#166 ある意味ラストエリクサー症候群の人であった

 はい、FF16クリアしました。ようやく。今更
 「あぁ、もうこれでクリアしちゃうんだな」となると、何だかそのまま進めるのも勿体ない気持ちになって、しばらく置いておきたくなることってありません?
 それなりのゲーマーだとそういうことはないとは思うけど理解していただけると助かる。つまり私はゲーマーではないということである。

 じゃあ何でクリアすることにしたのかというと、皆さんもご存じの通りDLCが発表されたからですね。しかも第1弾は発表と同日に配信開始。

 そのうち出すんだろうなとは思っていたけど、想像以上に早かったし想像以上に配信のタイミングが早かった。じゃあこれはもうクリアせんばいかんなと思い、ラスボスと対峙することにしたのです。FF15の時も同じことしてたな。
 「よもやま」で記事を書いたのは5年前でしたね。もうそんなにか。人の時間は早いね。ちなみに発売は7年前、FF15としての発表は10年前、ヴェルサスFF13としての発表は17年前です。フェルン。それは流石に嘘だよ。

 トロコンもしましたよ。効率を求めて、獲得できるアビリティポイントが40%増えるアクセサリを付けてたんだけど、思った以上にさっさと貯まって逆に余ってしまった。



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 まぁ感想としては。良くも悪くも割り切った作りだなと。

 アクション要素はあるけれどオート戦闘の感触が強かったFF15や、アクション要素はあるけれど基本的には空間の概念があるコマンド戦闘の感触が強いFF7Rと比較すると、攻撃のコンボや回避のタイミングといったアクション要素をしっかり意識してクライヴを動かすFF16は、なるほど「アクションRPG」とジャンル付けされたのも頷けます。
 扱える召喚獣が増えると、ちょっと立ち回りが変わって来る。2周目の「ファイナルファンタジーチャレンジ」では色んな召喚獣アビリティを試しながら進めていたのですが、1周目ではあまり使わなかったコンボの繋げ方に気付くと楽しい。

 「オートスロー」には随分とお世話になりました。FFの常ではあるけれどガラッと変わった戦闘スタイル、とはいえアクションに全くの不慣れということではない私でも戸惑ったのは「回避のタイミング」なんですね。
 割と直前で避けたいという心理が働くといいますか、「あ、これじゃ遅い。もうちょっと早くてもいいんだ…あ、これだと逆に早過ぎ⁉」と、ビックリするほど本作の回避(プレシジョンドッジ)のテンポが最後まで嚙み合わなくって。パリィなんかも、もうたまーに発動すればいいやって投げやりになっちゃった。

 早々に諦めて「オートスロー」を付けてプレイしたら、完全に避け切れるわけではないけれども被弾のストレスが減った。複数の難易度を設けるのではなく、補助の有無でハードルを下げるというのは、ひょっとすれば今後のトレンドになっていくのかもしれませんね。『ストリートファイター6』のモダン操作しかり。
 故に2周目の「ファイナルファンタジーチャレンジ」は敵が固いし配置が変わって煩わしいなと思ってしまったところはあるのだけれど。ノーダメージ撃破? なにそれおいしいの?

 FF16でイチオシの召喚獣はドッカンバッカンの火力合戦がひとえに魅力的。イベント戦かと思いきやガッツリ尺を取っててビックリした。でも2周目ではムービーや戦闘中のカットシーンは一括でスキップさせてほしかったよ。ポーズを掛けて△ボタン長押しでスキップ、想像以上に多かった。戦闘中はスキップできないし。


 ただ、進めていくと「遊んでいるのに、遊びがない」と物足りなさを覚えるポイントが出てくる。「まあそういう風にもなるよね」という、何となく背景を窺えるような感情も含めてではあるのですが。
 例えば、FF15のようなオープンワールドではない。時間も天候も固定。まあオープンワールドにすることがFF16のベストな選択ではないだろうし、マップを扱いきれないならそうするよね。
 魔法に属性はないし、武器に追加効果もない。状態異常もなし。まあ召喚獣を切り替えながら戦う必要があるからダメージ半減とか無効・吸収はストレスだし、武器だって結局は素のステータス重視になるよね。

 戦闘中はパーティメンバーを切り替えることなく、常にクライヴを操作。まあメンバーがコロコロ変わるし、FF15だって当初はノクティスしか操作できなかったもんね。覚えることが多くなりすぎると、却ってクライヴだけでいいじゃんってなるのが想像できるもの。
 恒例のミニゲームもない。いやまあ状況的に遊んでる場合じゃないもん。世界の危機の前に、釣りやらゴールドソーサーやらで日がな一日呆けている余裕はない。クライヴがめっちゃはしゃいでるイメージ出てこないし。そりゃそうよ。

 別にゲームクリエイターではないですが、引っ掛かったポイントの一つ一つに、こういう事情があるんだろうなっていう自分なりの回答がセットで浮かんでくるのです。尤も「それでも……!」っていうお気持ちはもっと強い。
 個人的にはRPGっていうより、ステージ制のアクションを遊んでいるような感じだった。RPGとアクションアドベンチャーって、今となっては大分明確な線引きがし辛いような気もするけどね。

 アクションも慣れてくると、「遊びのなさ」で逆に似たり寄ったりな戦闘に思えてくる。セットできるアビリティは合計6つ、それぞれのクールタイムも短いわけではない。大ダメージを与えるには、敵の「ウィルゲージ」を攻撃で削り切って発生する「テイクダウン」中を狙う必要がある。
 となると「基本通常攻撃とクールタイムが比較的短くウィルゲージを削りやすい1,2種のアビリティを発動して、テイクダウンしたらリミットブレイクして威力の大きいアビリティを立て続けに発動。テイクダウンが終了したらすぐさま温存したアビリティを発動させて再びウィルゲージを削る…」というルーティーンに、どの強敵に対してもなってしまう

 じゃあ属性やら状態異常があれば幅が広がったか、というとそうはならないだろうなと思えるのが難しいところです。ダメージの変化はないけれど、弱点属性のアビリティを当てるとよりウィルゲージを削りやすくなるとかがあってもよかったかもしれない。でもセットしたアビリティの属性以外が弱点だったら結局煩わしく感じない? と自問自答する日々。


 で、FF15の記事で書いた、FF16に期待していたストーリーについては。
 ベースはすごく好みです。各国がマザークリスタルを持っていて戦争しているというあらすじはなんとなくFF零式を思い起こさせたのですが、実際に進めていくとドンドン話の展開が変わっていって、「次はどうなるんだ…!?」とガンガン進めたくなる(ムービーも立て続けに再生される)せいで、止め時に困る…! とは、以前別の記事にも書いた通りですね。

 「アクティブタイムロア」で、会話の中で登場するキーワードや背景情報をすぐに見返せるのも面白い。FF13でも「オートクリップ」という機能はありましたが、それ以上にお手軽に調べられるので世界観を確認しつつストーリーを楽しめるし、この機能に解説を任せているから会話の中で必要以上に説明じみた台詞が出てこない。
 手動でフラグ付けしているそうなので他の作品で実装するのは簡単じゃないとのことですが、今後も採り入れてくれると嬉しい。世界観に慣れてくるとあんまり使わない(ハルポクラテスの方でまとめて確認する)けどね。

 ただラスボスが絡んでくるようになってからは、ちょっと自分の気持ちが付いていけなくなっちゃったのが心残り。ドンドン話の展開が変わっていくというのは、逆に「あれ、FF16ってそういう話なんだったっけ…」と思わせてしまうデメリットもあるんだなと。正確には覚えていないけど、確かクリア時点で50時間ほど。ボリューミーのあるストーリーのはずなのに、「いよいよラスボス!」というか「あ、もうこれでラスボスか」とアッサリさが先に来ちゃったのはある。
 うぅむ。テーマ的には最後まで「人vs人」でも良かったと思うのです。神がしゃしゃり出てくんなっていうことではないけれど、あくまでも人間同士のそれぞれなりの信念がぶつかり合った先に生まれる未来、っていうお話の畳ませ方でも良かったんじゃないかなって。

 そんな中でDLCが出ましたからね。どういう内容なのか、まだ手を付けられていないのですけど、ネタバレは踏まずに楽しめたらと思います。


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 うん。いろいろ書きましたが、楽しめた作品でした。『FORSPOKEN』しかり、あの作品が肌に合った、合わなかったからってFF16が楽しめるかそうでないかは一概に言えないところではあるものの、FF16で何はさておき前面に押し出したいもの、そこにハマるかどうかが大事かなって印象です。
 やはり新作は心が躍るね。来年は『FF7リバース』が目玉ですが、FF16を出したならFF17はどんな作品になるんだろうか、自分だったらどんなものにする? と妄想も膨らみます。FF15とFF16とFORSPOKENを足して3で割ったらもっと自分好みになるようにも思える。

 そうそう、明確に不満があるとすれば足の遅さとフォトモードですよ!
 マジで足おっっっっっそ。FF15よろしくスタミナゲージがあっても困るけど、任意でダッシュできないのはそれはそれでストレス、ていうか誰も面倒だって思わなかったのかい。拠点内だとさらに鈍足になるし。ファストトラベル拠点も多くないし、なんかメニューからワールドマップを選ぶとほかの項目を選ぶよりもちょいと待たされるし。某ゲーム情報サイトは箱が壊せないことよりもこちらを追及すべきだったのでは。
 クライヴくんに必要なのはCV. 三上哲の腕輪だと思います。いやアレも拠点内では得意のパルクール移動できへんけど。

 フォトモードもな。アップデートで起動しやすく…なったっぽいけど、設定項目の乏しさは変わらず。というか、それ以上に「プレイ中に勝手に撮ってもらって、後から良さげなのをプレイヤーに見繕ってもらう」ことができるようにしてほしいんですよね。FF16に限った話じゃなく。
 クライヴくんに必要なのはCV. 柿原徹也のパーティメンバーだと思います。これずっと言ってるな自分。


 ということで次の作品も楽しみにしています。『FF17』は近年の傾向に合わせて、FF零式よりも更に和風にしてみるとかいかがだろうか。まあ、それ以上にいつリリースできるかですな。このペースだと発表できても2030年発売ってなっちゃいそうだからね。次は2027年ぐらいとかでどうでしょ?