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ノベルゲーム 『ねこ探偵 最初の事件』の制作秘話・攻略法

こんにちは。もず(@mo_x_2)です。

最近はマンガばかり描いている私ですが、数年前までノベルゲームを制作していました。

▼作品リストはこちら(よかったら遊んでね)

当noteでは、2017年に制作した『ねこ探偵 最初の事件』という自作ゲームについて、制作秘話と攻略法をまとめました(※)。

・ノベルゲーム制作に興味がある人
・『ねこ探偵 最初の事件』をプレイしていて詰まってしまった人
・『ねこ探偵 最初の事件』の熱狂的ファン

という方はぜひ読んでみてください。

※ゲームはこちらで遊べます↓(無料、ダウンロード不要)

※なぜ2017年のことを今更……と思われる方は以下記事をご参照ください↓

『ねこ探偵 最初の事件』あらすじ

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主人公のねこは貧乏探偵。

ある日、大金持ちのお屋敷に勤めるメイドから「屋敷にいる幽霊から命を狙われている」と相談を受け、助手の少女とともにお屋敷へ調査におもむく。

情緒不安定なメイドや意地の悪い主人、おしゃべりで偏屈な大奥様、さらには助手の暴言や傍若無人な振る舞いに翻弄されるねこ探偵。

調べを進めていると、屋敷の一室から何かが割れる音を聞く。大急ぎで駆けつけてみると、そこには大きな壺で頭を殴られ血まみれの死体が!

犯人の姿は探せど見つからず、しかし現場は密室。果たして事件の真相は……?

……というよくある探偵物です。

『ねこ探偵 最初の事件』ができるまで

制作秘話というと大げさですが、できるまでこんなんでしたというお話を。

前提として書いておくと、私は人としてどうかと思うくらい、こんなやつと友達になりたくないと思うほどにめんどくさがりです。

だいたい30分ほどでクリアできるこのゲーム、実は完成までに3年もかかっています。

そもそもどうしてゲームを作ろうと思ったかといえば、メイントリック(というのもおこがましいですが)が思いついて、せっかくだから何かでアウトプットしようと思った時、

・小説:文章にするような内容じゃない
・漫画:背景描けない、コマ割れない
・ゲーム:キャラとシナリオだけ書けばいいからできるかも!音楽や背景は素材借りればいいし!←採用!

と考えたからなんですね。ゲーム制作をナメすぎている……ごめんなさい。

そんなナメくさった姿勢からのスタートだったので、いざ組み立ててみると

・シナリオ:メイントリックだけしか決まってないから、オチも何もなくて終われない
・キャラクター:表情差分描くのめんどくさい。イラレめんどくさい。(キャラクターは全部illustratorで描いています)
・背景:探すのめんどくさい。しかもあんまりちょうどいいのない。
・音楽:探すのめんどくさい。しかもどういう場面にどんな音楽がいいのか全くわからん。
・テスト:めんどくさいし、うまく動かなくても原因がわからん。あと自分で作ったゲームやってもおもしろくない。

とつまずきまくりました。

めんどくさいめんどくさい言ってますが、本当にゲーム制作ってめんどくさいんですよ。

以前、『銀魂』で知られる漫画家の空知英秋先生が「ホントめんどくせーな漫画描くのって」「チーズ蒸しパンになりたい」とおっしゃっていましたが、ゲーム制作も本当めんどくさいです。私もパンになりたい。

ということでちょっと手をつけたところで放置していたら、いつの間にか2年くらい経ってしまったのでした。

このままエターなる(※作者が諸般の事情によりゲーム制作を途中で放棄すること、またはその状態を表す言葉)方向に全力で向かっていたのですが、その状況を打破するキッカケとなったのが、「ティラノゲームフェス2017」です。

ねこ探偵はティラノビルダーというフリーのゲーム制作ツール(プログラミングもいらないし、感覚的にゲームを作れる初心者に超オススメのツール!しかも機能制限はあるものの無料版でほぼ問題なく使える)で作っていたのですが、このツールで作成したゲームが対象のコンテスト「ティラノゲームフェス」の開催が決まったのです。ちなみに2017は二回目の開催。

途中まで作っておいて放置しているゲームがある、というのも喉に魚の小骨が引っかかったままのようで精神衛生上よろしくないので、このコンテストの〆切を目標に、ゲームを完成させることに決めました。

このとき私がゲームを完成させるために決めたのが

・人間のキャラクターは2人以上出さない

ということでした。

人間って描くの大変じゃないですか。手足が長くてバランスが難しいし、服着せなきゃいけないし、指が5本もあるし。だからキャラクターは助手の女の子を除いて全部デフォルメした動物にしました。

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また、シナリオも辻褄が合う最小限にし、とにかく完成することを目指しました。多少気になることは完成後に直すこと方針に。

そんなこんなで何とか着手から3年の月日を経て完成までこぎつけたわけですね。ティラノフェスに感謝!〆切の存在って偉大!

『ねこ探偵 最初の事件』ができてから

有難いことに、ねこ探偵はこんな素敵なレビュー記事を書いてもらっています。

【フリーゲーム レビュー】『ねこ探偵 最初の事件』は平成の『アニマルランド殺人事件』認定してもいいと思いました | GAMESOLDIER

「とぼけた味が魅力のフリーゲームです」という見出しから始まるのですが、こちらを読むと「なんておもしろそうなゲームなんだ!」と思いますよ!

上記サイト「GAME SOLDIER」運営者の戸塚伎一さんはあのファミ通のクロスレビュワーでありゲームライター歴も28年というそれはもうすごい方です。

そんなプロの方に、こんなお褒めのお言葉を……有難いやら恥ずかしいやら……いや、超嬉しかったです!

ゲームのダウンロード数が伸びるのも静かな喜びですが、こうしてきちんと文章にしてもらえるのも格別の喜びですね。本当にありがとうございました!

さらに有難いことに、ねこ探偵は先述の「ティラノゲームフェス2017」で佳作の賞をいただいています。

運営のシケモクMKさんからも有難いコメントをいただきました。

プレイするだけでなく、丁寧なコメントまでいただけるなんて、本当有難いですよね。これはプレイヤーの方にも言えることですが、自分の大切な時間を自分のゲームに使っていただいていることが何より嬉しい。ありがとうございます。

先ほどのレビュー記事もそうですが、読むと「へ〜!やってみたい!」と思わせる文章なんですよね。私もあらすじなんかをこんな風に書けるようになりたいですな。

いや〜ただの自慢の羅列みたくなってしまいましたが、自慢なんだからしょうがない!

戸塚伎一さん、シケモクMKさん、その節は本当にありがとうございました。

『ねこ探偵 最初の事件』作ってみて

とりあえず、数年ずっと喉に刺さっていた小骨を除去できたことでホッとしました。

あとは自分が思っていたよりずっと反応があって(それはゲームを公開しているノベルゲームコレクションさんのお力が大きいのですが)、嬉しかったですね〜。

自分で作っておいて「どこがおもしろいんだろう……」と真顔になってしまうゲームでも、楽しんでくれる心持ちの豊かな人がいるものです。ゲームを作ってみて、世の中にはいろんな人がいるんだなと感じました。

制作中はもう二度とこんなめんどうなことはやるまいと心に誓いましたが、終わってみた今となってはまた何か思いついたら作ってみようという前向きな気持ちです。

『ねこ探偵 最初の事件』攻略法

最後に、『ねこ探偵 最初の事件』の攻略法を載せておきます。

私は小説や漫画は読みますがあまりゲームをプレイしない方で、特に分岐が多いノベルゲームなんかはひとつのエンディングを見た後に何度もはじめからやり直すのがめんどくさすぎると思うタイプです。

素晴らしいゲームの噂を聞くと、「なんておもしろそうなゲームなんだ!あらすじとオチだけ教えてくれ!」と願うゲーマーの端くれにも置けない人間です。

そんな思考なので、ねこ探偵ではエンディングまで1本道しかありません

途中、事件の調査をする過程で分岐がありますが、結局全ての選択肢を網羅する必要があるので、どれを選んでも順番が前後するだけで内容は変わりません。犯人を特定するところですら、真犯人を選ぶまで何度もやり直し可能です。親切!

ただ、おまけシナリオ的なエンディングがあり、そこの分岐を見落としてしまうことがあるようです。そこだけ攻略法(?)として書いておきます。

事件解決後、エンディングを見終わると以下のような選択肢が出ます。

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一見、「まだ、つづける?」の方を選ぶと続きがあるようですが、ここで「もう、やめる?」の方を選ぶともうひとつのエンディングを見ることができます。

もしここで「もう、やめる?」の方を選び損ねても、ひとつめのエンディングを見た後はタイトルに「STAFF」ボタンが追加されますので、そこをクリックしてもう一度エンディングを見ればまた選び直すことができます。親切!(ゲームとしていいのか?)

以上が、『ねこ探偵 最初の事件』の制作秘話・攻略法 でした。


最後まで読んでいただきありがとうございました!もずでした。

いただいたサポートは積み立てて大きいiPadを買います。