【映画の余韻】レオン 完全版

※ネタバレしています。
マチルダの想いを命をかけて繋いだリング
失う者が何もない身の2人にとって、お互いを生きる意味にしていく過程がとても良かった。絶望的境遇を悲嘆もせず、ありのまま理解して生活している自然な空気感だった。
賢いマチルダが、異性に興味も持つ年齢に差し掛かり、その時期に命を守ってくれたレオンに、ストレートに父性や異性を子供らしく、時に背伸びして女性らしく求める演技がとても上手だった。
牛乳が好きだったり時折見せる無邪気な笑顔からも伝わってくるように、レオンは本来非常に真面目で善良な人間だが、1回の敵討ちゆえに殺しの世界に堕ちた経験者だからこそ、マチルダは敵討ちの殺しに手を染めず、幸せな人生を送れるように導く。もっとピントはずれの無骨なプレゼントかと思ったら、とっても似合うピンクのワンピースで、レオンの上品なスマートさが表れていた。普段から鍛えたり、銃や観葉植物の手入れも丁寧に行う性格だから、マチルダの事も大切に扱えるし、仕事も颯爽とできるのだろう。最期にリング作戦で面と向かって敵を討つところも良かった。マチルダの想いを命をかけて繋いだリング。
ラストはマチルダの片手にある物がぬいぐるみから植木鉢になっていて、大地に植え替えるシーンはレオンとマチルダ自身に重なり、 切ないが希望を感じさせる終わり方だった。

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