【映画の余韻】アラジン 2019年実写版

メインはウィルスミスの顔芸
※ネタバレしています

アラジンというよりもとにかくウィルスミスが楽しみで、海外映画館で一足お先に3Dで観てきました!

普段そこまで興味のないディズニー。でも今作は監督がガイリッチーだったので、コードネームアンクルが展開が早くテンポの良い作品だったからきっと楽しいに違いないと期待して鑑賞。

高揚感を思いっきり味わえて、本当に楽しかった!!
アラジンよりジーニーが主人公。陽気な存在感をこれでもかと発揮していて、ドリームガールズでビヨンセを食っていたジェニファーハドソンのように、大きさも迫力も抜群のウィルスミス。
役を完全に超えている!元々ウィルスミスが好きだから、今迄の役柄の集大成のように感じて、嬉しくて仕方なかった。

そして、アブー!洞窟でお宝に手を出しちゃう以外は、ほんとに良い仕事してた!映画館も大盛り上がり!

作品全体は、ボリウッドっぽくした雰囲気。ボリウッドほど踊り全開ではない。原作とは所々話の構成も変わっていて、ここ必要ないよね?と思いながら見た最初のパートが、最後にアッと繋がる驚き!主人公カップル以外にもカップルが誕生する、魔法にかけられてにも通じるようなラスト。キーワードはジャム!

産まれた環境から悪者以外は全員、自由になれた。
そしてそれが、チーム戦。そこに言及するジーニーも良かった。ウィルスミスによって、「never had a friend like me」という歌詞が最後まで活きていた。
尽くして捧げて叶えてくれる友達、そんな友達、ジーニー以外いないよ?というのが、ウィルスミスの歌と踊りにより、明るく際立つ。
本当にそうで、ジーニーみたいな仕えてくれる存在は本当の友達ではないのが常であり、都合の良い友達なんて人生にはいない。生身の仲間や友達と、いかに助け合いながらお互いを尊重し、お互いに叶えていくか。

だからこそ、「こんなに友達として最適な人、僕以外いないけど、僕をランプから解放してくれない?」というジーニー自身の望みに聞こえなくもないが、10000年もの間、全ての主人はそこに気付かなかったんだなぁ。

ジャファーも、自身が気付かなかったように、それを理解する主人が現れるまで、オウムとランプに閉じこもるままなのだろう。
私利私欲に飲まれず仲間を大切にできるまでは、どんなに偉大な力を手にしても、真の自由は得られず、井の中の蛙と言うか、狭い世界に閉じこもり。

それを教えるために、生前のロビンウィリアムズはジーニー役を全うし、説教くさくなくコミカルに表現したのだと思うし、その根底部分をウィルスミスも引き継いでいるのがひしひしと伝わってきて、実写によって一儲け〜という軽いノリではなく、作品への敬意を感じて嬉しかった。

ジャスミン役もディズニー筋金入りのナオミスコットだから歌唱力表現力が素晴らしくて、原作アニメを意識せずすんなり受け入れられる、現代版プリンセス。世間知らずで泣いて待つだけのアニメ版ジャスミンとは一味違う。徐々にジャスミン自体が個性を発揮するとともに、歌い方もビヨンセ風のこぶしが入ってきたりする。理知的でとても可愛い。既婚者がプリンセスとして活躍できる時代到来!

ジャスミンの父親も、アニメ版では大きな決断も頭で考えずジャファーに任せてしまうオウムの台詞通りの風船おじさんだったが、実写版では意志も感じさせる存在だった。

アラジンは、アニメ版同様、運動神経は抜群。機転はアニメ版の方が効いている。毎日がどうにかなんとかなってる、定職を探す努力もしていない、あくまで泥棒の範疇を出ない存在だったのに、一気に逆玉の輿。危機一髪逃げ出すような極めて追い詰められたシーンでも歌っているから、歌ってる場合かと突っ込みたくなる。この役を掴むのもアラジンと同じくらいの千載一遇のチャンスだったのだろうな。個人的には、主人公はイマイチかな、、せめてアニメ版のターバン帽子を被っていて欲しかった。実写版では、家が仕掛け式になっていて楽しかった。

ジャファー。見た目は中東系のままだが、ビジュアルの邪悪さはアニメ程ではない。でも、容姿が人間だからこそ、容姿から明らかに見て取れない内面が邪悪な人間の野心や裏切りの恐ろしさが際立つ。オウムがね、、道連れ。ジャファー役は、ハキム役に食われてしまっていた気がする。

アニメ版同様、絨毯は洞窟から持ち出しても大丈夫なの?絶対的信頼を置いて飛び降りたりどうしてできるのだろう?相変わらずそこだけ腑に落ちない。けれど、whole new world以外にも絨毯とのスリル満点シーンがあり楽しかった。

宮殿の美しいモスクを実写で見たらどんなだろうと思っていたが、モスク型ではなかったし、衣装もナオミスコットのルーツを意識してか、なんだかインドテイストも入っている。

あと、アニメでは泥棒を追いかける刀の男達が落ちる肥料のところに「ハキムの肥料」と書かれていたが、映画では、宮殿内の守衛のトップの名前が「ハキム」。ハキムには賢いという意味の他に、イスラム統治者の意味もあるので、ハキムに誰に付くか決断を迫る場面、なにかディズニーの思惑があるのではと感じてしまった。
子供も観る映画で、アラジンがお金をばら撒くのもね、、アニメ版同様、感心しない。

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