【連載クマ先生の労務相談】第6回「業務上の注意がパワハラにあたるかについて」(ねっとwork3月号抜粋)

人事担当:
クマ先生----!うちの若手社員Aが上司にパワハラされたと言って人事に駆け込んできました・・・Aさんからはとにかく「今担当している仕事で 、上司にパワハラを受けた」としか聞いていません。

クマ先生:
なるほど。ハラスメントの対応は初動がとても大事です。迅速にそして冷静に対応していきましょう。まずは双方から、ハラスメント云々というのは置いておいて最近の状況を聞いてみましょう。

人事担当:
(両者からのヒアリング後)よくよく二人の話を聞いてみたところ、Aさんが不注意でお客様に迷惑をおかけしたそうで、上司の方が少し強めに注意をしただけだったそうです。Aさんも話をしていくうちに自分の不注意だったと反省しているようでした。
上司の方も少し強く言い過ぎたと反省してるようです。一旦いつも通りに仕事してもらうように言ってあります。少し様子を見てみます。
(数日後)私も同席で、上司の方とAさんでお話して頂き、お互い納得の上で解決に至りました。ありがとうございました。

それはよかったですね。パワハラの定義は、職場において行われる
(1)優越的な関係を背景とした言動であって、
(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
(3)労働者の就業環境が害されるものであり、
(1)から(3)までの3つの要素を全て満たすものをいいます。今回は、少し強い言い方ではあったものの、業務上の必要な注意。Aさんも反省して良好に仕事に向かえているので客観的にみてもパワハラには該当しませんね。

ついついハラスメントと聞くと慌ててしまいますが、対応を冷静に行わなければ、関係した社員さんの今後の就業や、職場風土に大きな影響を及ぼすことになります。特に、今年(令和4年4月1日)は中小企業のパワハラ対応に関して下記が義務化されますので会社の体制を整えていきましょう。う。
◆事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
◆相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
◆職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
◆そのほか併せて講ずべき措置
・相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、その旨労働者に周知すること・相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること

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