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東南アジア横断日記④

2020年1月23日(木)

バンコク滞在が楽しすぎて日記の更新が滞っていた。どこまで書いたんだっけ……。

バスがラオス・パクセーの街に着いたのは深夜の2時半頃であった。14時にベトナム・フエから出発し乗り換えて遥々(といっても距離的にはそんなに遠くない)やってきたが外は野犬だらけで当然野宿できるような状態ではない。フエから同じバスに乗ってやってきたいつもやたらベタベタしている白人のバカップルに誘われてソンテウ(トラックの荷台を魔改造して座れるようにしたやつ)に乗り街の中心部にやってきた。奴らは翌日ホテルに予約しているためそこに行くらしい。宛もないので着いていくことにした。

ソンテウはランカムホテルというホテルの前に到着した。バカップルはドアを叩いてフロントのお兄ちゃんを叩き起こして無理矢理チェックインしていた。予約はしてなかったが便乗してチェックイン。14ドルでエアコン付きの部屋に入った。まあ滞在時間は4時間程度だったがシャワーを浴び、携帯を充電して、日本から持ってきた雑炊をコイルヒーターで温めて食べて身体を休めることができたのでまあ妥当な出費かと。

そしてフロントで翌朝のシーパンドンへのチケットを予約した。この旅前半戦最大の目的がこのシーパンドンに行くことなのである。シーパンドンとは現地の言葉で4000の島という意味で、メコン川に島がいくつも浮かんでいてそこでのんびり出来るとヨーロッパ系の旅行者に大人気の観光地である。一度行ってみたかったのだ。

翌朝、バスに乗ってナーカサン村というカンボジア国境近くの村に行き、そこの船着き場で船に乗った。

荷物と人を満載にしたオンボロ船で島へ。メコン川はとにかく巨大でしかも結構透明でキレイ。島についたら早速イカれた上裸の白人が経営してるバンガローにチェックインした。「グッドアイデア」が口癖だがほとんど彼の提案は却下した。

早速食事へ。ラープというハーブと具の炒めもの。写真は鶏肉のラープだ。ラオス料理はとてもうまい。日本人好みの味だと思うが本当に美味かった。食事のあとはハンモックに揺られてメコン川を眺めてのんびりしたあとに散歩へ。本当に優雅なひとときであった。

この島は散歩がとても楽しい。どこを見ても美しいしハノイみたいにバイクが我が物顔で走ってることもないしやかましいクラクションもない。聞こえるのは鳥のさえずりと水の音である。癒やしとはこういうことだ。

犬や猫はもちろん牛や豚まで放し飼いで動物王国状態だ。どこを見ても基本的に動物がいる。東南アジアの野良犬はいろんな意味でマジで危険で近づかないのが鉄則だがこの島の犬は昼も夜もやる気が無さそうで人懐っこい。

島と島を結ぶ橋。いやぁノスタルジックな島だ。

猫ものんびり。

泊まっていたバンガローに犬がやってきたと思ったらグデンと寝っ転がり昼寝をし始めた。

出かけようと支度したら起きた。番犬にでもなったつもりなのかい?

猫と遊んでたら現地の子供に懐かれた。猫も観念してコチャコチャにされていた。人と動物の距離感が良い。

動物好き(特に猫)の僕には本当に楽園のような場所でずっと最高だ。ってつぶやいていた。いつもはめちゃくちゃ口が悪いのにこの日は一言も暴言めいたことを口にすることはなかった。リラックスとはこういうことを言うんだな。僕はすっかり仏のようになってしまった。

メコン川に浮かぶ夕陽。これを見に来たといっても過言ではない。本当に良い島だ。語彙力が無いので良い、最高としか言えないが本当に良くて最高である。とても行きにくいので万人には進められないが今までの大変な道のりをもってしてもこの島に行く価値があると思った。今なら殴られたくらいならキレないと思う。いや、殴られたらブチギレるが。

その晩、島のバーで日本人とオーストラリア人のカップルと仲良くなった。オーストラリア人の男の方は日本で英語の先生になりたいらしくて5月頃また日本に来るらしい。車が好きだというので日本の高速道路には20000円くらい払うと写真が撮れるプリクラがついてる(オービスのこと)とか魔改造した車で走ってると警察が無料で車検してくれる(これも当然検問+摘発のことである)とか適当なことを吹き込んでおいた。あと去年の5月に同行しているはちびっとくんの家の車をぶっ壊した話を写真を見せながらしたら大爆笑していた。彼らの来日が楽しみである。

2020年1月24日(金)

体調は相変わらず絶好調だがあまり寝付けなかった。一泊しかしてないがスケジュールの都合で島とお別れである。最低でも二泊はするべきだろう。

美しい島に別れを告げる。本当に名残惜しい。子供のように出たくないと駄々をこねた。

パクセーのバスターミナルで乗り換え。次に乗るべきバスがどれなのか全くわからず行商のおばちゃんからパンを買ってかじった。ラオスはパンがとてもうまい。タイのウボンラーチャタニを目指す。

東南アジアで時間通りにバスが来るのはまあありえない話なのでスケジュールはゆとりにゆとりを取って超ルーズくらいにしておくべきなのだがこの日は話が違った。ウボンからバンコクまで寝台列車で移動するためどんなに遅くとも6時にはウボンにいなくてはいけなかった。しかも同行者のはちびっとくんがタイバーツを用意していなかったせいで両替する必要が出て更に時間はカツくなった。タイバーツは大黒屋とかで変えられるのでこういう旅をするときは事前に変えとくと良い。

タイ・ラオスの国境のラオス側。今回は乗ったタイのバスの車掌さんが面倒を見てくれたのでとてもスムーズ。それにしてもめちゃくちゃな国境だ。

流石にタイは先進国。手続きも役人もしっかりしていた。無事入国。

出発が遅れていたせいでバスの到着も遅れたがなんとかウボンへ。タクシーに片言のタイ語で銀行行ってから駅に向かってほしいと伝え、なんとかすべての用事を済ませウボンラーチャタニ駅へ。タイの東北地方の玄関口だ。青森駅的なアレかもしれない。

無事に最終列車(20:20発)の寝台券をゲットし腹ごしらえ。待ちに待ったタイ料理の登場である。

パッタイ。うまい。タイ料理が大好きなのでもう何を食っても基本うまいしか言わないが駅前の半屋台的なところでやってる陽気なおっさんの店の飯は何を食っても美味かった。

8時頃列車がやってきて寝台列車に乗り込む。ヨーロッパでも寝台列車にたくさん乗ったしハノイでも乗ったが今回のは線路の向きに縦向きにベッドが二段並んでいたのでとてもとても狭い。しかも上段だから落ちるかと思った。ただシーツはとても清潔でぐっすり眠ることができた。

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