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八月納涼歌舞伎 第三部「狐花」2回目 感想

1回目の観劇のあと、小説をKindleで買って読み、2回目の観劇を追加。見たいと思った時に取れる幕見席ありがたい。小説から情報量を吸い取ったからか、前回よりも時間の進みが早く感じて見やすかった(笑) 今回は主に小説との違いをメモとして残そうと思います。記憶違いはあると思うので、ご容赦ください。 ■ 『?』 監物が信田の屋敷を襲撃するシーン。襲撃の騒ぎを聞いた美冬が、いち早く赤子の洲齋を逃がす。美冬が”葛の葉”の文を懐から取り出し、洲齋に預ける様子も描かれる。右奥の掛け軸

八月納涼歌舞伎 第三部「狐花」感想

奇妙な縁、深い業の中で、簡単に人を殺し、人が殺される。そして怨念による復讐はカタルシスとなる。けれど今作は、洲齋がその歌舞伎の枠組みの”外側”に居続けたことにより、異質な物語になっていた。監物に「恨むなら殺してみよ」と刀を差し出されても屈することはなく、言葉で、会話で相対し、殺した者の幽霊が見えるならそれは人の心がある証だと説き伏せ、”供養”を促した。誰がどう見ても極悪人であった男が、最後は憑き物落としの洲齋によって、まさに憑き物が落ちたように涙を浮かべる。洲齋の「お前の幽霊