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*séh₂ls [salt/salary]

塩にまつわる単語2 ~umisioさんの記事からのインスピレーション~

Salaryの語源、ラテン語Salarium は Salarium Argentum の略で、原義は「塩代としてローマの兵士に与えられた銀貨」であり、古代において塩が重要な生活物質であったことを物語るもの。(英語語源辞典)

現代ヒンディー語でも少し似たニュアンスで「塩 नमक (namak)」を使ったイディオムが色々とある。その場合「塩 नमक (namak)」は「恩」と同義語ととらえてよい。「あなたの塩を口にした」と言えば「あなたには恩がある」という意味。

他によく使うのは「नमक हलाल (namak halāl)」と「नमक हराम (namak harām)」。halāl も harām もペルシャ語経由でアラビア語起源で、最近日本でも聞くようになったあの「ハラール」だ。

端的に言えば
halāl は「適法な」(しきたりにしっかり則った)
harām は「違法な」(しきたりを破った、禁止された)
という意味。

それで、namak halāl とは「忠義の厚い、恩義を忘れずに報いる、礼節をわきまえた」という意味になり、namak harām は「恩を仇で返す不忠義、礼節わきまえない」という意味になる。よく「この恩知らずめが!」という意味で「नमक हराम! (namak harām) ナマカラーム!」というダイアログが発せられるのをボリウッド映画で耳にする。

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