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生き物に赦されている

子供の頃近所に乗馬クラブがあった。
小学生だった私は勝手に侵入し馬を眺めていた。
たぶん親に苦情が来ていつしか出禁になった。

子供の頃廃墟のようなプレハブ小屋に沢山猫を飼っているおばさんがいた。
小学生だった私は時々下校時に猫を見に行った。

子供の頃通学路を少し外れた場所の家の庭に大きなシベリアンハスキーがいて私は勝手に侵入し犬を撫で回していた。

全て記憶が曖昧で多少(大部分?)が改竄されている気もするけれど
私の人生の傍にはいつもちいさな生き物がいる。

生き物に生かされて
赦されていると感じる。

我が家には現在
ダニまみれで破格の値段で売られていた猫と
ペットロスでのたうつ直前にTwitterで出会えた猫と
道で拾った猫がいる。

生かされて
赦されていると感じる。

近所にそれはそれは立派な秋田犬を2匹散歩させている初老の男性がいる。
私は見かけたら必ず触らせてもらうようにしている。触らずにはいられない。
白い大きな秋田犬は私の顔を覚えて二足で立ち上がる。腕をがぶり、と噛んできて遊ぼうよと誘う。
初老の男性は焦っているが私は満面の笑みだ。こんな嬉しいことはない。涎なんて洗えばいいのだから。犬が気持ちを出してくれたことが何より嬉しくて。

玄関の外には燕の夫婦が巣を作っている。
時折そっと覗くと目が合って
燕は大きく口を開ける
何かを言っているのか

私は人の形をしているだけで人ではないのかもしれないね
ちいさな生き物達からはどう見えてるのかしらね
そう夫に聞くと夫は今更何を言う
そうだよ当たり前じゃないかという顔で笑った。

生き物に赦されていると感じる限り私はとても幸福に生きていられる。

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