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名も知らぬ少年へ

仕事がうまく行かず、イライラしたので休日朝から飲みに行くことにした

特に店を決めず駅前にある朝からやっている格安チェーン店

トリアエズナマと脳死で注文しタッチパネルですぐ来そうなツマミを2品注文する

生が来るまでの間、読みかけの小説を開くと横の酔っぱらいが「お久しぶりです!」と挨拶

今思い返せば明らかな嘘で、無視するのが正解だったのだが酔っぱらいの方向を向いてしまったのが運の尽き

そこからひたすら話しかけられた
やれ夜から飲んでいるだの
やれ仕事何をしてるだの
やれ自分は、

やれやれやれ

ただでさえイラついているのに酒臭い息を吹きかけられ、おっさんの息が肺に入り血液を循環していると想像すると嫌になった。

そこで一杯目を終わるやいなや引き上げることに

最後まで笑顔を絶やさず相手した自分を褒めたてやりたい反面、ガツンと言い返せばよかったと後悔した。

なんで自分は、いつも、こうなんだろう

そんな情けない言葉が頭をめぐり他の店で飲みなおす気分にもなれず帰宅することに

家の近くのコンビニで朝飯でも買うかと思って入ろうとしたら、少年が自動ドアから飛び出してきた。

別にぶつかるとかそんなことはなかったのだが、少年は両手にビックチョコバーを持ちクロスさせながら出てきた。



思わず笑ってしまった。
そうだよな最強じゃんって思ってしまった。
100円で買える駄菓子で彼は最強のセットを装備し最高の休日を過ごすのだろう


少年はそのままダッシュで何処かに行ってしまったが、お礼が言いたい。
意味不明だと思うけど本当にありがとう。
救われたよ


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