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奨学金を借りる前に考えておいて欲しいこと3つ

こんにちは、YOKOです。


この記事を読んでくださっているということは、少なくとも何らかの理由で奨学金を借りなければいけない状況にいるのではないかと思います。


大学進学、海外留学、専門学校、どの進路に進むにしても、ご家庭の経済状況によっては自分の思い通りの進路に進めなくなってしまう事もあります。


ただ一方で、中学生・高校生のうちにやりたいことを見つけられることは本当に素晴らしいことです。


やりたいことを実現するための選択肢として奨学金の利用をご両親から打診されたのであれば、とりあえず借りる手続きをするのではなく、是非以下に挙げる3つのことを考えてもらいたいと思います。


奨学金を検討するなら給付型をまずは探してみる

私が高校生の時、進路説明会の後に奨学金を借りる予定の人はパソコン室に集まるようにと言われました。


当時パソコンの使い方もままならなかった私は、隣の女の子に聞きながら申し込みの手続きをしていました。

この時私は完全に思考停止で、親に言われたから申し込む、と言った感じでした。


とりあえず言われるがままに選択ボタンを押し、「へえ〜こんなに借りれるのか。」と思いながら特に疑問を抱くことなく申し込みに成功しました。


私が学生時代に借りたのは、


日本学生支援機構の一種奨学金(無利子)
毎月60,000円
保証人を二人


のものでした。


奨学金を利用している学生が最も多いのが、日本学生支援機構(JASSO)という、学生の就学支援のためにお金を貸してくれることで有名な独立行政法人です。


奨学金には、大きく分けて以下のような種類があります。


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奨学金を検討する際の基本的な考え方ですが、給付型(もらえる)奨学金がないかを検討した上でどうしても方法がない場合に貸与奨学金を借りることを検討してください。


参考)返さなくていい奨学金をくれる団体一覧


ただ留意しておいて欲しいのが、お金がもらえる、ということはそれなりに報告書や好成績といったリターンを要求される場合があるという事です。

(私がもらっていた某信託銀行の給付型の奨学金は毎年夏に前年度の成績の報告書を提出しており、また年に一度報告会という名の食事会に参加していました。)

給付型を検討した上でどうしても貸与型を利用しなければいけなくなった場合、可能であれば無利子の奨学金を検討してください。


ただし、無利子の奨学金を借りたい場合、高校生活在学中の成績による選考基準があります。


要は「勉強をサボっていた人には無利子では貸しませんよ。」ということです。

もし今まで、高校の授業やご両親からお金の貸し借りについて学んだ事がある人なら既に分かっているかもしれませんが、お金というのは基本的にタダで貸してもらえるものではありません。


これに関してはまた別の記事で解説していこうと思いますが、簡潔に言えば、今日のその手元にある1万円は、明日手元にあるであろう1万円とは価値が違うからです。


話を戻しますが、有利子でお金を借りるということは、将来的に借りていた額よりも多く、お金を返さなければいけないということです。


次の例で見てみましょう。


大学在学中の4年間、毎月60,000円を借りた例です。

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奨学金タイプは 二種なので有利子です。(一種は無利子)


保証は、機関保証なので、万が一自分が返済不能になってもご両親が代わりに弁済するということはありません。その代わり、保証してもらうために毎月別途「保証料」を支払う必要があります。


機関保証を利用しない場合は人的保証と言って、万が一お金が返せなくなった時に代わりに弁済する人を差し出さなければなりません。(連帯保証人・保証人)


多くの場合、これがご両親であったりします。


連帯保証人という言葉を既に聞いた事がある人も多いと思います。

これは通常の保証人よりも条件が厳しく、特徴としては、


催告の抗弁権
検索の抗弁権
分別の利益


がない事が挙げられます。


これに関してまた別の記事で解説しようと思いますが、


要は、お父さんお母さんも奨学金を借りた学生と同じ債務者のような扱いを受けますよ、返済できないことをお子さんのせいにできませんよ、とにかく誰でもいいから(お子さんでもご両親でも)全額返してください。


と言われてしまうことです。

話が逸れてしまいましたが、上記の例でお金を借りた場合の返済シュミレーションは以下のような感じです。

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日本学生支援機構 貸与・返還シュミレーション

返還方法には大きく分けて2種類あります。

一つ目は、月賦返還。これは、ボーナスを想定しない返還方法で、毎月同額をただ淡々と16年返し続ける方法です。後述する月賦半年賦併用返還と比べると月々の返還金額が大きい事が特徴です。


もう一つが、月賦半年賦併用返還。これはボーナスを想定した返還方法で、月々の返還金額が月賦返還と比較して小額であるものの、ボーナスが支給されると一気に返還しなければならないものです。


どちらにせよ返還の総額は大きな差はないのですが、一つ留意しておいて欲しいのが、ボーナスは必ずしも支給されるものではないという事です。


多くの日系企業であれば、労働組合の力が強く、毎年年に2回、さも当たり前かのように支給されています。

しかしそもそもボーナスというのは、「賞与」と記載されるように、会社の業績が良かったのでそれに資する活躍をしてくれた社員に給与意外にもお金を与えますよ、といった性質のものです。


つまり業績が悪ければもちろん前年よりも額が小さくなってしまうこともありますし、場合によっては支給されないことすらあります。


また、支給方法も企業によって異なります。

実際に私の現職では夏の支給一回のみとなっています。


なので月賦半年賦併用返還を選択するのであれば、計画的にお金を積み立てておく等工夫が必要になってきます。

奨学金を借りた場合の生活をイメージしてみよう

これは奨学金の利用者であれば皆口を揃えて言いますが、

借りるときは小額に感じても、いざ返すとなるとかなり大きな額に感じる、のです。


厚生労働省が発表した

令和元年賃金構造基本統計調査結果

によると、平成30年の大卒の初任給はの平均額は206,000円です。


「結構もらえるし大丈夫じゃないの?」


と思うかもしれませんが、ここから実際に所得税や住民税、厚生年金や健康保険料が控除され実際に手元に残るお金は16~18万程度です。

(働き始めて最初の年に住民税は控除されませんが、次年度6月から控除されます。)

実際の生活にかかるお金と奨学金の返還の負担を下の図で見てみましょう。

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中学生・高校生だとまだ全然イメージできないかもしれませんが、いざ一人で生きていくとなると想像もつかないような出費がたくさんあります。

(東京に住んでいて交際費が15,000円で済んでいたらかなり倹約な生活してる方です。)


「来月○○先輩が産休に入るから一人5,000円ずつ出してお祝い買おうよ!」(○○先輩とか喋ったこともない!)


「バレンタインでとして部内で男性陣にチョコレートを買うので一人2,000円ずつお願いします!」(ええ?個別で渡せば良くない??)


「家のベランダに蜂の巣ができたから駆除しないといけないけど駆除費30,000円かよ!」

とか・・・


そう言った中での奨学金返還って、ものすごく負担に感じてしまうものです。

そもそも奨学金を借りてまでするべきことなのかをもう一度考える


奨学金とは、体裁のいい借金です。


返せなくなれば自己破産をする人もいますし、奨学金のせいで思ったようにお金が貯められず、結局また自分の子供にも奨学金を借りてもらう、という負のループに陥ることもあります。


大学進学は素晴らしいことです。自分の知らなかった世界観やたくさんの人に出会え、勉強することの楽しさにも気付けます。


ただ一方で、自分は「借金をしてまで大学に通っているんだ、学んでいるんだ」という自覚を常に持っておいた方がいいかもしれません。


そうする事でふと、「もしかしたら60,000円も借りなくてもいいかもな、来年は借りなくてもいいかもな」と、当たり前に振り込まれてくる奨学金の不要さに気づくこともできます。

大学に進学するといわゆるクソ大学生と言われる集団に感化され、学ぶことを忘れてアルバイトと飲み会に毎日の貴重な時間が奪われてしまう事があります。(私も大学一年生のときはそうでした。)


安定した企業に努めないと返せないよ、と言っているわけではありません。


奨学金を返還することを苦しんで、「あのときもっとこうしていれば」と後悔しないようにしておいて欲しいのです。


言い換えれば大学進学が適切な投資だったと思えるような借り方をして欲しいのです。

大学に進学した事で得られる知識・経験を生かして自分の効用を最大限に高められるような生活を得られるかどうかは自分自身の意識にかかっています。


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