視覚と身体イメージ

視覚と身体イメージ

視空間認知障害が発生すると、視力が障害されていないにもかかわらず、顔や物品の認識や物品を見つける能力の障害と簡単な道具の操作や着衣の能力の障害が見られるようになる。前者は視覚で受容される対象への認知機能の低下が関わるが、後者では空間における自己の姿勢や位置などへの認知障害が関係する。

 空間の知覚では、まず一次視覚野にて運動方向や速度といった低次の、進化生物学的には原始的な動態的情報処理が行われ、次に後頭部と頭頂の境界に存在する内側頭皮質をはじめとした頭頂部周囲の皮質に処理された情報が送られる(背側皮質視覚路)。

ちなみに視覚で受容された対象への認知は腹側皮質視覚路を通り、下部側頭葉皮質に送られる。側頭葉は言語や記憶に関連しており、こちらの経路が視覚情報の意味づけ(対象への認知)に関わっている事がよく分かる。

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