遊戯王 ルールメモ1

 遊戯王のルールについてのメモです。ルールじゃなくてプレイングやテキストの表記についても混ざっています。
 遊戯王のルールの理解に不安のある人がルールについて確認するために書いたものなので、間違っている可能性もあります。


裁定

 カードの効果、カード同士の相互作用などについて、公式からどのように扱うべきか決められている場合があり、これは裁定と呼ばれている。

 日本語版の遊戯王の公式の裁定についてはこちら。
「遊戯王 OCG デュエルモンスターズ カードデータベース」

 カードデータベースは個別のカードについて検索して調べることができる。裁定はカードの個別のページにQ&Aとして掲載されている。
 ただし、類似の効果やカテゴリーの共通効果が1枚のカードのQ&Aにまとめられていて、他のカードから裁定が掲載されているところまでリンクされていない場合もある。
 また、簡易版のルールブックには載っておらず、基本的であるためか、カードデータベースにも載っていない隙間のようなルールは多数存在する。
 このあたりを確認するのもこの記事の目的です。

全般

対象

 効果やカードに対象と書かれている場合、効果やカードを発動する時に対象を指定してからチェーンに置く。
 対象が無くなった場合、その効果やカードの発動は処理されない。
 対象が1つの場合、対象が指定した際の領域から無くなるとその効果やカードの発動は処理されない。
 対象が複数の場合、全ての対象が指定した際の領域から無くなるとその効果やカードの発動は処理されない。
 対象が複数の場合で1つ以上の対象が指定した際の領域から無くなっても、元の領域に残っているカードがあれば、その効果やカードの発動は処理される。

対象と選ぶ

 対象の場合はチェーンに置く時に指定する。
 選ぶの場合は処理する時に指定する。

効果の番号

 現在のカードのテキストには効果に①②③と番号が振られている。
 第9期/マスタールール3以降(2014年3月~)にこの表記は変更された。
 それ以前のカードは番号が振られていないため、複数の効果があるカードの効果がどこまで一つの効果であるかは、裁定やカードテキストを参照しながら読み解くしかない。

エラッタ

 カードのテキストが変更されることをエラッタという。
 エラッタには単に表記の方法が変わるだけの場合と効果自体に変更が加えられて別のものになる場合がある。

強制効果と任意効果

 単に「する」と書かれている効果は発動するかどうか選べない強制効果である。
 「できる」と書かれている効果は発動するか選べる任意効果である。
 「~発動できる。~する」と書かれている効果の場合は任意効果である。

カード名のふりがな

 カード名にふりがながあるカードはカード名が指定されている時にふりがなを読んで参照する。

属性と種族の指定

 属性が複数並べて指定されている場合、どちらかを満たすモンスターの指定である。
 種族が複数並べて指定されている場合、どちらかを満たすモンスターの指定である。
 属性と種族が並べて指定されている場合、その属性と種族を両方満たすモンスターの指定である。

カード名の参照

 「~」モンスターは名前に「~」を含むモンスターである。
 「~」魔法カードは名前に「~」を含む魔法カードである。
 「~」罠カードは名前に「~」を含む罠カードである。

カード名が記された

 『「~」のカード名が記された』は「~」がテキストに書かれていることを参照している。
 この参照にフレイバーテキストは含まれない。

トークン

 トークンはフィールド以外の領域に移動する時、消滅する。

モンスターを召喚・特殊召喚した場合の誘発効果

 モンスターの召喚や特殊召喚によって発動する誘発効果は現代遊戯王の大きな部分を占める。
 テーマの完成度はモンスターの召喚・特殊召喚による誘発効果でできるサーチやリクルートの質と量に左右される。

セットされているカードの効果

 裏守備表示のモンスターやセットされているフィールド魔法・永続魔法・永続罠の誘発効果は基本的に発動しないし、永続効果は適用されない。

効果外テキスト

 カードのテキストに書かれているが効果ではないものがある。召喚・特殊召喚についての制限や素材の制限などである。
 これらの効果は無効にならない。裏守備表示やセット中でも無視できない。

シャッフル

 デッキのカードを見た場合とデッキにカードが戻った場合にはデッキをシャッフルする。
 ただし、デッキの上やデッキの下を指定されてカードを見た場合やカードを戻した(置いた)場合はシャッフルしない。

カードの効果と処理

効果が発動できない時

 効果やカードの発動は実行できない時、発動できない。
 どんな場合に実行できないという扱いになるのかはルールや裁定による。

効果の処理が途中で止まる時

 効果の処理が行われている際に実行できないものがあると、それ以降の処理は行われない。

効果の中の●

 ●は追加の効果や複数の選択肢から選べる効果などである。
 追加の効果を使わないことを選べる場合は追加の効果を使えなくても発動できる。
 複数の選択肢から選べる効果はいずれかを使うことができる場合に発動できる。
 ●を含む効果に対して●の部分を処理することを前提して対応するカードや効果を使うことができる。

モンスターの起動効果

 モンスターの起動効果は特に指定が無い場合は自分ターンのメインフェイズに発動できる。
 スペルスピード1なので召喚・特殊召喚した際の誘発効果などのチェーンの効果処理がある場合、その処理が終わるまでは発動できない。

モンスターの起動効果についての旧ルール

 かつてはモンスターを召喚、反転召喚、特殊召喚した際に、フリーチェーンの除去を使われる前に、スペルスピード1のモンスターの効果を優先権を行使して使うことができた。
 現在ではモンスターのスペルスピード1の効果を使う前に、召喚・特殊召喚の直後にフリーチェーンのカードや効果の発動で除去できる。
 召喚・特殊召喚そのものを無効にすれば旧ルールでも新ルールでもモンスターの効果は使えない。
 このルールはマスタールール2(2011年3月~)で変更された。

スペルスピード2の効果

 自分・相手ターンに~と書かれている効果は優先権のある時にスペルスピード2で発動できる。
 この効果は相手ターンでも発動できる~と書かれている効果は自分ターンと相手ターンに優先権のある時にスペルスピード2で発動できる。
 こういった効果はフリーチェーンと呼ばれている。フリーチェーンはスペルスピード2でほとんどのタイミングで使える効果の通称である。

 自分・相手メインフェイズに~と書かれている効果はメインフェイズで優先権のある時にスペルスピード2で発動できる。
 この効果はスペルスピード1の普通のモンスター効果と違ってスペルスピード2であるため、効果やカードの発動に対応してチェーンできる。

コストと効果、時と場合

「コストと効果」「時と場合」について

 コストと効果、時と場合は遊戯王の理解しにくいルールの中でも最重要の概念であり、相互に関わり合っている。
 また、コストと効果については重要な召喚法についてのルールとよく似たルール上の処理を行う。
 これらのルールはカードのテキストの中に登場するし、理解しないと使うことができないデッキは多数ある。

コストと効果

 ~して発動できるとある場合に要求されている行為がコストである。
 コストがある場合、コストを支払うことでカードや効果を発動する。
 他のカードとの相互作用でカードテキストのどの部分がコストか効果かの理解を要求される場合がある。
 コストがどのように表記されているかについては時代やカードによって違いがある。

時と場合

 誘発効果は~した時と~した場合の二通りの表記の方法がある。
 時か場合かによって発動するタイミングやルール上の扱いが違う。

場合の誘発効果

 ~した場合の誘発効果は条件を満たした場合に発動する(強制効果)、あるいは発動できる(任意効果)。
 場合の誘発効果は条件を満たしてチェーンの効果処理が終わった場合に発動する、あるいは発動できる。
 場合の誘発効果でもチェーンの効果処理が終わった時に、そのカードが条件を満たした時の領域に残っていない場合、発動できない。

時の誘発効果

 ~した時の誘発効果は条件を満たしたときに発動する(強制効果)、あるいは発動できる(任意効果)。チェーンが無ければチェーン1に置かれる。
 ~した時の誘発効果は任意効果である時、条件を満たした直後にしか発動できない。
 強制効果である時は発動の条件を満たした直後に発動する。チェーンの処理中などでそれができなければ、チェーンの処理が全て終わった時に発動する。

時の誘発効果のタイミングを逃す

 時の誘発効果は任意効果である時、条件を満たしたにも関わらず発動できないことがある。「タイミングを逃す」という誘発効果を発動できないルールの一つである。
 任意効果の時の誘発効果でタイミングを逃がす条件はさまざまにあるのでいくつかを挙げる。
 チェーン2以降で発動条件を満たした時に時の誘発効果はタイミングを逃がす。
 ただし、カードや効果に対応して使う誘発即時効果などは時の任意効果でチェーン2以降でも使える。
 コストとして墓地へ送られた時に、墓地で発動する時の誘発効果は任意効果であればタイミングを逃がす。

チェーン隠し

 同時に複数の誘発効果を発動できる時に、誘発効果を発動する順番を調整することでチェーンして使うカードや効果で無効化されないようにできる。
 チェーンして使うカードや効果はチェーンの一番上にしかチェーンできないので、最後に発動した誘発効果以外はチェーンされない。
 このテクニックの通称がチェーン隠しである。
 チェーンして使うカードや効果は条件を満たした直後にしか発動できないので、チェーン隠しのテクニックで対策できる。

コスト

アドバンス召喚・特殊召喚モンスターと時の誘発効果

 アドバンス召喚のリリースに使われたモンスターやシンクロ召喚、リンク召喚などの特殊召喚モンスターの素材やコストとして使われたモンスターが、墓地に置かれた際の任意の時の誘発効果を持っている時、その効果はタイミングを逃がす。
 コストと効果の関係と召喚・特殊召喚に関わるリリース・素材・コストの関係は似ている。

コストとして相手のカードをリリースする

 通常はコストには自分のカードを使うが、相手のカードをコストとしてリリースする効果が存在する。

相手のカードを使う召喚・特殊召喚

 「効果の対象にならない」「戦闘・効果で破壊されない」「他のカードの効果を受けない」などの強力な耐性を持ったモンスターが存在する。
 強力な耐性を持ったモンスターに対抗する数少ない手段としてモンスターの召喚・特殊召喚の活用がある。
 相手のモンスターをリリースして召喚・特殊召喚できたり、相手のモンスターをリンク召喚などの素材として使って特殊召喚する。
 これらの召喚・特殊召喚は破壊や効果ではなく、多くの場合は対象を取らないため、大抵の耐性を無視して相手のモンスターを除去できる。

コストとして見せて発動する

 コストは普通は手札を捨てたり、フィールドのカードをリリースしたりといった使えるカードを減らす行為である。
 手札やエクストラデッキのカードを相手に見せることがコストであることもある。カードを見せる行為は相手に情報を与えるがカード自体は減らない。

コストの支払い

 フィールドのカードの効果が無効にされていても発動ができるならば、コストを払うことができる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?