フロイト先生に笑われそうな話
こんにちは、こんばんは、おやすみなさい、おはようございます。
筆が止まって早数年、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
今回、折れた筆を滾らせるようなリビドーが沸き上がった経緯として、
仕事に手が付けられないくらい、ビックリするような夢をみてしまいましてね。
アラサーにもなってこっぱずかしい限りなのですが、推しが、夢に現れたんです。さらにさらに、彼女と逢引していたのです、私が。
自称、アナタの壁になりたい性質のオタクとしてはビックリ仰天。
このトンデモ出来事を内々に抱えて悶々と過ごすよりかは、一発晒してしまった方がスッキリするという思考に至ったワケです。
ということで、本邦初お披露目、まさか自分が書くことにはなると思ってもいなかった夢物語の幕開けでござい。
なんで夢の中ってああも上手く走れないんですかね
気が付いたとき、私はすでに急いでいました。
待ち合わせの時間はとうにすぎており、兎角、私は走って彼女のもとにかけつかねばならない。走らねばという強迫観念で、その時は、事のおかしさにまったく気が付かなかった。
空は心内を現したかのような曇り。彼女と会える嬉しさと、現在進行形で遅れていしまっている、焦燥感のマーブル模様。なんなら小雨が降りだしているあたり、気持ちはマイナスまっしぐらなのだろう。
上手く動かせない手足をばたつかせ、一枚羽織ったジャケットの暑さも物ともせず、私は一直線に、洋館のような建物に突入していく。建物は、商業施設のようであった。様々なテナントが入り、ショッピングを楽しむ者や、カフェで語り合う人々が見える。少なくとも、私はその建物に入るのは初めてだ。記憶の中にはさっぱり存在しない、見覚えもない。現実に存在するどの建物にも該当しない。私の頭が、このデートのために即席で作り上げたお膳立てがこれであると思うと、なんとも陳腐な想像力に呆れてしまう。
私は一心不乱に建物の一点を目指した。道中学生時代の知り合いの顔がちらほら見え、「うわ~デートのために走り回ってる姿みられんのハズ~////」という感情をぐっと奥歯で噛みしめながら、初めて訪れたところにもかかわらず、地図を確認することなく、どこに向かって走ればいいのかを熟知していたようだ。
木製の扉を勢いよく開ける。イメージ的には洋館の勝手口を思ってもらっていい。私は外に、そこの中庭なのか、なんなのかはわからないが、その先に見える一軒の建屋をみる。その時、私はこれから誰に会いに行くのかを今一度噛みしめる。なんでこんなことを夢見てしまったのか、恐れ多いにもほどがある。自分はこれから、"樋口楓"とデートをするのだ……
私が幻想した樋口楓
樋口楓、にじさんじ所属元1期生、兼、Lantisにて活動をするバーチャルライバー。「VR関西に住む高校2年生。長身でスタイルも抜群。 幼い頃からトランペットが好きで、現在は吹奏楽部に所属している。 オシャレをすること、猫と暮らすことが生きがい。 好きなものについてもっと知ってほしくて、ライバー活動を始めた。」
(原文ママ:参照URLhttps://www.nijisanji.jp/talents/l/kaede-higuchi)
今年の2月にて活動5周年を迎えた、自称:性別アビス、私は最近イロドレ・ファッショニスタにハマってる(MV:https://youtu.be/jQXwE8hxets)、2億だが5億だか積まれれば結婚考えるかぁ、な彼女に、今から会うのだ。一ファンである、私が。
馬鹿なんじゃない?そんな、"気になる子とデートする"なんて夢、青春を生きるティーンエイジャーでさえ赤っ恥な夢を、このアラサー独身が経験するなんて。フロイト先生も爆笑どころか、あまりの虚しさに失笑されるんじゃないかと、起きた瞬間、手頃なロープがないかと探してしまった程だ。
夢の話に戻ろう。彼女が待つあの建物を、一階がカフェになっているあの小洒落た場所を視認したとたん、私がこれから会う人物が樋口楓なのだと、雷に打たれたような衝撃が脳内を駆け巡った。
その稲妻が、私にいたってマトモな思考を呼び起こす。遅れているのに連絡してないじゃん。どうして私が彼女の連絡先を知っているのか、それもLINEの、疑問を抱いて立ち止まるより早く、私は小走りにスマホを取り出した。当然、LINEのアイコンには通知数を示す赤い数字が灯っている。モラハラを自称し、にじさんじ内でもおっかねー姉御として認知されている(参照URL:https://youtube.com/shorts/g8IJwq3nI_w?feature=share、https://www.youtube.com/live/VFNB7lBMqEA?feature=share&t=3300)彼女の事だ、とんでもない罵詈雑言が書き込まれているだろう。こっちの人格がボロボロになることは前提、それでも詫びの一つでもいれないと、その後どうなるかわからない。意を決して通知欄をタップしトークを開く。しかし、そこにあったのは悪辣な放送禁止用語ではなく、なんとも病に病まれた言葉たちだった。
「まだなの」「合わないの」といった、配信で見せるような彼女らしくない言葉が刻まれていた。そのような言葉が5,6個送られていたが、とどめを刺したのが「あそんでるの」であった。
そんな殊勝な事があるのだろうか。なんだその、「罰ゲームで告白されてるいじめられっ子」みたいな一文は。頭の中花畑かよ。いや、それが私が夢見た彼女の実像ということになるのだろう。不敬だ、あまりにも不敬だ。今すぐ自身の腹を捌き、その臓腑をもって償うべきであろう。
しかし、夢中な私は「あいたい」とだけ返して、再び彼女が待つあの店へと走り始めた。
みなさん、これがアラサー男が夢見たイケてる自分です。いま、これを打ち込んでいるモニターは顔面から放たれた炎に包まれています。
私にお相手ができない理由が、よくわかりますね。
で、ここからが本番です。
私は息も絶え絶えにお店につきました。彼女は既に店内にいるようです。普通に考えれば、帰ってしまっていてもおかしくないのに、彼女は必ず待ってくれているという謎の自身に満ち溢れていました。馬鹿です。
店の扉を開け、カランコロンとベルが鳴ります。店内は純喫茶というよりかは、過度な装飾のない落ち着いた木造カフェでした。カウンターの奥でマスターが豆を挽いてそうな、キラキラよりかは仄かに暖かい光を灯す、古き良き雰囲気でした。この辺りは完全に私の趣味嗜好が反映されています。流石私の夢。
フロアは広く、多くのテーブル席が並んでいましたが、客入りはわかりません。なぜなら、入った瞬間、席にたたずむ樋口楓その人にしか目がいかなかったからです。
特徴的な銀髪はそのままでした。普段のポニーテールとは違い、結わずにおろしていましたが、現実にあるウィッグの白とは異なる、光り輝く銀髪でした。私服はHICUCCIとかヤンキーとか言われている人とは思えないくらい清楚で、白のブラウスに黒いショールをかけている感じです。座っているのでわかりませんがおそらくロンスカ。とも書く白黒のツートンシックな美人が私を待ち構えていました。
一目散に彼女の席へ駆け寄り、まずは遅れてしまったことへの謝罪の言葉を投げたと思います。間近でみる彼女の美貌に心打たれて、詳細な言葉は覚えていません。ただ、そんな大罪人の私にむかって、彼女は微笑みながら「気にしてない」「あえて嬉しい」的な言葉を送り、挙句の果てに「(本名)ちゃん、かわいいね」と言いました。
みなさん、よく覚えておいてください。これが私の深層心理が求めている言葉です。■シテクレ、■シテクレ……
とっさに私は、お返事とばかりに彼女の美貌がいかに優れているかを喋ります。ここで、彼女の姿をまじまじとみつめると、今、目の前にしているのが画面越しの君ではなく、同じ3次元に息づく姿であることを認識します。夢だけど。
髪の毛はありえないくらい美しく、一本一本がまるで絹のようでした。肌だってきめ細やかでなめらかで、モニター内のテクスチャでもポリゴンでもない、化粧で飾られた綺麗な頬だったことを覚えています。
瞳だって、いつもの紫色のカラコンではなく、黒い大きな瞳に吸い込まれそうな、美しいマリンブルーをしていました。
その瞳の美しさを褒めたたえたところで、この幻想の霞を捉えたのです。
目の色、違くね。
目覚め
本物の彼女の、良すぎる顔面をみつめてみましょう。その瞳は紫ですが、どこかの配信でいってましたが、それはカラコンらしいです。
私の好きなMVに「FRONTIER」があります(https://youtu.be/AwHTmrSZh-Y)。
MV中に登場する黒髪の少女、瞳が茶?オレンジ?から紫に変わるのですが、そのあたりの変化が小生はたいそうお気に入りなので。何が言いたいかというと、樋口楓の瞳は紫ではないのです。たしか茶色寄りというか、一般的な日本人と同じ色であるということです。
それが、青?
おまけに、一ファンに会って、かわいいとかのたまって、個別のトークイベントでテンパって全然喋れない私とデート????
思ったように動かない手足、見たことも行ったこともない土地、なぜかいる知人、ありえない人物との対面。積もり積もった違和感が、クモの糸の如く、唯一解へと導いてくれます。
このまま微睡の淵で、泡沫に写る偶像を眺めていてもよかったのかもしれません。が、それを許すほど、私の矜持は曲がっていません。
解釈違いな夢を、抱くことなかれ。
その瞳の色を最後の景色として、私は目覚めました。
人の感情ってものは切り刻んで解析しないとね
で、目覚めたんですよ、昨日の朝。
いや、仕事中あの微笑みが忘れられなくて忘れられなくて。
忘れないように打ち込んだツイートの下書き、見ます?
あれは自分が望んだ樋口楓の姿であって、本物の樋口楓ではない。
あんなものを望んではいけない。
でも、自分だけに向けられたあの笑顔、忘れたくね~~~
で悶々としたあれこれを、いまここでベーションしてるわけです。
ここからは、弁明です。
ただただ、童貞が拗らせた挙句の夢であるという結末でいいはずですが、弁明させてください。
まず、推しが夢に出てくるというのは初めてではありません。過去に二回ほど、月ノ美兎が現れたことがあります。一回目は、実は中の人が50代でなんか普通にテレビでてましたって話。二回目は通話で上がいいか下がいいかみたいな、クソ下世話な話をしてました。
ギャグなんよ、ギャグで済むのよ。私にとって委員長とはそういう存在なのでしょう。直接通話も、まぁ企画の一環みたいなものなので、完全プライベートで会うことなんてまずないんだろうな。推しと私との関係はそれでいいのです。
対して、樋口楓のこの境遇……ガチやん。
私は、決してガチ恋勢ではありません。どのVに対しても、そのような感情を抱いたことはございません。天地神明に誓って、これは確かです。
では、何故こんな夢をみたのか。何故、ゴットねーちゃん(https://youtu.be/Z4fhDAoMu28)こと樋口楓に乙女性を求めたのか。
理由は考えられます。この夢をみる前の晩、すなわち5/25の夜、なにがあったのか。マナーバトラーの配信……ではなく、リゼ・ヘルエスタ様の誕生日逆凸配信(https://www.youtube.com/live/VjX9nkW1uPM?feature=share&t=5800)です。
i'sやらにじ甲での絡みのあったお二人なんで、まぁ出てもおかしくはないかと。リゼ様というと、美兎さんとの絡みを連想しますが、にじ甲での、ヘル甲は予選で唯一V西に勝っているのだから自信持って、と称える話、好きなんですよねぇ。
で、この配信のなにが原因って、この時のでろーんの声、めっちゃ可愛くね?なんでしょうね、配信者として普段リスナーに向けた声とちがって、一人の女性として友人と話している感覚。いつもより、実在性というか、隣人感のました話し声。
ああ~~~好き。
自称2.9次元の存在である樋口楓。私はね、その樋口楓の等身大の姿であるところに惚れたんですよ。17歳から5年の活動を経て、17歳になった彼女ですが、その時の経過と共に見せてくれる、ありのままの彼女。
配信者、アーティストとして、”樋口楓”を見せてくれる一方で、確かにこの世界に存在する実像の彼女。あの日、夢を語った彼女から、今の彼女にしかと地続きで繋がっている事。
ああ~応援した~い。
加えてですね、彼女の人間性として、内気であった話。度々すげー人見知りでなんか怖そうにたたずんでいるとか、以前は事務所に突っ伏して寝てる話とか、そんな印象のパワーエピソードが有名ですが。そうじゃぁない。アンサーソング(https://youtu.be/rQN6mQpTAog)を聞け。そうすればわかる。明るいばかりが彼女の人間性ではないのだ。ポジティブもネガティブもひっくるめて、その感情をまとめて樋口楓なのだ。
人のネガティブさを拾って好きだとか言うと、たいそう悪い人に見えますが、いや別にいい人ではないんですけど、そういった配信上では見せない一面を勝手に想像して好きになっていたのが、自分だったてことです。
というわけで、普段見せないようなクッソ可愛い声を浴びせられたその夜に、その解釈が圧倒的に性癖に刺さりまくった結果、脳内に投影されたのがこの夢の中の樋口楓なのです。
証明終了です。私はガチ恋ではありません。たまたま樋口楓の好きな部分を配信で過剰摂取した結果、オーバーロードした脳が投影した産物です。私の深層ではありません。ありのままに起きたことを受け止めきれずに、昇華しようとした結果このような形で出力されてしまっただけです。
本当にデートしたかったとか、クッソ乙女チックで殊勝な彼女を求めているわけではありません。頼むからそのままでいてくれ、樋口。
おわりに
ひとしきり語りました。これで、あの夜、あの夢に現れたでろーんはここに封じられました。もう私の脳内にあらわれることはないでしょう。
スッキリしました。賢者の面持ちです。
自分が気取っていたオタクとしてのスタイルが、深層心理にNOと言われるのは大変恐ろしい面持ちです。それでも、心が違うといってても、自分が目指す方向に舵を切ろうと抗う姿は、ちょっと美しいのではないかと。
自分なんて存在は、理想の自分とはえらくかけ離れているものであって、その差を埋めるために必死に藻掻く姿を、褒めたたえてあげてください。
自分語りは気持ち良いですね。
またリビドー沸いたら爆発させようかと。
抱えるくらいなら、恥を忍んで晒した方が良いものもある。
それが特級呪物をばら撒くことになったとしても……
それでは、機会があればまたここで。
See You, Have a Good Night.
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