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マンダロリアン入門。知らない貴方へ

公  開:2019年(シーズン1)、2020年(シーズン2)
脚  本:ジョン・ファヴロー 
話  数:16話(シーン2まで)
ジャンル:アクション/アドベンチャー
見どころ:ベビー・ヨーダのいたずら

抱っこされないと、動くのが大変そうメ~

スターウォーズシリーズは、エピソード4から公開されて、最後にエピソード3がつくられるという、他の作品では考えられない作品となっています。

さらに、ディスニーが加わったエピソード7であるとか、シリーズの間を補完する作品がアニメーションで語られてみたりと、一体どれから見ればいいのか、興味があったとしても、躊躇してしまう作品群となっているのが実情です。

細かい時系列や何かは別として、スピンオフ作品でありながら、スターウォーズを全く知らない人でも楽しめて、且つ、知っていれば、その面白さがさらに上乗せされる作品「マンダロリアン」について、紹介してみたいと思います。

知っておくと楽なこと

スターウォーズシリーズは、設定が複雑ではありますが、「マンダロリアン」を見るにあたって知っておけばいい事柄は多くはありません。

知っていると驚くことや、ファンサービスなところがさりげなくありますが、本作品から興味をもってさかのぼっていってもまったく問題はありませんし、むしろ、そのほうがスターウォーズシリーズそのものが楽しめると思います。

スピンオフ作品ではありますが、知らないほうがミステリアスで楽しいという部分もでてきますので、楽しみ方は人それぞれとも言えます。

一応、知っておくといいのは、フォースという存在と、色々な異星人たちが、わりと普通に暮らしている世界だ、ということぐらいです。

フォースとは何かということはいろいろな考えもあるので書きませんが、ようするに、この世界における超能力だと思ってもらえれば、間違っていますが、「マンダロリアン」をみる分には困らないでしょう。

そして、スターウォーズにおいての重要人物、ヨーダというキャラクターと同じ種族の通称ザ・チャイルド(ベビー・ヨーダ)が、そのフォースが使える、ということだけ押さえておけば、あとは、その作品そのものの面白さですぐに見終えてしまうことでしょう。

とにかく、可愛い

マンダロリアンという戦闘集団の一人である主人公(マンドーと便宜上書きます)は、賞金稼ぎをしながら、マンダロリアンの教義を守っていきています。

そんな彼が受けた依頼が、50歳の対象を捕まえてくること。

ストイックな男であるマンドーは、ベスカーと呼ばれる特殊な金属で武装しているのですが、特殊能力があるわけでもなく、銃の腕であるとか肉弾戦、爆弾や知識を駆使して、わりと泥臭く戦います。

そんな男が、ザ・チャイルド(ベビー・ヨーダ)と出会い、あまりの可愛さにノックアウトされて、自分自身の信条や教義の中で揺れ動きながらも、ザ・チャイルドを守りながら逃げる物語となっています。

ザ・チャイルドの出来栄えが素晴らしく、子犬や子猫のようなかわいらしさと、赤ん坊の可愛らしさのいいところだけ取り出したような仕草は、多くの人を魅了することと思います。

いわゆる、昭和の名作「子連れ狼」のような構造となっていまして、子供を守ったりしながら、マンドーが戦うというところに、コミカルさとハラハラ感を内包させているところにも、面白さがあります。

シーズン1に至っては、子供はなんでも口の中にいれてしまうという特性が最大限に面白く演出されており、大事な卵を届ける回では、戦いとは別の意味でハラハラすることになります。

各話の面白さ

キャラクターの面白さもありますが、本作品は基本的に一話完結型が多い、ロードムービー的な作りとなっています。

逃げたり、探したりする中で、色々な惑星に行くのですが、そこで、依頼(クエスト)を受けて、それを解決する。

物語の構造はいたってシンプルですが、過去の名作をなぞっている作品が多く、非常にとっつきやすい面白さがあります。

旧帝国軍の残党から村を守る為に、村人を鍛える回は、「七人の侍」を彷彿とさせますし、そもそも、知らない町にいくと頼まれごとをしたりして解決するのは、「用心棒」であるとか、西部劇においては定番中の定番といったところでしょう。

初めはたんなる依頼対象でしかなかったザ・チャイルドとの間に、絆が生まれていくたびに、主人公はプロとしての自分との間に悩みながら、今日も、いたずらっこなザ・チャイルドを優しい目で見つめることになります。

泥臭さも魅力

「マンダロリアン」の魅力の一つに、スタイリッシュ過ぎないところもあると思われます。

オンボロな宇宙船をだましだましつかうような演出がたびたびありまして、壊れては直し、壊されては直しを繰り返しながら物語が進むので、主人公たちが乗る宇宙船にどんどん愛着がわいてくるから不思議です。

ドタバタ感があり、こんな雰囲気の作品が、スターウォーズの世界観で作られるということが、驚きだったりもします。

戦闘においても、格好よすぎないところもいい感じです。

また、主人公は、マンダロリアンの教義として他の生物に顔を見せないというものがあるのですが、その教義を守れないタイミングがきたりするときに、どうなってしまうのか、というところも面白いです。

シーズン1においても、その問題はあったりするのですが、シーズン2では、それがさらに顕著にでてきたりして、一人のおっさん(主人公)の心がかわっていく姿を追体験できるところも魅力ではないでしょうか。

ファンサービスについて

冒頭でも、スターウォーズを知らなくてもまったく問題ないとは書きましたが、知っていることで、じわじわと面白さを感じるポイントがあるので、なんとなく書いておきたいと思います。

過去作品におけるキャラクターがというものもありますが、二つの太陽がみえる惑星タトゥイーン。

スターウォーズ一作目、「スターウォーズ エピソード4 新たなる希望」において、主人公のルーク・スカイウォーカーが、自分は一生田舎で暮らさなきゃいけないのか、と絶望的な気持ちだったときに見えたのが、この二つの太陽となっておりました。

この惑星タトゥイーンが何度もでてきてくれたり、ジャワズや、サンドピープル達がでてくることになるので、もし、今までスターウォーズのエピソード4だけでも見れた人は、この上ないご褒美になることと思います。

「クローンウォーズ」にでてきたキャラクターもでてきたりして、とにかく、知っていれば、にやにやが止まらないところも「マンダロリアン」の魅力にはなっていますが、何よりも、単体で面白い作品となっています。

配信サービスであるディズニー+の会員数アップにも大きく貢献した作品でもありまして、その理由にも納得の出来栄えなのが「マンダロリアン」となっていますので、これから見る人も、既に見ている人も、何度も楽しめる作品です。


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