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子供は嘘つきだ

お寺に来る人たちの殆どは墓参りやら法事やらの関係が多いのだが、今回の訪問者はとても珍しく「お祓い」をしてほしいと依頼してきた。


今目の前に座っている両親と息子

- 両親は30代半ばで息子は10歳前後といったところだろう。


「息子はなにかに取り憑かれているのかもしれません」と父親が語りだした。父親が言うには、夜に息子が家を抜き出してこちらのお寺に向かっていたこと、手にはスコップをもっていたので問い詰めると「わからない、声が聞こえた」などと要領を得ないことを話し出すこと、病院に連れて行って様々な検査をしたが異常がないこと等、今まで自分一人では耐えきれなかったのだろう、堰を切ったように話しだした。


「分かりました。専門ではないのでなんとも言えないのですが、一度見てみます。その前に息子さんと2人で話させていただけないでしょうか?」そう言うと両親に別室へ移動してもらい、息子さんとふたりきりになった。


そこからは、両親立ち会いのもと念仏を唱えて帰宅してもらった。


後日、息子さんが一人で寺に来たので、寺の木の根元に埋められているクッキー缶を掘り起こして息子へわたした。

「もうこんなとこに隠すなよ」「うん!」と元気よく返事をして家に帰っていった。



少年が夕日に消えながら

「あの年で洋ピン好きとか、すげぇな」と呟いた

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