コンビニコーヒーマシンのデザインから考えるデザインの真の役割
Books&Appsを見ていたら「デザインの敗北」といったテーマの記事を発見。「なるほど確かに」と納得感あふれる内容でした。
セブンイレブンのコーヒーマシンのRとLの違いが判別できずテプラが貼られまくったり、ローソンのPB商品の薄ベージュのパッケージで中身が何か判別できなくて困る、といった事例を紹介しながら、著名なデザイナーが携わっているのにこんなことが起こるのか考察が掲載されています。
要するにデザインをビジュアルイメージとして見ているかユーザビリティと見ているかの違いであると説明されているわけですが、これは疑いようもなくその通りだと思います。本文にも書かれているように、デザインとは目的を達成するための手段であるわけで、それは決して「見た目をよくしてかっこいい印象を与えること」ではないわけです。
なので、経験の浅いデザイナーが経験不足ゆえに、アーティスト思考のデザイナーが自身のクリエイティビティを最優先したりして、結果としてビジュアル寄りのアウトプットを出してしまうこともあるんだろうなと思います。
ちなみに、この手の話題で最大の疑問はセブンイレブンのコーヒーマシーンです。このコーヒーマシーンをデザインしたのは佐藤可士和さん。言わずとしれた超有名なデザイナーです。私は佐藤可士和さんのデザインが好きで、ユニクロやTSUTAYAなど、様々なロゴやビジュアルアイデンティティには感銘を受けたものです。そんな彼が手掛けたコーヒーメーカーがなぜこんなにも使いにくいのか不思議でした。
そんなある時、このコーヒーマシーンについて佐藤さん本人にインタビューしている記事を発見。このように語られていました。
佐藤可士和さんファンの私でもさすがに無理があると感じちゃいました。大きくわかりやすい文字ではプレミアム感は表現できなかったと言っているのと同義ですし、50億杯を突破したことを成果としてアピールしていますが、それはセブンイレブンの販売力と商品力がベースであって、デザイン”だけ”のおかげではないわけです。なんだったら、デザインがよければ60億杯に達した可能性だってあるわけです。
ということから考えると、どれだけ名の通った有名なデザイナーであっても領域や業界によって得手不得手があるんでしょうね。それゆえ、デザインを依頼するクライアントは、相手がどれだけ著名なデザイナーであってもエンドユーザーのマインドを持って正しくGo/NoGoを出すことが大切なんだろうと感じました。
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