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高校二年生で英検三級を受けた日

英検三級というのがどのレベルの人が受けるのかを知らず、まあ英語あんま得意じゃないし中学校卒業レベルとかならまあいけるだろう(でもどうなんだ、中学英語が基礎とかいうし....)ぐらいの難易度だと思って英検三級を申し込んだ約二ヶ月前。しかし、どうやら英検三級というのはまあ高校二年生が受けるには簡単レベルだと知ったのがその少し後。問題集が家に届いてからであった。

とはいうものの、受かるのは決まってるんだし、柔道部の同学年の友達も受けると言っていたし、まあ公立のバカな同学年の奴らも受けているだろうと思って指定された開催地の最寄り駅まで着いて落胆した。完全に中2とか中3とかじゃねえか。まあ到着したタイミングが早いからだろうな。バカな公立の奴らは遅えもんな、と思いバスに乗る。

スマホでツイッターを見ていたら人がぞろりと降りる。どこで降りるのか調べてはいたものの何処か忘れていたので、ああここが降りるところなんだなと思い見ると、一つ前だった。夏も近い五月末の猛暑の中、登りの道を歩かされ喉カラカラだなあと思いつつも、飲み物は持ってきていない。申し込みを受け、当然のように生徒証を忘れたことを伝え、教室までたどり着き、周りを見るともう完全に中2中3じゃねえか。なんか天才小学生みたいなやつもいるし。

完全にやってしまった。この場合、自分の中で「幼稚園時代の滝沢カレン」的なちょっと成長しすぎた中3を演出するか、年長者としての覇気を出して置くかどちらかにせねばと思った。どちらかというと恥レベルの少ない前者でやってみたけどガタイが違いすぎる。高身長ながらもひょろっとしてたらいいかもしれないが、もうワイは完全に大人なのよ。英検で出会った女と付き合っていると言っていた友達がいたが、今回の場合ワイは完全に監督員の人の方が彼女って言った方が正しいのよ。年長者としての覇気を出しておいた。

他にも思いは積もる。喉が乾きまくってるし、トイレにも行きたい。トイレに行って洗面台の水を飲むという最悪に底辺の思考をしたが、時計さえも忘てしまっており、教室に掲げられてもいないので、テスト開始時間がわからない。なので今のタイミングでトイレに行って良いのかもわからねえと思っていたら、監督員の人が「残り五分なのでトイレ行っといてくださーい」と行ってすかさず行く。そして洗面台で飲んでやろうと思ったが、ここぞとばかりに尿道気にすしぎバカ男たちがズカズカとトイレに入り込む。ふざけんなよ。マスクを外して手水舎みたく手ですくって洗面台の水飲んでるの見られたら、年長者としての覇気完全になくなるじゃねえか。こちとら猛暑で坂上がってんだ。夏はもうすぐなんだよ!!!!本能とプライドと倫理が戦った末、洗った手を口につけようともしたが、何も得れそうもないので喉カラカラ尿道スッキリで教室に戻った。

教室に戻り数分。集合時間が終わったようだ。同学年はいない。よくよく考えたら、公立のバカは根本的に英検を受けない。人の話を聞かない私立の男子校のバカしか間違って受けたりはしない。そんな奴はワイとワイのバカでハゲた柔道部の友達だけだ。そんなこと思っていたら話を聞くのを忘れていて、滑舌の悪い監督員(集合時間になって「集合時間になりましたので〜」などのアナウンスもなく急に自己紹介を放った女性)に「この紙カバンに入れてください」と言われる。おい、年長者としての覇気ぶっ潰す気か?

筆記テストは楽勝だった。しかしライティングは別枠のタイミングでやると勘違いしており残り五分で大急ぎで書き、リスニングはこの駄文をどう書くかなどで気を取られ少し外した。なんなんだ。

帰り際、キャンパスのなかで迷路になったバス亭までの道の中、少し心地よい風が吹いた。夏はもう、始まっているのかもしれない。

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(カヒミ・カリィの「若草の頃」を聴きながら)



追記)不合格でした。は???????????????????

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