また、ネ
人が交差していく。
人々と触れそうで触れない距離を保ちながら、すれ違っていく。
赤信号を待ちながら、路上ライブに目を向ける。
人が夢を追いかける姿、それを応援する人々。
歌う、見る、歌う。
今日もこうして人々の感情が揺れ動いていく。
横断歩道を渡ると、そこにもまた別の夢を追いかける人がいて、平和という夢を追いかける人もいた。
ギターを弾きながら歌う人、その横で黒に赤と緑のペンで書かれた文字を掲げる人。
私は、それらをノイズキャンセリングしないように、心で感じながら横を通り過ぎて行った。
「僕はもう適当なんで、」
と、肩を窄めながら目の前の人は笑っていた。
「いやいや」と私は私で笑いながら返事をして。
「なんか最近、こういう目がキラキラした人によく会うんすよね。多分僕が、適当に生きてるから」
そう言って、目の前の人は私と目を合わせた。
「いや、でもそう言われてみたら私は逆に適当さがないんですよね」
「そのままでいいと思うっすよ、適当にならない方がいいっす」
「でも私、今年は自分の真面目ブロックを外したいなってちょうど考えてて、」
そんなふうに、真面目だとか適当さだとかのお互いに無いものについての話を重ねていく。
私たちはそれから、海王星と冥王星の話をし終えてから別れの挨拶をした。
「では、また」
私はこの時ちゃんと、”また”という時間を自分から作りに此処へ足を運ぼうと、ドアを開けながら思った。
「またね」って、曖昧な言葉で。
きっとこの三文字を計りに乗せたら、0gなんだ。
頭の中で、この三文字が再生される。
私は、すっかり暗くなった空を見上げながら、唇をぎゅっと結ぶ。
「絶対、また会おうね」
私はそんなふうに人に言えるだろうか。
私はそんなふうに人から会いたいと思ってもらえるだろうか。
そういう人間で在ればいい。
そういう人間になればいい。
大阪という街は、空を近くに感じる。
壮大な空という立ち位置ではなく、夢を一番近くで応援してくれているかのようなそんな存在で、その温かさを背中一杯に感じることができるんだ。
また、起き上がれるね。
p.s 体調不良につき筋トレとSNS休憩中です。文字は書けます。
文字を書くことが生き甲斐です。此処に残す文字が誰かの居場所や希望になればいいなと思っています。心の底から応援してやりたい!と思った時にサポートしてもらえれば光栄です。from moyami.