2022年 映画ベスト10

   よりによって年末直前にコロナウィルスに罹患し、いろいろな予定が先送りになってしまったが、やっと快復したのでせめて締めくくりとして例年通り10本を選んでおきたい。これまた例年通り、劇場鑑賞した初見新作のみを対象としている(タイトル文字がやたら大きいのは、note記事編集機能の仕様変更──少しずつ使いにくくなっている──により画像との隙間が増えたため、それを少しでも縮めようとしてのこと)。さっそく、以下10本。

1. 『いつか、いつも……いつまでも。』 長崎俊一

2. 『MEMORIA メモリア』 ウィーラセタクン

3. 『スティルウォーター』 マッカーシー

4. 『ケイコ 目を澄ませて』三宅唱

5. 『グリーン・ナイト』 ロウリー

6. 『Our Friend/アワー・フレンド』 カウパースウェイト

7. 『KAPPEI カッペイ』 平野隆

8. 『左様なら今晩は』 高橋名月

 9. 『さかなのこ』 沖田修一

10. 『リコリス・ピザ』 P・T・アンダーソン

   言うまでもないことではあるが、ずいぶん前に見たこれらの作品については、もはや多くを忘れてしまっている。わざわざ全てを再見して臨むのならまだしも、それぞれの朧げな記憶を思い起こして凝った言い回しの選首理由を割り振ったとて、読んで面白いものになる気がしないので、各作品への言及は控えておきたいと思う。ただしいずれの作品も、なかば目的化した安直な抽出や読解の手つきをさらりと払いのけるような捉えどころのない面白さに満ちていたような気はする。

   今年は、気に入った映画について見終えたあとに考えれば考えるほど、「面白さ」「良さ」「楽しさ」というものが、いったいどういったことなのかわからなくなる年だった。それらしく美点を挙げてみたり、それこそ分析してみることもできるのだろうが、いざやってみても、そんな簡単に映画は言葉におさまってくれないことを痛感するばかりだった。はみ出てしまって、そこについては目をつぶる羽目になってしまう。面白さを言葉にするのは、ほんとうに難しい。けれど、そんな悩みを誘う作品ほど、まさに豊かな印象とともに記憶されていて、見ているときは満たされる思いがしたものだった。また、結果論でしかないものの、日本映画をこれほど選んだ(4本)のは初めてなので、なんだかとても嬉しい。

   余談だが、2022年日本公開作ではあっても『フレンチ・ディスパッチ』など昨年の上映機会で既に見ているものは対象外としている。逆に『Our Friend/アワー・フレンド』は、2021年公開作だが、今年に入ってから名画座にて周回遅れで初見したので含めた。例年は、初見旧作からも別に10本選んでいるのだけれど、つい先日まで臥せっていたのもあり全く考えられておらず、無理することでもないので今年はやめることにした。また来年。

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