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「縁食」とこども食堂

「縁食」とは、共食でも孤食でもない、同じ場所で食べるけれどそれを強いるものではないという食への向き合い方だそうです。

その具体的な例として、こども食堂が挙げられていました。
こども食堂では、毎回来る人も来る時間もバラバラで
いつ行くか、いつ帰るかも、自由な場合が多いです。
地域の居場所として、提供されていて
そこにどんな人が来ても、安価もしくは無料で食事を頂くことができます。
※こども食堂によって、どのように実施しているかは様々なので
実際に訪問する場合は、事前に確認することをお勧めします。

孤食とは、文字通り一人で食べること。
孤独を感じながらという意味合いが含まれるので、一人で食べていても孤独を感じなければ孤食ではないと解釈することができます。

共食とは、時に強いつながりを強制され、一緒に食べること。
具体的な例としては、学校の給食や家庭での食事。
家庭での食事の場合は、システム的というよりは精神的にみんなで食べるものという共通認識があるのでしょう。
これがいいかどうかはさておき、かつてはそれが当たり前だったのかもしれません。

縁食という形で、社会のみんなが繋がることができたら食に対する考え方が少し違って見えるかもしれない、と著者は教えてくれます。

著書では、無料で食事を提供したり、食料品の値段を0円にしたらどうか等の提案がされています。
北インドに実在する無料食堂(※アムリトサルの黄金寺院)を例に挙げ、世界中に無料食堂があれば、食の不均衡を少しでも解消できるのではないかと問いかけます。
※ドキュメンタリー映画「聖者たちの食卓」で取り上げられています。https://www.youtube.com/watch?v=NAsa5gzQROM

食とは、生きていくうえで欠かせないもののはずが
経済的な価値(値段)を付け、市場で売買されることで、ロスが生じます。
初めからロスが出ることを前提に、ロスをどう活用するかを考えた時に
無料食堂という考え方があると言います。
(もちろんロスを減らすことが大切なのは大前提です。)

こども食堂という活動が、縁食という概念で捉えられた場合に
様々な人にとって居心地のよい場所としてあり続けたら
地域の居場所づくりという課題解決に貢献することができると思います。

参考文献:縁食論 ~孤食と共食のあいだ~
https://mishimasha.com/books/9784909394439/

見出し画像は「特定非営利活動法人全国子ども食堂支援センター・むすびえ」のこども食堂10周年ロゴマークをお借りしました。


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