春の野鳥公園ウォーキン

東京港野鳥公園。大田市場のお隣。大井埠頭の先。羽田空港の手前。すぐ脇をコンテナを載せた大型車がボンボン走り、低空で大きな飛行機がボンボン飛んでくる。そんな立地。

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試しに行ってみた初回はコロナ禍ウォーキンも堂に入ってきた2020年10月。すっかり気に入って年間パスポート 1,200円を購入。その日もパスポートで入場したことにしてくれて、大人1回 300円だから、あと3回で元が取れるなんて超お得!。。。と思っていたら、2021年はその後、緊急事態だぁ蔓延防止だぁと、こちらは都営なもんだから、その都度ちゃんと休業してしまって、あっという間に期限切れに。。。なりそうでしたが、大丈夫、再開後の秋に行ったら、ちゃんとその分を延長してくれました。。。が!今年に入って再びのマンボー休業。延長後の期限切れも近づいてきてムムムッ、というところでようやくマンボーが明けた!と思ったら今度は今度は雨やら風やら冴えない天気が続き、4月2日まで、と書いてあるパスポートを眺めながら引き続きムムムムッ。やっと条件が整い、出向いたのは3月30日でした。

受付のスタッフはいつも、入り口からの坂をエンヤコラ登ってくる来場者をかなり手前から大きな声で「こんにちはーっ」と迎えてくれる。はい、こんにちはーっ。ちょいと息切れしながら挨拶をして、さっそくパスポート期限について聞いてみると、確認して「大丈夫です、延長できます」と訂正シールを貼ってくれた。新たな延長はおよそ2ヶ月。なんだかんだ、パスポート購入時から合計8ヶ月ぐらい休園していたわけだ。「お待たせしてすみませんでしたねえ。よかったらまた来てくださいねえ」って、どこまでも丁寧な受付さん、ありがとう。

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ここは動物園などと違って飼育をしているわけではないし、公営ということもあってお客さんが来ないと営業が成り立たないってことはないはず。鳥のみならず、ミミズだってオケラだってアメンボだって、むしろ人間が来なくて快適だったかも? とはいえスタッフの皆さんの業務は続行していたんだよね。柵がきれいになっていたり、枯れ草が取り除かれていたり、新陳代謝のための伐採が行われていたり、諸々整った印象を受けました。

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春休みということもあるのか、平日ながら小さな子供を連れたグループもいて、私が通ってきた中では最も入場者が多かったと思う。とはいえ密とは程遠い。ここを休業する必要はあるのかね、とずっと思ってたけど、この日もやっぱりそう思った。ここを閉じて通勤電車は開けとく謎。

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飛行機や車の音が近く遠く聞こえてくる中で、観察小屋に入って覗き窓の前に座ると不思議な静けさに包まれる。そして水の音、鳥の声、風の音。。。が優勢になる。狭い中で狭い視野、なのに、なんであんなに開放感を味わえるのかしら。暖かな日だったけれど、陽射しが遮られると、窓から吹き込んで顔だけに当たる風はまだ冷たくて、ピリッとしてシャキッと気持ち良い。

ものすごく変わった鳥がいるわけじゃない。でも、今の時期だとキンクロハジロとかスズガモとか、アオサギとかコサギとか、毎度お馴染みの鵜にカモメ、もちろんスズメにカラス。。。そんなのが普通に生きている姿をぼんやり眺めていると、あ、あんな風にエサを獲るんだ、あ、飛び立つ前はあんなことするんだ。。。みたいな発見があって飽きない。

たまにバシャバシャ写真を撮りまくる系の人と一緒になってしまうこともあるけど、それがイヤだと感じたら、鳥に倣って自らサッサと移動すればいい。他に身を置く場所はいくらでもある。イラつくのは時間とエネルギの無駄。

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ネイチャーセンターの下が「がた潟ウォーク」という遊歩道を巡らせた干潟になっていて、干潮時にはトビハゼやカニの観察ができて楽しいんだけど、そこがチビッコで賑わっていたので、この日はあきらめた。

管理事務所を挟んで西と東に分かれている公園の、ネイチャーセンターがある東側は広い水辺、反対の西側は里山のような風景で一部は畑になっていたり、炭を作っていたり。そこを流れる小川はオタマジャクシでいっぱいだった。これがぜんぶ無事にカエルになったらエライこっちゃだが、そこがうまく数合わせされるのが自然のすごいところ。しかしあれだなあ、カエルも街の中に何故か出てきて車に轢かれちゃったり、冬眠していたら工事の車にほじくられちゃったり、舗装されて出られなくなっちゃったり、そんな目に遭うくらいなら、天敵に喰われようがこういう所に生まれ育つが幸いだよなあ、ミミズだってオケラだってアメンボだって。。。

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公園内には飲み物とスナック菓子の販売機があるだけで、いわゆる食堂は無い。持ち込んで食べるならテーブルやイスはたくさんあるけど、大勢で宴会っていう場ではない。皆さん軽食程度。基本、少人数。たまにカメラの師匠に率いられたグループがいるくらい。学校が休みでない限り、平日昼間であれば子供がワイワイということもない。静か、なんだ。まったくもってコロナ禍向き、で私向き。この日もマイペースで満喫の上、清潔に保たれているトイレもお借りして、さて、帰るか。。。

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いつもは往復ともに京急の平和島駅、もしくは東京モノレールの流通センター駅から/まで歩くんだけど、どっちもなかなかに遠く、下車駅から我が家までもまたなかなかに遠いので、なんだか疲れちゃったから今日は平和島駅までバスにしよう。公園を出るとすぐバス停があって、既に私と同年配と思しきソロとデュオの女性が計3名、そこで待っていた。スマホで調べたら10分後ぐらいに平和島経由の大森行きが来る。それを待つ。が、来ない。うーん。予定時刻を10分ぐらい過ぎた。デュオの方は2人でお喋りに夢中で、あまり意に介していない様子。うーん。と、そこでソロ女性がおもむろに振り返り、話しかけてきた。「あのー、今日ってもしかしてバス、休みですか?」は?「太田市場の閉場日は運休、って書いてあるのに今、気がついたんです」へ?「私、1つ前のバスから待ってたんですけど、それも来てないんです」うぉぉぉぉっ。さすがにデュオも反応。オバs 4人で騒ぎ出す。そういや、ネイチャーセンターに貼ってあったバスの時刻表にも太田市場の開場とか閉場とか書いてあった気がするけど、この日は平日だから市場が休みなんて思いもしなかったし、開と閉の違いなんて老眼にはあって無いようなもの。バス停の説明書きも小さくてみえねーよ。

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とりあえず、どうやら来なそうだって話になり、4人でぞろぞろ別のバス停を目指して移動を始めた。渡り鳥だ。少し先に小さな停留所があって、粗大ゴミみたいな椅子が置いてあったりする。そこに若い男の子がひとり立っていた。オバsの出現にたじろぐ男子、イヤフォンしたまま少し逃げた。その隙に時刻表を取り囲んで騒ぐオバs。でも、なんかさっきの停留所と同じっぽい。何なの、これ。そしたらもうひとり、もうちょっと年上のヤングボーイがやって来たので、「今日、バスあるのかしら」って聞いてみた。誰にでも聞いちゃう。その青年はフレンドリーで、ちゃちゃっと時刻表の小さな字を読み取るや「あ、無いですね、今日は市場が閉まってるんだ」と。ソロ女性が「私、来る時もバスだったんです。それがあっちに停まったから、その反対側に反対行きのバス停があるはず」と言うので、ならば、と青年2人を加えた6人でそっちを目指す。年上青年はいつの間にやらそっちの時刻表をスマホで調べて、けっこうすぐバスが来るってわかったらしい。急げや急げ、である。イヤフォン青年はずっと黙ったままだ。そしてたどり着いたバス停に、ほぼ同時に到着したのが大森行きのバス。ぎりぎり! 

この短くも騒々しい渡りの間に、私はそのソロ女性とすっかり話がはずみ息もはずみ、「また会うかもしれませんね」とか言いながら平和島駅で先に下車した。彼女もコロナ禍であの公園に通い始めたそうで、鳥好きとしては冬の2ヶ月の休業は痛かったらしい。「もうツバメの季節になっちゃいましたもんね」って。そうかぁ、そうだよなあ。私はその時々の植物や風景が楽しめればそれでいいけど、野鳥公園、だもんね、季節の鳥が目当てって人にしてみたら、期限延長すりゃいいって問題じゃないのかも。休業中、レンジャーの観察ブログをたまにチェックして、けっこう珍しい鳥が来るんだなあ、なんて、呑気に感心していた私と違って、歯軋りしていたカメラ爺婆もいたのかも、だ。

私は、次はゴールデンウイーク明け、かな。そうこうするうちに夏、だ




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