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映画「わたしの魔境」感想


「A」「A2」「AGANAI」ときて、関連映画は今回が4作目。

今作のざっくりしたテーマは、改めて記す新興宗教に対する警鐘といった感じ。ドラマパートとインタビューパートの切り替わりで進む構成が、映画というよりテレビ番組のスペシャルみたいに感じた。

でもn番煎じな映画と言うことは簡単だろうけど、n番煎じでもいいからこういうものを生み出し続けることが大事なのだろうなとも思う。そういった意味では、クラファン発の映画としても意義があったのだろうと感じる。

ドラマパートは、『あの事件はあの時代だったから発生したのか、今の時代では起こり得えないのか』を検証したにしては、辛い境遇で入信した人達の姿しか描かれていなかったのが気になった。オカルトや神秘体験に興味を持っただけの、普通の人が数多く入信したという話がある中、それがインタビューパートで語る人達に担われていたとしても、結局映像による警鐘としては不十分な気がした。公式HPにあった映画祭のコメントに、ラストのテロップは悲劇ポルノに対するアンチテーゼってあったけど、それだけに惜しい感じがある。”新興宗教に縋る人はこんな人”という思い込みへのアンチテーゼもあってほしかった。

インタビューパートで特出していたのは、新実死刑囚の妻へのインタビューだった。発信の視点が1人だけ違った。そしてあの写真、映画全体としてどんな意図をもって掲載したのかが自分には謎だった。あそこだけ映画が監督の手から離れていたようにも感じた。話と手記の映像だけで終わっていればまだ良かったのにと、個人的には思う。

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