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灰を掴んで磨り潰す サラサラした感触 確かめる ゆっくりと深呼吸する 深く 深く 深く
刈り取られた線路脇の雑草を横目に向かう最寄駅。 草木を揺らす生暖かい風、鼻を刺す草を磨り潰した匂いと、汗。 上り階段に転がる干からびた死骸。仰向けのセミ、潰れたカナブン、チョウの羽根。 日中も蛍光灯の明かりが灯る、蒸し暑い駅ホーム。通り際に香る日焼け止め。 夏の匂いがした。
