2022年(令和4年)新入社員は「新感覚の二刀流タイプ」(ねっとwork5月号抜粋)

2022年(令和4年度)新入社員の傾向の調査結果として、産労総合研究所が「新感覚の二刀流タイプ」と発表しました。
5月連休が明け、新入社員達にも慣れない社会人生活の疲れが出始めている頃かもしれません。職場の先輩達も手探りの育成に取り組んでいることと思います。
「新人育成」はいつの時代も、職場にとって一大イベントといえますが、今回はその特徴とともに、職場における「働きがい」向上についても考察します。

「新感覚の二刀流タイプ」とは

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、大学・後半期にさまざまな活動制限を受けた今年の新入社員。
インターンシップや就職活動を、対面とオンラインの2つのスタイルで二刀流のようにこなして、入社式を迎えた。
しかし、就活中に職場の雰囲気や仕事に関する情報が得にくかったこともあり、入社後は、思い描いていたイメージと実際とのギャップにとまどいそうだ。先輩社員は、これまでの新入社員とは異なる新感覚(オンライン慣れ、対面コミュニケーションの不慣れ、配属・勤務地へのこだわり、SDGsへの興味、タイムパフォーマンス志向等)や未熟にみえる言動を受け止めたうえで温かく交流し、1人ひとりをみつめた育成支援をしてほしい。そうすれば、才能が開花し、環境変化にも適応できる「リアル二刀流」になっていくだろう。

「新感覚の二刀流タイプ」と形容される新入社員の目には、入社後の仕事、職場はどのように映っているのでしょうか。職場でOJTにあたる先輩社員は、その意識や感覚を理解できず、時に頭を悩ますこともあるかもしれません。

「働きがい(ワーク・エンゲイジメント)」

令和元年版「労働経済の分析」(厚生労働省)では、雇用、労働環境に関する課題を総合的に分析し、「働きがい」(ワーク・エンゲイジメント)の向上に言及しています。

また、白書では、新入社員の定着率の上昇、従業員の離職率の低下と、この「働きがい」の正の相関関係も指摘しています。
新型コロナウィルス感染症の影響下で学生生活、就職活動に制限があった彼らにとっては、入社前に思い描いた仕事とのギャップは大きくなる懸念もあります。新入社員がそのギャップに悩み、不満をもった時、その声をきき、じっくり向き合って粘り強くコミュニケーションしていくことが重要と考えます。
単に、知識・スキルを習得させる、短期的な成果を求めるのではなく、彼ら自身の「活力」「熱意」「没頭」を引き出す関わり方がより求められているのではないでしょうか。

「二刀流」の成長、活躍と、企業の成長

ところで、「新感覚の二刀流タイプ」という言葉からは、並外れた感覚や個性への大きな期待も伺えます。
新入社員に限らず、人材の多様性が、企業の利益性、生産性に好影響をもたらすことは既に実感として広まりつつあります。彼らの成長、活躍を期待しながら、粘り強く、人材育成と職場づくりに取り組んでいきたいと考えます。

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