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鳶の呪い

夜にふと目が覚める

天井は高く
まだ黒が深い

あたたかな感触が残ったままの右手に
口角が上がる

こんなにあたたかい
こんなに満たされて
嘔吐せんばかりの嗚咽を漏らす

まだ感触は残っている
この手にも肩にも内側にも
あの青い優しさが痛いほど

忘れたくない
忘れたくないと
強く抉るように爪を立てる

ここにいたんだ
私を傷つけたその手は

どうしてあの日
突き抜けるような澄んだ晴れの日に
あんな瞳で私を覗き込んだんだ

二度と目にすることのできない
透き通る鳶色の瞳で

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