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M.R.LABO業務紹介:動画コンテンツ制作[2]

 前回はプロのスタッフを起用する、本格的なビジネス動画制作のケースについて述べましたが、今回はMicrosoftのパワーポイント(以下、PPTと略)を使って制作する、簡易的な動画コンテンツについてご紹介します。


PPTで作る動画とは

 普段あまりPPTを使わない方のために、まずはPPTで動画を作る方法についてご紹介します。
 PPTには、「スライドショー」という、ページを全画面にして次々と自動で送る機能がありますが、ページ送りをするタイミングは”X秒後”というように好きに設定できます。
 もうひとつ、「アニメーション」という機能もあり、こちらはページ内の画像や文字などを、出したり消したり動かしたりすることができます。
 この2つの機能を組み合わせれば、ちょっとした動画になり、そこに音楽やSE(効果音のこと)、ナレーションなどをかぶせれば、そこそこの動画コンテンツが完成します。
 私はこの方法で、新商品発表会で上映するプレゼンテーション映像から、展示会ブースでのデモンストレーション映像、店舗などで流すデジタルサイネージ用コンテンツなどを作ってきました。

素材の良し悪しが、クオリティを決める

 このように比較的簡単に作ることができるPPT動画ですが、誰もが納得できるクオリティにするには、どれだけ良い素材を準備できるかがカギになってきます。
 以前、ある家庭用品メーカーの商品ラインナップを紹介する動画を依頼されたことがありましたが、驚いたことにハウススタジオを借り、モデル(親子3名)を起用してわざわざスチール撮影を行って作るというものでした。
 このケースでは、私の他にディレクターがいたため、撮影の現場では私はただ立ち会って、どんなカットになるのか見ているだけでした。そして、その後の作業も、全体構成を考えることと、ナレーション台本作りとPPT編集に集中できましたので、あまり悩むことなくスムーズに制作できました。
 実は最初、「なぜビデオで撮影&編集して作らないのか?」と疑問に思っていましたが、モデルに色々な動きをつければ撮影時間が相応にかかりますし、編集も(編集立ち合いも)時間がかかりますので、あえてこの方法を取ったのだと納得しました。
 なお、完成した動画は、大規模な特約店イベントで上映されたと聞きましたが、素材(この場合はモデルを使った静止画像)が良かったため、それなりのクオリティのものが出来たと自負しています。
 逆い言えば、素材が良くなければ、低レベルのものしか出来ないということで、ネットなどですぐ手に入る無料画像をそのまま使った動画を近年よく見かけますが、説得力に欠け、あまり印象に残りません。
 少し前にテスト的に作ったPPT動画のリンクを貼り付けておきます。お借りしたフリー画像や音楽を作成した方には申し訳ないのですが、既存の素材で作ると、いかに薄っぺらい映像になってしまうのか、ご体感いただければと思います。

他ツールと連動できるという強み

 このPPT動画の強みは、他のツールとの連動ができるということです。例えば店内のモニターで繰り返し流されるようなサイネージ・コンテンツの場合、そのサービスの詳細を記したパンフレットをレジ横に置くことで、動画内容に関心を持った人がそのパンフレットを持ち帰り、詳細を知ってもらうという連動が可能になります。
 こういった場合、普通はパンフレットの制作が先行されますので、そこで使ったイラストや写真、キャッチフレーズなどをいただいてPPT動画を作れば、それによってイメージの統一が図られ、ブランディングの効果も期待できるようになります。
 さらに、教育用コンテンツなどでも威力を発揮します。教育用のテキストとともに解説動画を作れば、2つのツールで受講者の理解を高めることができます。その昔、基礎化粧品の教育用コンテンツを作った時のことですが、
メイクの先生から、肌のターンオーバーの仕組みをアニメーションイラストで見せたいとの要望があり、イラストパーツを20数枚重ねてそのシーンを作ったことがあります。いわゆる"コマ撮りアニメ”と同じことなのですが、そういったことも出来るのがPPT動画の強みとも言えます。

動画ファイルに変換する方法

 PPTで自動送りできるスライドショーを作っても、そのままではPPTがインストールされているPCでしか再生できません。例えば、YouTubeにアップして多くの人に見てもらいたいような場合には、それ用のファイル形式に変換する必要があります。
 今、もっともポピュラーな動画ファイルは、Mpeg-4(MP4)という形式です。YouTubeも、もちろんこの形式に対応していますので、YouTubeで公開する場合はこのファイル形式に変換してください。その他にWMVという形式もありますが、こちらはWindows Media Videoの略で、名前からお分かりのように、Windows Media Playerでの再生用になります。(他のソフトでも再生できる場合もあります)なお、PPTはこの2つの形式でしたら、簡単に変換することができます。スライドショーが完成した段階で、「名前を付けて保存」する際に、ファイル形式を「MPEG-4ビデオ」か「WindowsMediaビデオ」を選べば、自動変換してくれるというわけです。
 尚、昔のPPT(Office2007以前)にこの機能はなく、専用のソフトを使って変換していたのですが、今はずいぶん楽にできるようになりました。

 最近、ショート動画が流行っていると聞きます。長い動画は避けて、サクッと見られることが受けているのでしょうが、PPT動画は簡単にできる分、そういった短いものにも適しています。ちょっとした商品紹介やお店の紹介、リクルート用の映像など、可能性は無限に広がっていると思います。

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