MOVIE JUNCTION

名古屋市在住のWeb映画ライター/イラストレーター。 趣味は読書。

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最近の記事

「憐みの三章」と「ジョーカー2」:秋の注目作と来年のオスカー候補作について

*今回の記事は映画評論家の町山智浩が発表したYouTube動画「『憐れみの三章』完全解説」と「町山智浩とDr.マクガイヤーの『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』復習回」を参考文献の1つとしています。いつも深く分かりやすい解説を提供してくれる町山さんに心から感謝します。ありがとうございます。 カバー画像:「憐みの三章」第二話の「犬が人間で人間が犬の世界」より ギリシア神話には人間が動物になる物語が多いらしい。 ・「憐みの三章」について 最近、一人暮らしを始めた。 主な理由は

    • カルチャーで読み解く現代社会

      画像引用元:デビッド・フィンチャー監督「ソーシャル・ネットワーク」より はじめに:インターネットがある世界で生きるとは「インターネットは人々を結びつけると言うより、ひとりひとりが主観的なひとまとまりの時間の中で存在していることを、以前よりも意識させるものとなっている。」 トム・ショーン「ノーランズ・バリエーション(2021)」より 訳:富原まさ江 現代において、キャリアに繋がるような魅力的な機会や、人々が長年探し求めてきたあらゆる情報が手に入るのがインターネットである一

      • 格差社会が生み出す芸術の問題:「逆転のトライアングル」と共に

        「こうやって特権階級は永続していく物なのさ、ある日フィリップが会社で言った。僕たちみたいな金持ちのろくでなしが無給のインターンシップを受けて、他の連中から仕事を奪うんだよ。」  サリー・ルーニー 「カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ(2021/早川書房/山崎まどか訳)」より 社会システムが芸術に与える影響 ある日、僕は知り合いの映画好きとアカデミー賞の話をしていた時に、いかにクリストファー・ノーランが過小評価されているかについて話した。今でこそ「オッペンハイマー」と

        • 「リコリス・ピザ」と「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の思い出

          はじめに 〜別れの時がやって来た〜 ある「ワンス・アポン・ア・タイム・ハリウッド」の試写での事。 監督のクエンティン・タランティーノの隣には、ポール・トーマス・アンダーソンが座り、後半のとある場面で、ポールは上映中にタランティーノの方を見て「胸が張り裂けそうだ」と言ったらしい。僕は宇野維正の新書「ハリウッド映画の終焉(2023)」で初めて知ったこの話に胸が張り裂けそうになった。 「もう君は時間遅れだ」と歌うローリング・ストーンズの音楽が、マーゴット・ロビー演じるシャロン

        「憐みの三章」と「ジョーカー2」:秋の注目作と来年のオスカー候補作について

          「スパイダーマン/スパイダーバース」    マーベル映画のベストはこれだ!

          パート1 マーベルの宇宙は広大町山智浩さんが週一で映画解説をする事で、映画好きに知られるTBSラジオの「マーベル映画ランキング」と言う放送が2024年8月末にあった。映画ライターのてらさわホークさんや宇多丸さん、ラジオパーソナリティーの宇垣美里さんなどが、リスナーのベスト発表にコメントをすると言うような企画だ。そこで、同じマーベル映画好きとして個人的にもベストを選んでみたいと考え、好きな作品を絞ってみた。今回は1番面白いと思うマーベル映画とシリーズの今について話したい。 ち

          「スパイダーマン/スパイダーバース」    マーベル映画のベストはこれだ!