【映画の余韻】プーと大人になった僕

※ネタバレしています。

ターゲットの働き方改革世代を見事に掴むプー作戦
働き方改革世代は子供の頃プーが身近だった世代。
映画のターゲット層を掴むためにプーはばっちりな戦略だなと思った。

ぬいぐるみ相手に怒鳴りつけるほど心の余裕を忘れてしまっているクリストファーロビン。
うわぁ、見たくない。でも現実は確かに、仕事に脂が乗ってきて挟まれ世代、子供も反抗期近くなる世代。非常にストレスフルで疲労困憊でも、働いて頭を使う生活を余儀なくされている。
ましてや幼いうちに父親をなくし戦場を経験していたら、より一層、プー達のゆる〜い生き方に今更戻れるはずはない。

だけど、せっかく生き延びて妻子にも恵まれた人生を、たかが仕事上のポジションの都合に振り回されて棒に振って良いものか。

あえて「何もしない時間」「家族との時間」を無理矢理にでも確保する。
そのためには、組織の仕組みとして強制的に休業日が必要。これがこの作品のテーマなのかな?

幼少のなーんにもしなくて良いプー達のような過ごし方は、相対社会に一度足を踏み入れると二度と戻れない貴重な時間だけれど、その時期に培う創造力発想力、更には子供の頃のような過ごし方を時折取り入れられる力が、社会を生き抜くのに一番必須だったりするよなぁと大人になってしみじみ思う作品。

ユアンマクレガーはスターウォーズといい挟まれ役がよく似合う。前半は顔の上半分に皺が集まりしかめっ面、プー達の敵ズオーを自作自演で退治し幼少期の気持ちを取り戻してからは、一気に顔の上半分が緩み、下半分がよく動く柔らかい表情。表情の演技がとても上手くて、すごかった。

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