見出し画像

お肉はげんさん!(げんさんサマーカップ2021)

お肉たべたい。

・げんさんサマーカップ2021フィギュアスケート競技会の感想です

・所謂チラシの裏です

・長いです(5,668文字)


ジュニア男子

・定山照永さんのFSボヘミアンラプソディー、衣装がめちゃめちゃ凝ってて振り付けも実施もよくてズッキュンしました。編曲はちょっとアレだったけど。ジャンプははまらずとも音ハメはきっちり、何より某M田先生を彷彿とさせるスライディングエアギターを華麗に決めてて沸いた。「練習してないもんなあしゃあないわ」だそうですがこれで練習いっぱいしたらどうなっちゃうの……!?だいぶ恐ろしい転び方した2本目のトーループ、転倒の瞬間は「異世界にいざなわれた」そうです。なんだこの子おもしろい。推します

・2年前のサマーカップで出会って一目惚れした朝賀俊太郎くん。SP21位からFS2位、総合4位というネイサン・チェンばりの挽回劇を見せてくれました。どんどんスケートに重みが増している。重心の低いどっしりしたスケート。

予言貼っておきますね。

・誉田知己さんのFSがまれに見るいいララランドだった。編曲的な意味でも。特に前半、身のこなしがおしゃれでよく合ってたな。

・三浦佳生くん。今まで考えてもみなかったけど、昨シーズンはマイメンたちが、今シーズンは先輩たちがシニアの舞台へと旅立ち、いよいよ引っ張っていく立場になったんだなあ。光陰矢の如しとはまさにこのこと…………。優勝おめでとうございました。

ジュニア女子

・丸一里桜さんはじめましてでドストライク。ダンスが上手いスケーターだいたい好きだからな。

・ねえねえ中井亜美さんヤバくない!?!?!スケーティングとプログラムとの一体感が極まってる。シニアでもここまでスケール大きい演技できる人なかなかいない。FSのステップで勢い余ってバランス崩した時の笑顔、楽しんで滑っているんだなということがよくわかる、あ、推し……推しかもしれません……歌うように、楽しそうに滑るスケーターが、大好きなので……。

・島田麻央さんは言うまでもなく怪物なのですが、独自性という面ではのびしろしかないと感じてます。

・話題の大門桜子さんは木下アカデミー(旧・濱田一門)の系譜をひしひしと感じる演技スタイルですね。

・住吉りをんちゃん優勝おめでとう!すっかりお姉さんになってしまわれた。
天才と呼ばれる選手が数多く出てくる中、浮き沈みありながらもこつこつと磨き上げてきた、りをんちゃんらしい、りをんちゃんにしかできないスケートを見せてくれる尊さ。まあJGPに日本代表で何回も出てる時点で彼女ももちろん才能ありあまってるんですけどね。特にSPのマラードは名作の予感。

シニア男子

・森口澄士さんのSPエルトン・ジョン、とてもいい。

・山隈太一朗くんのプログラムはすべてが意欲作で見るたび新鮮。しかし今回はあまりに調子悪そうで心配。

・杉山匠海くんのリッポンルッツとジェイソンスピンきれ~~~だな~~。あ、"ジェイソンスピン"は勝手に名付けました。キャメルフォワードのアレね。腕を腕だけじゃなく身体から動かす感じが根っからのアイスダンサーという趣で良。FSのアディオス・ノニーノ非常によくお似合いでした。

・石塚玲雄くんのセルフコレオなビートルズメドレー。SPなのにFSみたいなプログラムだなと思った。おわかり?場面転換、起承転結がはっきりしたドラマティックな感じ。まだ未完成でもやりたいことはとても伝わってきた。
そしてFSのSingin'in The Rain、あまりに良すぎて、ガッツポーズも見れてちょっと泣いちゃった。楽しく終わりたいと選んだプログラムだけど、楽しいだけじゃないドラマティックさが玲雄くんだなあって。スケーティングも身のこなしの洒脱さもいいとこが際立ってる、これ大舞台で見たいよ見たすぎるよきっと見れる絶対見れるよ!!ウオーン

・男子FSはアーカイブで見ているのですが、本田ルーカス剛史さんのFSがBlues for Klookで、気が動転して思わず一時停止しちゃった。
ずるい!ずるくない!?しかもそこからThe Prophetだと!?聞いてないよ!!ずるい!!!!ただでさえ私は昨季以来ルーカスくんを見るたびキャーキャー言いたくなる謎の衝動を抱えながら生きているのに!

早く声出し可能な現場に行ってルーカスーーー!!!って叫びてえ。スケーターはアイドルではありません。すみません。
終始格好よかった、脳みそをやられる格好よさだった、ということだけお伝えできれば幸いです。

昨季から継続のSP・SOSも大好きだし、こんなん……こんなん全力で応援する以外ない……ああ………………。

・鍵山優真くん、SPはジャンプ遭難してたけど調子自体はそこまで悪くなさそうな雰囲気。このSPを名プログラムにするにはパトリック・チャンさん並の技量が必要な気がするけど、優真くんなら限りなく近づけるんじゃないかと思います。がんばれ。
一方、FSは予想を遥かに超えてきた。スケーティングだけではなく身体全てが美しい。音そのものの身体化を得意としている(と私は勝手に思っている)選手ですが、グラディエーターの音楽がもつ世界まで雄大に表現していました。これ相当表現面のトレーニング積んだんじゃないかな。

・三宅星南くん。三宅星南くん……………………。

まずSPのゴースト、しょっぱなからお顔が強すぎて大天才すぎた。こういうことはあまり言いたくないのですが、星南くんはお顔の強さ含めて星南くんみたいなとこあるからさ……(は?)。ジュニアの頃から肩にひらひらのついた衣装をよく着ているけどこれは本人の趣味なのか衣装さんの趣味なのかはたまた。いずれにせよ天才ですありがとうございます。FS白鳥の湖の衣装はさらにド天才極まってます、一目見た瞬間こんな天才なことがあっていいのかよという気持ちになりました。インフレーション。セナ様とお呼びしてもいいですか?勝手になさい。
さて演技の話を始めましょうか。彼は昨シーズンからじょじょにブレイクスルーを迎えてて、スケーティングもめちゃめちゃ上手くなってるし、スピンももはや苦手だったとは思えないし、フリーでもスタミナ切れないし、そして何より"星南くんらしさ"が確立してきた。
ゴーストのステップ中盤ジャッジ前での表情や白鳥の湖のコレオシークエンスなんてもう"らしさ"全開で最高です。
可能性無限大の19歳シニアデビューシーズンよ!!

特に白鳥の湖はこれ三宅星南史上最高傑作なのでは?
なのでは?とか冷静に言ってるけどちょっと良すぎて頭おかしくなっちゃってる今、正統派に真っ正面から挑む凄み、全部良い、ラストまで良い、1年半の間フィギュアスケートに関しては在宅オタク極めてたけど、このプログラムは絶対にどこかで目撃したい、いや、しなければならない、その前に白鳥の湖ちゃんと履修しなきゃな、部分的にしか見たことないし、なんだかこういう思考をするのは久しぶりな気がします、ありがとう、ありがとう……。

今更ながらこの文章がまかり間違ってご本人に届かないことを祈ります。折を見てきちんとキモレターも書きますんで何卒……。

・友野一希くんはSP・ニューシネマパラダイスがあまりに素晴らしくて涙出た。
前回演じたときに比べてよりいっそう音楽表現が豊かになり、世界が広がっていく。

FSは、見るのにだいぶ心の準備が要りました。
友野一希さんによる、ミーシャ・ジー振付のラ・ラ・ランドりありあまる期待と、期待を超えなかったときの不安。

結果は……今のところ期待の範囲内かな、という感じです。
いやとっても似合ってて素敵なんだよ、素敵だけどね!ただララランドはやっぱり編曲のぶつ切れ感が課題になるよなあと。まあ友野くんほどのスケーターであればその気になれば編曲くらい軽くねじ伏せられると思います。ムーラン・ルージュでは実際ねじ伏せてたし。

何はともあれお肉おめでとう!



シニア女子

・SP時点で一番仕上がってんなあと思ったのは松生理乃さんだった。

新プロなのに何もかも完成度高すぎていま8月だよね??ってなった。こういうことはあまり考えたくないんだけど、彼女は確実に五輪代表争いに絡んでくるでしょう。

FSはなんだか色々と難しそうだったけど表現面での完成度はこちらもものすごく高かった。終盤コレオシークエンスからのスピンなんてもうゾクゾクしちゃったよ。完成形めちゃめちゃ楽しみです。

樋口美穂子コーチ……月光……ウッ頭が……と思ったけど蹂躙されし月光だったのでよかったです(?)

・坂本花織ちゃんもジャンプはばっちりはまってたんだけど、SPに関してはいかんせん音響トラブルで演技の全体像がわからず。うぬぬ。

FSはバチバチに仕上がってましたね。リショーさんとかおちゃんのタッグはいつも見たこともない新しいものを見せてくれるから、だからこそピアノレッスンの"再演"は本気で勝ちにいってるんだなと思った。思ったけどどうやら今回は「その場しのぎ」で、今後どうするかは未定らしい。
このプログラムのハイライトは後半の盛り上がりだけど、前半のステップシークエンスも見応えが増していたのでやるなら楽しみだけどな。伝説の全日本2018を超えられるか、自分との闘いってやつですね。

「やったあ!お肉!😆」「音声も(電波に)乗っています」

・そして樋口新葉さん!!新葉さんも仕上がってました。身体のキレが例年のこの時期とは段違い。うおーーーー仕上げてきてるううううと思って沸きました。

ただ、SPのYour Songはどうなんでしょうか。。。とても素敵なプログラムだし、これからの滑り込みとブラッシュアップ次第ではあるんだけど、どうも曲自体が新葉さんに負けている気がしてならない。やっぱシーアとかアデルじゃないと新葉さんのパワーと釣り合わないんじゃ……。

ところで私はお蔵入りとなったPrimaveraを結局見れていないのですがどうすれば合法的に見ることができますか??いつかエキシでやってくれんかな。

不届者なのでFSも全く見ておらず、曲名だけ聞いて「ライオンキングか…絶対似合いはするだろうけど…うーん?」とか思ってたんですけど見てみたらがっつりてっぺん狙うプログラムでしたすみませんでした!!

まず衣装からして素晴らしい。朱色に近い赤とゴールド。新葉さんの衣装どれも素敵だけどジプシーダンスやシェヘラザードの色合いが特によく似合ってたと思っていたので嬉しい!!

そしてこのプログラムは新葉さんが生まれながらにして持つ生命のパワー、肉体から放たれるエネルギー、それが今までで一番活きている!!最高!!

アイスショーもあったからかこちらのFSはよく滑り込まれていてやっぱり仕上がってます、も~楽しみだよ~でもくれぐれも追い込みすぎないようにしてね~!余計なお世話でごめんね~!!応援しています

・仕上がってるといえば復帰後の三原舞依さんはいつなんどきもそのときできる最高を見せてくれるのですごい。仕上がっていないときがない。メンタルどうなってんだ。コーチ「なんもしてないのに疲れた」

・宮原知子さんも調子上向きになってそうで安心。FSトスカはここがいちローカル大会、しかもシーズンはじめの、ということを忘れさせる演技だった。"世界"ってかんじよ。

・プログラムにびびっときたのは上述の方々のほか、松田悠良さん、河辺愛菜さん、横井ゆは菜ちゃん、白岩優奈ちゃん、山下真瑚ちゃんあたり。

・悠良さんはSPのImagineが素晴らしかった。振付も衣装もぴったりで。悠良さんの衣装は毎回最高で見惚れちゃう。

・ゆは菜ちゃんはSPのマラゲーニャもFSのQueenメドレーも、全く本調子ではなさそうならしくない演技だったんだけど、やりたいことはよくわかったというか。  

彼女は自分の持ち味×やりたいことを調和させるのが非常にうまいなと。フリーなんてたまアリが手拍子で包まれるさまが容易く想像できますもんね。上手いわあ。

・河辺さんのSPも同じく。完成形ではないけどやりたいことがよくわかる演技。コンセプチュアルな冬だった。昨季から継続のFS・Miracleはもっと多くの人に届いてほしい名プロです。

・ドキっとしたのは白岩さんのSP・Feeling Good。

あの、白岩さんって、もしかしなくても天才じゃないですか……?

彼女の音楽性は唯一無二。決して主張が強い訳ではないのに強靭。どんな音楽にも乗り移る、媒体としての身体。いつもわくわくさせられます。

対してFSのシェヘラザードはまだベールに包まれてる感じ。こちらは音楽そのものというより人物を演じるプログラムだと思うから、その辺が難しいのかなあ。

・真瑚ちゃんはFSのSAYURIが印象的だった。
王道ながら、ひとつひとつの振付にはっとさせられる。蝶々夫人といい、和が似合うんですね。大和撫子ってやつだ。

・あと、FSで新田谷凜さんと永見千代乃さんが2連続ブラックスワン(白鳥の湖?)だったのおもしろかった。新田谷さんのはわりと変わった編曲で心象風景を描いている感じ、永見さんはストレートに舞台を描いている感じ。永見さんのはエレメンツの配置がよかったですね。


あとがき

・白鳥の湖はマジで履修しなければなりませんね。

・フィギュアスケートを追うのにはわりとマメさが必要なので生活に余裕がないとつい浦島太郎状態に陥りがちだが、それはそれで新鮮な驚きを得ることができてよかったかもしれない今回。

・なんだかんだ毎シーズン推しが増えていく。みなさん素敵なんですもの。やめられない止まらない。

・オリンピックはともかく、全日本絶対行きたい気持ちが高まってきた。行きます。日程的に行けなさそうな予感がしていますが、行けなくても行きます。よろしくお願いします。

・次はサマートロフィーか、あるいはジュニアグランプリか、はたまたネーベルホルントロフィーか、ネーベルホルン……いやネーベルホルン怖……。

・フィギュアスケートのこと書くの楽しいし読み返してても一番楽しいのでまた来ます。では。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?