2023年 映画ベスト

12月上旬の段階で暫定的なものはWEB媒体で発表してしまったのだが、当然それ以降も映画を見に行くわけで、改めて締めくくりとして例年通り劇場公開作のみから10本を選んでおきたい。

1. 『ショーイング・アップ』ケリー・ライカート


2. 『AIR/エア』ベン・アフレック


3. 『カード・カウンター』ポール・シュレイダー


4. 『ファースト・カウ』ケリー・ライカート


5. 『ダークグラス』ダリオ・アルジェント


6. 『ロスト・フライト』ジャン=フランソワ・リシェ


7. 『枯れ葉』アキ・カウリスマキ


8. 『アステロイド・シティ』ウェス・アンダーソン


9. 『なのに、千輝くんが甘すぎる。』新城毅彦


10. 『サムシング・イン・ザ・ダート』 ジャスティン・ベンソン、アーロン・ムーアヘッド


 かつてはそれぞれの作品に対して選出理由めいた短文を連ねていたが、ここ数年というもの、全ての作品を選ぶにあたって見直すならまだしも、劇場で見たきりの朧げな記憶を掘り起こして、或いはわざわざ当時の自分自身の覚書を読み直したり、それこそ流用したりしながら、大して鮮明に覚えてなどいない作品に対して改めてそれらしい言い回しで便宜的理由を割り振り直すという振る舞いが愚かしいものに思えてならず、例によって今年も、そして今後も可能な限りはやめておきたいと思う。年末の気分で、面白かった記憶が薄れていないものを選んだに過ぎない。順番も、選ぶからには頭を捻ったつもりではあるけれども、それでも明日選び直せば変わりそうな程度のものではある。ちなみに、ワーストを選ぶならば『EO イーオー』『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』『左手に気をつけろ』になる。

 最後に、これまた例年通り初見旧作から選んだベストもあげておく。洋邦分離と順不同に抵抗を感じる身でありながら、わざわざそうしているのは遠からず別に発表する機会があるため。だから少々変則的に、洋邦10作品ずつ製作年順で趣向を変えて拵え直してみた。

日本映画
⚫︎『大阪の宿』(54)五所平之助
⚫︎『恋人』(60)中村登
⚫︎『妖刀物語 花の吉原百人斬り』(60)内田吐夢
⚫︎『剣に賭ける』(62)田中徳三
⚫︎『続組織暴力』(67)佐藤純彌
⚫︎『闇を裂く一発』(68)村野鐵太郎
⚫︎『喜劇 命のお値段』(71)前田陽一
⚫︎『札幌・横浜・名古屋・雄琴・博多 トルコ渡り鳥』 (75)関本郁夫
⚫︎『穴の牙』(79)鈴木清順
⚫︎「誘惑者』(89)長崎俊一

外国映画
⚫︎『ウィリーが凱旋するとき』(50)フォード
⚫︎『勇者の汚名』(54)ド・トス
⚫︎『Surfarara』(55)デ・セータ
⚫︎『黒いペトル』(63)フォルマン
⚫︎『発射銃』(67)モンマルツ
⚫︎『ミニー&モスコウィッツ』(71)カサヴェテス
⚫︎『トルテュ島の遭難者たち』(76)ロジエ
⚫︎『パーフェクトカップル/おかしな大恋愛』(79)アルトマン
⚫︎『ドン・ジョヴァンニ』(79)ロージー
⚫︎『野獣教師』(96)マンデル

 こちらも特に言い添えたいことないものの、これまで全く良い印象のなかった佐藤純彌にここまで面白い作品があることに心底驚いた、とだけは書いておきたい。ではまた来年。

  それにしてもnote、年々使いづらくなっている気がする。文章と画像の隙間、どうにかならないものだろうか。

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