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【伝言ゲーム】

 小学生の頃に体育館でやらされた記憶のある伝言ゲーム。10人ぐらいの列でやらされてたと思うんだけどこれがなかなか上手くいかないんだよね。というか『やらされていた』と書くのは間違いなくこのゲームを自発的にやったことはないからなんだけど。50文字程度の文章でもそのまま伝えるのって本当に難しいし、途中で故意に内容を変えてふざけるやつもいるし、こんな簡単なことでも集団でやると難しくなるんだなって今更に思うよ。

 社会に出るとこの伝言ゲームってのが日常的に行われているってことに気がつく。というかこの社会は伝言ゲームだ。いや、それはさすがに言い過ぎかもしらんが。
 兎にも角にも仕事場だったり、コミュニティ内での噂話だったり、SNSだったりネットの切り抜きだったり、正しく伝言ゲームをクリアしようとする人たちとそれを邪魔する人たちとの戦いがあったり、どうしてもうまく出来ない人がいたり、それを補おうとする人がいたり、ほらなんだかまわりを見渡したらそんな風に見えてこない?1on1でも言いたいことが相手に伝わらないことって多々あるよね。

 文章をそのまま伝えるだけでも難しいのに、その意味や意図を明確に的確に正確に伝えていくのって本当に難しいと思うし、いろんな企業や団体がわりとそれで失敗しているように見える。
 フリーター時代にバイトしてたファーストフード店で、そこはドライブスルーのオーダーが入ったらモニタにその内容が出て、全部揃えたらそれを消すってシステムだったんだけど、そのオーダーから消すまでの平均時間がデータで残るから、それを全国で競い合って良い成績のお店は表彰するみたいなイベントがあったのね。
 たぶん地球で1番大きなハンバーガーチェーンなんだけど、本社の意図はとにかくテキパキ動いて早く品物を揃えろってことだったと思う、うちの店の店長もそう理解してたし、けど店長に良いとこ見せたいマネージャーの人は違ったの、そういう風に伝わらなかったの。そしてその人は品物を全部揃える前にオーダー内容を記憶したらすぐにモニタのオーダー消すようになったのさ。
 まぁなんとなく気持ちは分かるけど、さらにそれを他の人にも強要し始めた頃には流石にやばいなと思って注意したよね、下っ端のくせに。だって明らかに入れ忘れや入れ間違いのミスが増えてたから、そんなの本末転倒じゃない。
 けど店長を含めてのミーティングみたいな仲裁みたいなケンカみたいな空気のアレになったとき、その人はその人なりにお店のためにやってることだって主張して一歩も引かなかったよね。
 あ、本当に真面目に真剣に真っ直ぐ実直にダメなんだなこの人って思ったもの。この人には本社の意図ってのが全く通じてないないんだってね。

 つまりなんだけど、上手くまとまらないかもだけど、明確で的確な指示を正確に伝えたとしても、その意図が確実に伝わるという保証はないってことね。そんな感じで良い?
 リアル社会の伝言ゲームは難易度ハードモードなの本当に。だから一般常識とかいう曖昧な言葉に騙されないよう注意して、実はそんなものないんだから。

 子供の頃にもっと伝言ゲームやっときゃ良かったよ。


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