてください。

TR-11 西暦2525年 / ゼーガーとエバンス
TR-12 ハッピー・トゥゲザー / ザ・タートルズ

大幸)次に「恋の特効薬」という「ラヴ・ポーション・ナンバー・ナイン」って曲。
 
ばんばん)これも一番ヒットしたのはベンチャーズ?
 
大幸)いやこれはサーチャーズ。
 
ばんばん)あっそっか〜。
 
大幸)あの〜、元々オリジナルはクローバーズだったと思うんですけど。1960年にクローバーズでヒットしてるんですよ。で、これをリバプールサウンドという全英からきた時のサーチャーズのバージョンが、、、最初聴いた時サーチャーズのオリジナルかと思うくらいかっこ良かったですよ。でもこれ元々はクローバーズでこれが映画にも使われているので。
 
ばんばん)あの僕なんかサーチャーズのオリジナルだと思いましたね。
 
大幸)そうですよね。ではまず、クローバーズの「恋の特効薬」聴いてください。

TR-13 恋の特効薬(ラヴ・ポーション・ナンバー・ナイン)/ ザ・
クローバーズ

大幸)で、僕一番好きな音楽、ナンバー1って言われると、サーチャーズの「ピンと針」なんですけどね、この「ピンと針」と同じくらい良かったのが「ラヴ・ポーション・ナンバー・ナイン」なんですけどね、これを聴いてください。

TR-14 恋の特効薬(ラヴ・ポーション・ナンバー・ナイン)/ ザ・サーチャーズ

ばんばん)このサーチャーズってグループですけど、さっきの「ピンと針(ニードルズ・アンド・ピンズ)」あれはジャッキー・デシャノンでしょ?
 
大幸)そうです。ソニー・ボノ。
 
ばんばん)あ〜そうですね。だから割とカバーがうまいグループ?
 
大幸)だからあの頃って他人のカバーばっかりやってましたよね。ビートルズもストーンズも最初は他人のカバーからデビューしてますから。
 
ばんばん)そうでしたね。
 
大幸)あまりオリジナルってことは考えてなかったんだと思います。
 
ばんばん)サーチャーズって結構エレキの12弦を使って、バーズのさらに元みたいなこと言われてますよね?
 
大幸)あ〜そうですか。どっちかっていうと、ドラムがボーカルをとってることが多いんです。この曲なんかもドラム、もちろんドラムがリードヴォーカルじゃないんだけど、ドラムが一番高い声をしてましてね。で、ヴォーカルがあまりいい顔してないんですよ。で、隣に居たサイドギターの男が井上順そっくりで。スパイダーズの。
 
ばんばん)へ〜。
 
大幸)彼がだんだん人気が出てきて、そのうちメンバーがいっぱい交代していって、ぐちゃぐちゃになっていくんですけどね。
 
ばんばん)あっ、そうなんですね。やっぱ顔ですね。
 
大幸)と、思ってますね。
 
ばんばん)(笑)
 
大幸)で、次に「涙のチャペル(Crying in The Chapel)」っていう、この曲も確か映画に入ってたんですけど、ソニー・ティル&オリオールズの「涙のチャペル」を聴いてください。

TR-15 涙のチャペル(Crying in The Chapel)/ ソニー・ティル&オリオールズ

大幸)この曲をエルヴィス・プレスリーもやってまして、それもヒットするんですよ。それが1965年かなんかで、3位まで上がる同じ曲なんですけど。「Crying in The Chapel」を聴いてください。

TR-16 涙のチャペル(Crying in The Chapel)/ エルヴィス・プレスリー

ばんばん)これは売れたんですか?
 
大幸)いや、なんていうかな、最後の方ですねプレスリーの。この頃はビートルズが出てきたんですよ。
 
ばんばん)はあはあ〜。
 
大幸)これ僕好きじゃなかったんですけど、プレスリーが意外と初期のR&Bっぽいものがだんだんなくなっていって、特にビートルズが出てくる寸前の曲で「悲しき悪魔」って曲があるんですね。ただしこれはプレスリーのことを考えるとアレなんだけど、曲の企画はすごくいいんですよ。ちょっと英語なんですけど、聴いて欲しいんです。
 
ばんばん)はい。

TR-17 悲しき悪魔/エルヴィス・プレスリー

ばんばん)かっこいいですよね〜。
 
大幸)かっこいいんだけど、「あなたは天使のようだ。歩く姿も。喋る姿も天使のようだけど、でも付き合ってみたら悪魔のようだ」って言ってて、これを聴いた時にですね、ちょうど同じ頃にクレイジーキャッツの「ハイそれまでョ」って流行るんです。似てるんです、これが。どっちがどっちってのは別として。
 
ばんばん)へ〜(笑)
 
大幸)それを日本語にして、まあもしかして植木さんの方が先かもしれないけど、ちょっと似てるんで。
 
ばんばん)(笑)

TR-18 ハイそれまでョ/クレイジー・キャッツ

大幸)なんか似てるでしょ?
 
ばんばん)しかし、よくここを結びつけますね〜。
 
大幸)いやいや同じコンセプトだと思うんですよ。
 
ばんばん)コンセプトは分かりますね〜。
 
大幸)これがね、日本の方が発売が早いんですよ。だから日本のを真似たのか、アメリカのテスト盤かなんかを聴いてやったのか分からないんだけど、これはどっちがどっちってことじゃなく同じ時にこういう似たようなコンセプトのようなものが出てきたので。この真似をしようと思ったんだけど、なかなかこの2曲が強力すぎて。真似ができなかったんですけどね。
 
ばんばん)そうですか〜。いやいや恐れ入りました。ありがとうございました。
 
大幸)いえいえ。
 
ばんばん)ということで、来週は何行くんですか?
 
大幸)来週はオードリー・ヘップバーンの「ティファニーで朝食を」。
 
ばんばん)お〜ヘップバーンね。ぜひ楽しみに来週を待ちたいと思います。ということで「オールディーズ・グッディーズ」、お相手はばんばひろふみと、
 
大幸)長戸大幸でした。
 
ばんばん)来週までごきげんよう、
 
二人)さよなら。


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